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北京愛知行研究所:ウイグル人移民の人権状況報告(2)

2010-04-28 16:01:25 | 中国異論派選訳
(四)居住面での差別と排斥問題の法的分析

2002年11月27日、国家民族事務委員会、国家経済貿易委員会、公安部、国家旅游局、国家工商行政管理総局の共同通知『ごく少数のホテル、旅館、簡易宿泊所の少数民族宿泊拒否問題を糺すことに関する通知』の中で、「内地のごく少数の都市のホテル、旅館、簡易宿泊所が新疆籍の人、特に新疆少数民族の宿泊を拒否している。この手のやり方は共産党と国家の民族政策に違反し、民族団結を損ない、少数民族の正当な権利を侵害し、一部の少数民族の強烈な不満を引き起こしている。」と指摘し、同時に「諸君は(12)この通知を受け取ってから、管轄地区の各ホテル、旅館、簡易宿泊所の責任者と従業員に対しマルクス主義民族観、共産党と国家の民族政策、法令および民族団結の宣伝活動を行い、同時に効果的な措置をとり、ごく少数のホテル、旅館、簡易宿泊所の少数民族もしくは特定地区住民の宿泊拒否行為を着実に糺されたい。宿泊希望者が有効な身分証明書を所持し、規則を遵守する限り、全て一視同仁に扱い、温かく迎え、少数民族の慣習と信仰を尊重するよう注意し、可能な限り生活上の利便を提供しなければならず、民族や居住地域の違いによって差別待遇をしてはならない。」と指摘している。

2008年5月国務院弁公室発〔2008〕33号通達:『共産党と国家の民族政策関連問題を厳格に執行することに関する通知』は、「近時チベット人地区の安定と反テロ対策強化の過程で、少数の事業所で民族政策違反行為が発生しており、一部の空港では安全検査業務において民族を区分対象とし、一部のタクシー、ホテル、商店などでは乗車拒否、宿泊拒否、販売拒否など少数民族大衆の正当な権利を侵害する現象が出現している。この手のやり方は少数民族大衆の感情を傷つけ、少数民族大衆の不満を招いている。これらの問題は一部の地区と事業所だけでしか発生していないが、放置しておくと民族団結に重大な損害をもたらし、社会の安定に影響するだろうから、必ずや大いに重視し、断固正し、類似の事象の発生を根絶しなければならない。」と述べ、「各種ホテル、商店、飲食店などの事業所は少数民族の宿泊、購買、飲食を拒絶してはならない、各種交通機関経営者は少数民族の登場を拒否してはならない。」と指摘している。

以上の規定を見れば分かる通り、間貸し人や簡易宿泊所がウイグル人の宿泊を拒絶することは本質的に民族団結、民族平等の基本原則に違反するものであり、同時に国法に違反している。


三、周縁化とウイグル人移民の健康危機

北京のウイグル人コミュニティーにおいては、多くの人にまともな仕事がなく、固定収入源がない。彼らの一部は薬物使用者であり、薬物密売が自己使用薬物購入と生活費の収入源となっている。薬物使用は治安に対する非常に大きな脅威である。ウイグル人コミュニティーにおいては、エイズ感染率が比較的高い。エイズ、結核、肝炎がこのグループに一般的見られる疾病である。また、居住条件が劣悪であることから、インフルエンザなどの伝染性疾患もときおり集団発生している。

(一)エイズの脅威

1、コミュニティーの中のエイズ流行状況:ウイグル人移民の薬物中毒者の中のHIV感染者グループは、感染期間が長く、流動性が大きく、住居が不安定で、生活が極度に困窮していることから、大多数のHIV感染者が発病期にある。しかし、戸籍制限によりHIV感染者支援措置を受けられない。医療支援がないためにエイズ患者が路上で死亡するという事態がときおり発生している。

2、認知度が低い:多くの人がエイズが彼らの生命を脅かすことを知っており、エイズを治癒することのできる薬物が今はまだないことも知っている。しかし、感染ルート、予防法、抗ウイルス療法などの知識はほとんど知らない。一部の人はメタドン代替療法〔依存性薬物の治療方法〕や注射針の交換は知っているが、それに関連する知識は知らない。この面では、彼らはグループの中の誰かがメタドンを服用していて突然死んだり発狂したりしたと言っていて、多くの駐車薬物使用者はこの薬を服用したがらない。

3、政策要因とその治療アクセスへの影響:エイズ、結核などの患者が抗ウイルス剤や治療を受けることを制限されている。関連政策によれば、これらの患者は北京では薬物を得られず、原籍の衛生当局に申請しなければならない。だが、患者の大多数は、同時に薬物使用者であり、薬物密売によって生きており、疾病についての正確な知識も関連政策に関する知識もなく、経済状態は悪く病気になってもすぐに治療を受けられない。抗ウイルス剤を得るには戸籍制限の制約もある。

4、リスク低減措置はウイグル人グループに及んでいない:一方では、多くのコミュニティーメンバーに定まった住所がないため、北京市の暫定居住許可証を取得できず、その結果メタドン維持療法にもアクセスできない。もう一方で、ターゲットグループの宗教的文化的敏感さゆえに、エイズ、性感染症およびコンドームなどの内容は排斥されやすい。ターゲットグループへのコンドームの配布は不本意ながら従う形で配布されている。

5、エイズとその他の感染症の合併発症現象が広まっている:ウイグル人コミュニティーにおいては、エイズと結核の二重感染者が適時の治療を受けられず、街角で死亡するということがときおり発生している。また、適時に抗ウイルス療法を受けられないために、他の多くの疾病がエイズと合併発症するという現象もコミュニティーの中では一般的である。

(二)その他の疾病の脅威

1、その他の感染症の伝播:住宅難と居住環境の劣悪さがインフルエンザ、呼吸器疾患など感染症のウイグル人移民および居住するコミュニティー、インターネットカフェ、サウナなど公共の場所での感染を増加させている。愛知行研究所ウイグル人プロジェクト担当者の面談調査によると、冬季に大部分のウイグル人がインフルエンザに罹っており、またかなりの数のHIV感染者とエイズ患者、結核患者、高齢者や虚弱な人、そして10人以上の児童が深刻な健康問題に直面していた。ほとんどすべてのコミュニティーメンバーがインフルエンザなど様々な疾病に罹っていた。

2、文化の違い、宗教の影響などの原因により、エイズなどの性感染症予防のためのコンドームの普及には終始困難が伴っている。大多数の人がコンドームを使う習慣がなく、コンドームに対する科学的な認識もない。そのことがウイグル人コミュニティーの青年男女が性感染症に罹りやすくしている。

(三)少数民族政策における少数民族の医療に関する規定

『都市少数民族事務規則』(13)第二十一条は「少数民族人口が比較的多い都市の人民政府は、ニーズと条件に基づき、民族病院、民族医学研究機関を設立し、少数民族伝統医学を発展させなければならない。」と定めている。

2008年5月国務院弁公室発〔2008〕33号通達:『共産党と国家の民族政策関連問題を厳格に執行することに関する通知』は、「各種病院は少数民族患者を一視同仁し、差別してはならない。地方各級人民政府と政府各部門は各自の職責に基づき製造販売者とサービス提供者に対し民族平等政策実施状況を検査しなければならない。法令違反がある場合は、断固として糺し、法律通り厳しく処理し、悪質な場合は法律通り刑事責任を追及しなければならない。」と定める。


四、在北京ウイグル人移民が直面するその他の人権と法律問題

(一)言葉の壁

●法令規定

-『中華人民共和国憲法』第百三十四条は、「各民族の国民はすべて自民族の言語で訴訟を行う権利を有する。人民法院と人民検察院は現地通用の言語に通暁しない訴訟参加者に対して通訳しなければならない。少数民族が集住していたり、他民族が混住している地域では、現地通用の言語で審理を行わなければならない。起訴状、判決書、布告その他の書類は実際の必要に基づき現地通用の一種もしくは数種の言語を用いなければならない。」と定めている。

-『中華人民共和国人民法院組織法』第六条は「各民族の国民はすべて自民族の言語で訴訟を行う権利を有する。人民法院は現地通行の言語に通暁していない当事者に対して通訳しなければならない。少数民族が集住し、もしくは多民族が混住する地域では、人民法院は現地通用の言語で審理を行い、現地通用の言語で判決書、布告その他の書類を書かなければならない。」と定めている。

-『中華人民共和国刑事訴訟法』第九条は「各民族の国民はすべて自民族の言語を用いて訴訟を行う権利を有する。人民法院、人民検察院と公安機関は現地通用の言語に通暁していない訴訟参加者に対して通訳しなければならない。少数民族が集住し、もしくは多民族が混住する地域では、現地通用の言語で審理を行い、現地通用の言語で判決書、布告その他の文書を書かなければならない。」と定めている。

-『中華人民共和国行政訴訟法』第八条は、「各民族の国民はすべて自民族の言語を用いて行政訴訟を行う権利を有する。少数民族が集住し、もしくは多民族が混住する地域では、人民法院は現地通用の言語で審理を行い、現地通用の言語で判決書、布告その他の文書を書かなければならない。人民法院は現地通用の言語に通暁していない訴訟参加者に対して通訳を提供しなければならない。」と定めている。

-『中華人民共和国民事訴訟法』第十一条は、「各民族の国民はすべて自民族の言語を用いて民事訴訟を行う権利を有する。少数民族が集住し、もしくは多民族が混住する地域では、人民法院は現地通用の言語で審理を行い、現地通用の言語で判決書、布告その他の文書を書かなければならない。人民法院は現地通用の言語に通暁していない訴訟参加者に対して通訳を提供しなければならない。」と定めている。

-『都市民族工作規則』第二十条は「都市人民政府は少数民族が自民族の言語を使う権利を保障しなければならない。併せて需要と条件に基づき、国家の関係規定により少数民族言語の翻訳、出版、教育研究に注力する。

●実情

-治療を受けるとき:コミュニティーメンバーが北京の衛生当局、疾病予防管理センターなどで検査を受けたり抗ウイルス薬受領、メタドン切り替えをしようとすれば必ず言葉の壁にぶつかる。言葉の壁があるので、多くの人のフォローアップができない。例えば、コミュニティーメンバーの比較的集中しているいくつかのメタドン外来では、コミュニティーメンバーが戸籍制限問題をクリアーして医療サービスにつなげられても、言語コミュニケーションが難しいためにフォローアップや、普段の対応、知識の獲得ができず、サービスが中断してしまう。

-児童の教育:ウイグル住民が比較的多く住む地域にウイグル語で教える学校はなく、全て漢語を使うので学習の障害となっている。


(二)パスポート・暫定居住許可証などの手続きの際の問題

●法令規定

2008年5月国務院弁公室発〔2008〕33号通達:『共産党と国家の民族政策関連問題を厳格に執行することに関する通知』は「許可証発行、法令検査実施、行政処罰実施、強制措置の実施の際は、とりわけ駅、空港、埠頭、イミグレーションなどの安全検査においては、少数民族を差別してはならず、民族関係に影響する言行をしてはならない。違法行為を発見したら、直ちに糺し、厳しく処分しなければならない。」と定めている。

●実情

ほとんどすべてのウイグル人コミュニティーの人が暫定居住許可証を取得できない。彼らが拒否された理由は、新疆人には暫定居住許可証を発行しないということだった。しかも、ある人は北京で自動車や商品の取引をしているが暫定居住許可証がないために、契約手続きや証明書に重大な支障が生じている。『中華人民共和国戸籍登録規則』、『北京市就労外地人管理規則』、『北京市外地人戸籍管理規定』、『北京市外地人住宅賃貸借治安管理規定』などの法律、命令、規則、規範的文書は、もし暫定居住許可証がなければ移民は部屋を借りることができず、就学ことができないと定めている。さらに、罰金を科せられたり、身分証明書を没収されたりするかもしれない。(14)また、ウルムチ騒乱事件後多くの新疆籍国民のパスポート申請、商工業営業許可証申請が制限を受けている。


(三)宗教行事

●法令規定

『都市民族工作規則』第二十四条は「都市人民政府は少数民族が自民族の習慣を保持したり改めたりする自由を保障する。」、第二十六条は「少数民族の職員、労働者が自民族の重要な祝祭に参加するときは、国の関連規則に基づき有給休暇を取得することができる。

●実情

ウイグル人コミュニティーの人の紹介によると、労働矯正所〔司法手続きを経ない行政罰としての懲役施設〕、強制薬物依存者更生施設などでは、ムスリムの食事に配慮すべきである。具体的には、ハラール食品の基準は豚肉がないというだけでなく、専門のムスリム食堂を設けるべきである。収容施設では、少数民族の礼拝を尊重し、基本条件を提供すべきである。


(四)就業

●法令規定

『中華人民共和国労働法』第十二条は「労働者の就業は、民族、種族、性別、宗教の違いによって差別されない。」と定める。

『中華人民共和国就業促進法』第三条は「労働者は法に基づき平等な就業と自主的な職業選択の権利を有する。労働者の就業は、民族、種族、性別、宗教などの違いによって差別されない。」と定める。第二十八条は「各民族の労働者は平等な労働の権利を有する。雇用者が人員を募集するときは、法に基づき少数民族の労働者たいし適切な配慮をしなければならない。」と定める。

2008年5月国務院弁公室発〔2008〕33号通達:『共産党と国家の民族政策関連問題を厳格に執行することに関する通知』は「製造販売者とサービス提供者は必ず厳格に法令の民族平等保障規定を遵守し、人員募集の時に少数民族を差別してはならない」と定める。

●実情

-大多数のウイグル人が都市で仕事を探そうとすると拒絶される。

-多くの個人商業経営に従事する移民が所在地の都市管理局や警察から「ここで売買をするな」、「よそへ行って売れ」などと要求されている。


(五)子供の教育問題

●法令規定

『中華人民共和国義務教育法』第四条は「すべて中華人民共和国国籍を有する適齢期の児童、少年は、性別、民族、種族、家庭の財産状況、宗教などに関わらず、法に基づき平等に義務教育を受ける権利を有し、義務教育を受ける義務を有する。」と定める。第十八条は「国務院教育行政部門と省、自治区、直轄市人民政府は必要に応じ、経済の発達した地区に少数民族的例児童、生徒を受け入れる学校(クラス)を設ける。」と定める。

●実情

北京市郊外の某ウイグル人コミュニティーでは、十数人の年少児童がおり、その一部は入学年齢に達している。しかし、入学条件が厳しかったり、保護者が高額の費用を払えなかったり、また一部の児童は「新疆人」の身分ゆえに小学校に入学することができず、教育を受ける権利を奪われている。


(六)「重大行事」の前にしばしば排斥される

1、2008年北京オリンピックの前には、多くのウイグル人が私服警官に監視された。

2、「重大行事」の前にウイグル人が飛行機に乗ろうとすると、彼らに対する安全検査が他の民族より複雑になる。

3、「重大行事」の前になると、ボランティアがコミュニティーに入ることが制限される。

4、ウイグル人の健康について活動を展開している団体の活動場所に「重大行事」の前になると頻繁に政府職員が来て訊問する。

5、ウイグル人コミュニティーの人の話では、上海万博が間もなく開催されるので、上海のウイグル人は上海から出て行くよう要求されている。


五、政策提言

(一)ウイグル人に対する偏見と政治的恐怖感の払拭

ウイグル人大衆に対する偏見と差別は民族間の調和と社会の安定にとって無益である。しかし、多くの偏見と差別が不良社会世論に発するだけでなく、むしろ公共部門がウイグル人を「特殊化した取扱」をしていることに発していることをはっきりと見た。例えば、上にのべた間接的な居住禁止、就業排斥および「重大行事」の前の排斥行動である。したがって、偏見の除去はまず公共部門から始めなければならない。公共部門から民族平等の業務スタイルと社会風潮を築かなければならない。そうしてはじめてウイグル人に対する政治的恐怖感を除き、移民は社会発展の必然であり、ウイグル人の都市での生活と発展は多元的で調和的な社会の真実の姿であることを再認識することができる。

同時に、関係当局は少数民族の民間組織の発展を支援し、少数民族大衆が自民族コミュニティーの中で活動を行うのに便宜と条件を提供すべきである。

(二)ウイグル人の平等権の保障

民族平等とは、各民族が人口の多寡、発展程度の高低、慣習や宗教の違いに関わらず、すべて中華民族の一部であり、同等の地位を有し、国家と社会生活のすべての面において、法に基づき同等の権利を有し、同等の義務を負い、あらゆる形の民族抑圧と民族差別に反対することである。『中華人民共和国憲法』は「中華人民共和国の各民族は一律に平等である。国家は各少数民族の合法的権利と利益を保障し、各民族の平等、団結、互助の関係を維持し発展させる。いかなる民族に対しても差別と抑圧を禁止する。」と定める。中国の各民族国民は憲法と法律が賦与する国民の平等権を広く享有する。たとえば、各民族国民は民族、種族、宗教に関わらず、全て同等に選挙権と被選挙権を享有する。各民族国民の人身の自由と人格の尊厳は侵犯されない。各民族国民はすべて信仰の自由権を有する。各民族国民はすべて教育を受ける権利を有する。各民族国民はすべて自民族言語を使用し発展させる権利を有する。各民族国民はすべて言論、出版、集会、結社、デモ行進、示威行動の自由を有する。各民族国民はすべて科学研究、文学芸術創作その他の文化活動に従事する権利を有する。各民族国民はすべて労働、休息および労働能力を喪失したときに国家と夜会から物的支援を受ける権利を有する。各民族国民はすべて国家機関と国家公務員に対して批判と提案を提出する権利を有する。各民族国民はすべて自己の慣習を維持もしくは改める自由を有するなどなど。(15)

ウイグル民衆が著しく周縁化されている現実を前にして、実質的平等の保障をすべてのウイグル同胞に及ぼすには、政策と制度の上で少数民族に対する支援政策を保障し、本当に国家の民族平等と民族団結の方針政策を実行しなければならない。そのためには、国家各級の民族事務の処理機関に対して必要な事業評価を行い、関連メカニズムを構築して各級機関が積極的に国家の民族政策を実行するよう促さなければならない。

(三)メディア改善の促進

メディアの客観的で公正な報道を効果的に促進し、メディアを通じて世論の中のウイグル人に対する偏見と差別を除去するために、上から下に向けてメディアのこの分野を改善しなければならない。台湾人権促進会はメディア改善問題について、「新聞報道は客観、中立、プロフェッショナルの原則を堅持しなければならない。裏付けの取れないニュースを報道してはならない。差別的ないし感情的な語句を使わない。報道は商業化、広告化すべきではない。政治家もしくは政党の代弁者となってはならない」と述べている。(16)

ウイグル人に関する報道においてこれらの目標を実現するには、独立したメディアの観察とメディア評価事業を強化する必要がある。政府は学界のメディアに対する観察研究を支持し、メディアによる差別除去の対策を提示すべきである。少数民族むけ大学、研究機関において少数民族グループニュース研究プロジェクトを立ち上げるべきである。メディア研修マニュアルを作るべきである。
 


原文出典:http://docs.google.com/View?id=dfwrv29m_9hf5vh5c9

(転載自由、要出典明記)
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北京愛知行研究所:ウイグル人移民の人権状況報告(1)

2010-04-28 15:52:27 | 中国異論派選訳
ウイグル人移民の中国内地都市における健康、居住およびその他の人権状況報告
――北京市のウイグル人移民の事例

北京愛知行研究所

2010年4月

著作権に関する注意事項
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著作者表示。非商業的利用。改作禁止。

目次
まえがき
一、北京市ウイグル人移民グループの基本状況
(一)文化的適応の問題
(二)教育水準が低い
(三)居住条件が悪い
(四)人の流動性が高い
(五)憂慮すべき健康状態
(六)児童と青少年の成長問題が深刻

二、居住問題上の困難
(一)居住条件の劣悪さとその治安と集団の健康への影響
(二)ウイグル人の実際の困難 1、部屋を借りられない
(三)ウイグル人の実際の困難 2、北京では旅館に泊まれない
(四)居住面での差別と排斥問題の法的分析

三、周縁化とウイグル人移民の健康危機
(一)エイズの脅威
(二)その他の疾病の脅威
(三)少数民族政策における少数民族医療に関する規定

四、在北京ウイグル人移民が直面するその他の人権と法律問題
(一)言葉の壁
(二)パスポート・暫定居住許可証などの手続きの際の問題
(三)宗教行事
(四)就業
(五)子供の教育問題
(六)「重大行事」の前にしばしば排斥される

五、政策提言
(一)ウイグル人に対する偏見と政治的恐怖感の払拭
(二)ウイグル人の平等権の保障
(三)メディア改善の促進

別添1 北京愛知行研究所ウイグル移民健康教育プロジェクト紹介
別添2 新聞記事 北京愛知行研究所のウイグルプロジェクトが雑誌『南風窓』の公益賞の2009年組織賞を受賞。
別添3 北京市公安局長への手紙:新疆籍ウイグル人の北京居住、生活および保健衛生問題






まえがき

中国は統一された多民族国家であり、憲法は「中華人民共和国の各民族は一律に平等である。国家は各少数民族の合法的権利と利益を保障し、各民族の平等・団結・互助関係を維持し発展させる。いかなる民族的差別や圧迫も禁止し、民族の団結破壊と民族分裂をもたらす行為を禁止する。国家は各少数民族の特徴と需要に基づき、各少数民族地区の経済と文化の発展促進を助ける。」(1)と定めている。しかし、憲法の規定は原則的、宣言的なもので、憲法が備えるべき、人の生存権・自由権・尊厳・訴権などの権利(2)に関する具体的な保障規定は置かれていない。憲法の他に、中国には少数民族問題について「民族区域自治法」やその他多くの法令が規定を置いている。しかし、法律の良い規定が実際の少数民族問題の解決に好ましい制度的保障を提供しておらず、一連の民族衝突と民族矛盾が我々に既存の民族政策の見直しを迫っている。

それと同時に、都市と農村の二元的分割と所得格差の拡大は、多くの少数民族地域を周縁化し、少数民族大衆の生存と発展はますます深刻な問題になっている。我々はまた、多くの辺境少数民族大衆が都市に来ていることも知っている。文化・言語・信仰などの原因により、彼らの多くは集住して都市の中で中小の集落を形成している。北京のウイグル人集落は一つの典型例である。これら小さな集落とそれが都市に及ぼすであろう影響について、以下の各分野がこの報告において我々が明らかにすべきことである。

Q 彼らはなぜ故郷にいないで、都市に出てくるんですか?

A この問いはそれ自体が擬命題のようです。なぜなら社会の発展にともない、人の流動はすでに変えることのできない事実になっていからです。普通の人は、街を歩く人を見て外地人かどうか、なぜ都市に来たのかなど気にはしません。誰もがその人なりの都市に来る理由があります。その上、都市に来る理由が生存のためであるとき、我々はなおのこと発した問いが彼らに与える影響を反省すべきです。

Q 彼らは犯罪に手を染めるんじゃないですか?

A 北京の新疆集落を例にメディアの報道を見ると、確かに窃盗・薬物乱用さらには薬物密売の事案が発生しています。(3)犯罪活動は、全ての国民が法的制裁を受けるべきです。しかし少数の者の犯罪事実は全ての人の状況を説明するものではありません。また個別の事案を理由に集落と民族全体に汚名を着せることはできません。ましてや、多くの窃盗や薬物密売に従事する青少年が誘拐されたり脅迫されて都市に来ているのです。しかも、今日の社会学研究の成果が、犯罪の発生は大体において社会変動・社会発展の断裂・人々の生活の変動と非常に大きな関係があり、決して特定の人が先天的に犯罪の遺伝子を持っているのではないことを証明しています。(4)

Q なぜ彼らの権利に配慮しなければならないんですか? なぜ彼らに保障を提供しなければならないんですか?

A 『世界人権宣言』には、「全ての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。」(第1条)、「全て人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的もしくは社会的出身、財産、門地その他の地位またはこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げる全ての権利と自由を享有することができる。」(第2条)と定められています。

『経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(5)第6条1項は、「この規約の締約国は、労働の権利を認めるものとし、この権利を保障するために適当な措置をとる。この権利には、全ての者が自由に選択しまたは承諾する労働によって生計を立てる機会を得る権利を含む。」と定めています。第11条1項は、「この規約の締約国は、自己及びその家族のための相当な食糧、衣類及び住居を内容とする相当な生活水準についての、並びに生活条件の不断の改善についてのすべての者の権利を認める。締約国は、この権利の実現を確保するために適当な措置をとり、このためには、自由な合意に基づく国際協力が極めて重要であることを認める。」と定めています。第13条1項は、「この規約の締約国は、教育についてのすべての者の権利を認める。締約国は、教育が人格の完成及び人格の尊厳についての意識の十分な発達を指向し並びに人権及び基本的自由の尊重を強化すべきことに同意する。更に、締約国は、教育が、すべての者に対し、自由な社会に効果的に参加すること、諸国民の間及び人種的、種族的又は宗教的集団の間の理解、寛容及び友好を促進すること並びに平和の維持のための国際連合の活動を助長することを可能にすべきことに同意する。」と定めています。

『人種差別撤廃条約』(6)第2条1項は、「締約国は、人種差別を非難し、また、あらゆる形態の人種差別を撤廃する政策及びあらゆる人種間の理解を促進する政策をすべての適当な方法により遅滞なくとることを約束する。このため、(a)各締約国は、個人、集団又は団体に対する人種差別の行為又は慣行に従事しないこと並びに国及び地方のすべての公の当局及び機関がこの義務に従って行動するよう確保することを約束する。(b)各締約国は、いかなる個人又は団体による人種差別も後援せず、擁護せず又は支持しないことを約束する。(c)各締約国は、政府(国及び地方)の政策を再検討し及び人種差別を生じさせ又は永続化させる効果を有するいかなる法令も改正し、廃止し又は無効にするために効果的な措置をとる。(d)各締約国は、すべての適当な方法(状況により必要とされるときは、立法を含む。)により、いかなる個人、集団又は団体による人種差別も禁止し、終了させる。(e)各締約国は、適当なときは、人種間の融和を目的とし、かつ、複数の人種で構成される団体及び運動を支援し並びに人種間の障壁を撤廃する他の方法を奨励すること並びに人種間の分断を強化するようないかなる動きも抑制することを約束する。」と定めています。
『中華人民共和国憲法』は、中華人民共和国の国民は法律の前で全て平等である。国家は人権を尊重し保障する。いかなる国民も憲法と法律が定めた権利を享有し、また憲法と法律が定めた義務を履行しなければならない。不法な拘禁とその他の方法による国民の人身の自由の不法な剥奪もしくは制限を禁止し、国民の身体を不法に捜査することを禁止する。中華人民共和国国民の人格の尊厳は侵害されない。いかなる方法によっても国民を侮辱、誹謗もしくは誣告してはならない。人民の健康を保護する。」と定めています。

その境遇を見ると、いま北京にいる多くのウイグル人大衆は言葉の壁があり、部屋を借りられず、就職では冷遇され、集団の健康が大きな脅威にさらされたグループです。もし、必要な権利救済と保障が得られなければ、彼らはさらに生存条件・不法行為・健康被害および被排斥などの要因が相まって作られた悪循環から抜け出せないでしょう。それは民族間の友好的な往来にも不利だし、全社会の調和と安定にも不利です。



一、北京市ウイグル人移民グループの基本状況

全ウイグル族人口のうち、都市人口が163.31万人、総人口の19.44%、農村人口が676.63万人、総人口の80.5%である。(7)加えて多くの地方の自然条件の劣悪さと経済発展水準の低さが、農村剰余労働力の大幅な増加をもたらし、貧困は悪化の一途をたどっている。改革開放の深まりにともない、ますます多くのウイグル人が北京、上海およびその他の内地都市に来ている。ウイグル人が内地に来て最初に営むのは主に飲食業であり、内地の多くの省市で多くのウイグル承認経営のレストラン、ケバブ屋台が登場した。内地の省市で果物・布地・毛皮・綿花商いを営むウイグル商人も少なくない。いま内地で商売したり、自分の会社を立ち上げたり(主に飲食、新疆特産品、毛皮、国際国内貿易などを取り扱う)するウイグル人はますます多くなっている。聞くところでは、北京市のウイグル人経営のレストランは50軒以上ある。(8)また、一部の人は窃盗や小規模な薬物密売などの不法活動に従事している。

文化・言語・信仰などの要因により、ウイグル人は北京では主に同じ民族で集まって住んでいる。以前は主に魏公村一帯に住んでいたが、その後一連の大イベント(オリンピックの北京開催など)の際に、政府の干渉により甘家口・西駅・大興に移り、居住地も分散化の傾向にある。

全体として、北京在住のウイグル人には以下の特徴がある。

(一)文化適応の問題

1、ウイグル人居住区から漢人居住区に行くと、帰属意識の違いから交流に隔たりと心理的圧力を感じる。(9)

2、漢人コミュニティーでは、イスラム教の信仰と密接な関係のある生活習慣を続けるのに大きな障害がある。とりわけ礼拝と仕事時間の抵触や場所が確保できないときはなおさらである。

3、ウイグル人と漢人の間にコミュニケーションや交流が欠如し、また一定の誤解と差別がある。ウイグル人と漢人は同じ都市で暮らしながら、それぞれ自分達の圏内で生きており、食堂でもほとんど漢人の姿は見ない。何人かのタクシー運転手とのやりとりのなかで、我々は一部の地元人のウイグル人に対する見方を知った。多くの人がウイグル人を好かないか嫌っており、ウイグル人と泥棒を等号で結び、彼らを野蛮で理不尽だと思っている。そして、このような否定的な評価をした人のうち、誰一人としてウイグル人と交流したことがなかった。また一方で、ウイグル人も主流社会のこのような見方、とりわけ漢人の間に広く存在する差別に大いに不満を持っていた。

(二)教育水準が低い

教育水準が低いことはウイグル人グループの共通の特徴である。この特徴はこのグループの生活を制約している。コミュニティーの中に学校に通ったことがない人が大勢いる。大部分の人が小学校を卒業しておらず、少数の人しか小学校を卒業しておらず、ごく少数の人しか中等教育を修了していない。多くの人が漢語を話したり、聞き取ったりできず、大部分の人がウイグル語の読み書きもできない。

(三)居住条件が悪い

最近北京市街地ではウイグル人人口が著しく減少した。かれらは北京市周辺地区に分散して住んでおり、各集住地は二、三十人から六、七十人である。辺鄙な場所を選んで住むのは、一つ目は家賃が市内より安いこと、二つ目は新疆人が部屋を借りるのが難しいからである。これら辺鄙なところでは、そのむずかしさが多少緩和される。住んでいるのは中廊下式低層アパート(トイレ、台所、シャワー共用)や平屋住宅で、ほとんどがボロボロで、部屋はせまい。ほとんどの人に収入源がなく、また部屋を借りるのが難しいので、近しい友人同士や、親戚が一緒に同じ部屋に住んでいる。

(四)人の流動性が大きい

2008年のオリンピック前、北京は移民に対する管理を強化し、ホテルと旅館は「新疆人」の宿泊を制限し、以前部屋を貸していた家主はウイグル人が引き続き部屋を借りるのを拒否し、加えて警察の薬物中毒者と密売人の取り締まり強化したことにより、繁華なエリアではウイグル人の集住地は見られなくなった。彼らの大部分は中国内地の他の大都市に生計の道を求め、残った人々は市内から離れ、郊外の辺鄙な地区に引っ越した。

(五)憂慮すべき健康状態

多くのウイグル人移民はまともな仕事がなく、安定した収入源がない。彼らの一部は薬物使用者で、薬物を販売することで薬物購入と生活の資金を得ている。別の人々は、自分では薬物を使用しないが家族の中に中毒者が要るため、やむを得ず薬物を販売することで薬物購入費と家族を養う金を得ている。そういう人には女性が多く、また未成年者もいる。薬物使用は治安に大きな脅威となっている。ウイグル人コミュニティーの中では、エイズ感染率が高い。エイズ、結核、肝炎がこのグループによく見られる疾病となっている。

(六)児童と青少年の成長問題が深刻

数年前、内地に多くの新疆ウイグル人の青少年と児童が現れ、街中でスリを働いた。この児童と青少年の多くは誘拐されて北京などの都市に連れてこられ、その後窃盗などの違法行為を強制されていた。今では、当時の子供はすでに成人し、大体20歳前後になっている。彼らが若い薬物使用・密売人になっており、一部は今でも窃盗を働いている。


二、居住問題上の困難

大多数のウイグル人は言語、文化、宗教などの面での漢人との違いにより、上手く漢人と意思疎通できない。また、世論の偏見と差別が家主のウイグル人に対する固定観念と差別を促進している。それに加えて市内に残った村の大規模な再開発が続いていることで、多くのウイグル人住民が家を失い、またたとえ貸家があっても彼らは借りられない。同時に、多くの旅館とホテルがウイグル人の宿泊を拒絶していることが、旅館に泊まるウイグル人に影響している。よって、居住問題は2009年にウイグル人大衆が最も関心を寄せる問題の一つとなっている。

(一)居住条件の劣悪さとその治安と集団の健康への影響

米国の学者Kalkの研究によると、19世紀の80年代から20世紀の20年代の米国の「進歩時代」には、政府はホームレスに低価格の借家を提供したが、それでも居住の不安定によってもたらされる治安と衛生の問題を上手く解決できなかった。低価格借家内の劣悪な居住条件と衛生条件、そして過密が、低価格住宅街を治安や犯罪などの社会問題の集中エリアにした。いっぽう、スラムの劣悪な条件は疾病流行の温床となった。例えば、1899年のニューヨークではある街区に3,688人が住んでいたが、その内241人が肺結核をわずらい、四分の1の人が肺結核で死亡していた。疾病の流行はもちろん貧困地区に限られず、全市を脅かした。上流社会は疾病の流行を低価格住宅街に住む貧民の席に帰すると同時に、都市貧困グループの住宅問題に注目せざるを得なかった。(10)

これを教訓として、ウイグル人移民に対して一本調子の高圧的姿勢や政府の行為を通じた排斥(11)は多分治安の安定や公衆衛生問題の解決にとってむしろ逆効果になるだろう。

(二)ウイグル人の実際の困難 1、部屋を借りられない

ウイグル人は文化の面で漢人コミュニティーと大きな違いがあるので、漢人コミュニティーに溶け込むことは困難である。そのことも彼らが多くの場合小集団で集まって住むことの原因となっている。

しかし、多くの原因の存在が、彼らが部屋を借りることを非常に難しくしている。北京愛知行研究所のウイグル人プロジェクト担当者の面談記録によれば、少なくとも以下の原因がウイグル人が部屋を借りるのに影響している。

  ① 文化の違い:コミュニティーのある人は、彼らは部屋をウイグル人に貸したくないのではなく、騒がしい人がいて夜の休息を妨げたり、言葉の障壁で意思疎通が難しかったり、生活習慣が違うからだと言っていた。

――実際には、これはほとんどの場合口実である。なぜならウイグル人が比較的集まっている大興区のコミュニティーについてみると、大多数が郊外の屋根の低い平屋住宅地区で、ほとんど漢人の家主はそこに住んでいない。住んでいるのはウイグル人以外もほとんどみな外地人である。

  ② 固定観念:一部のウイグル人は違法行為を行ったことがあり、警察の取り締まり対象なので、警察がしばしばやってきてコミュニティーの治安状況を監督し、またつねづねウイグル人に対して身分確認を行っている。そのためコミュニティーの他の住民の間に「ウイグル人は悪人」という固定観念が生じている。

――前の論述とも関わるが、ウイグル人コミュニティーには確かに一部犯罪行為を行った者もいるが、それは全ての人が「悪人」であることを意味しない。

  ④ 政府(警察)の「声かけ」:ウルムチ暴動などの発生により、各地の警察機関はウイグル人を治安維持の重点対象としている。そのため、多くの地方レベルの警察機関はウイグル人が管轄地、管轄コミュニティーに入ってくることを極めて「歓迎しない」という態度をとっている。そして、彼らは家主に対し、部屋をウイグル人に貸さないよう指示している。愛知行研究所ウイグル人プロジェクト担当者の面談記録によると、多くの家主が警察に「指示」されたことがあり、そのためウイグル人に部屋を貸すことをためらっていた。

――治安維持を理由とし、政府の行為により直接ウイグル人大衆を違法に排除したり拒絶したりしている。取引の自由は契約法の基本原則であり、政府が民間の正常な契約関係に対し不法な介入を行うことは職権踰越であるだけでなく、重大な民族差別の烙印が押されている。

愛知行研究所のプロジェクト担当者の調査によれば、大興区のウイグル人移民は現在100人余りいるが、60%以上が部屋を借りられていない。固定した住所がないため、一部はネットカフェ、サウナ、ホテルなど高価な場所に住んでいる。

(三)ウイグル人の実際の困難 2、北京では旅館に泊まれない

北京愛知行研究所は北京市海淀区、石景山区、豊台区、宣武区の20か所のホテルとゲストハウスの調査を行った。これらのホテルの中で、わずか8か所のホテルがウイグル人の宿泊を受け入れると回答した。つまり、宿泊拒否比率は60%に達している。しかも受け入れると回答したホテルのうち、ただひとつ五つ星のホテルだけが全く躊躇なく我々の質問に答えたが、他はすべて検討した後での回答だった。また、ある重要な情報によると宿泊かと答えた多くのホテルがウイグル人に対し検査されることを覚悟しておくようにと要求しているということだった。宿泊拒否の理由の多くは「上級機関の指示」だった。

北京のホテル・旅館のウイグル人宿泊に対する態度調査表
------------------------------------------------------------------
番号  宿泊の可否   理由
------------------------------------------------------------------
1      否    理由:新疆人だから泊まれない。以前「上級機関」から 
           泊めてはならないと言われたから。
           態度は比較的良い。漢人の身分証を示せば泊まれると
           言っていた。
2     否     理由」説明せず。
           ここは非常に安い旅館で、ベッド一つ15元だった。
           態度は硬かった。
3    可
4    否     理由:「上級機関」が決めている。態度:非常に良い。
5    否      宿泊可。ただし派出所に行って登録しなければならない。   
          「国営で、決まりがある。」
6    可
7    可
8    否     態度は良いが、宿泊は拒否。理由:派出所の通知。
9    否     「最近検査が厳しいから、受け入れられない。受け入れた
           ら、閉鎖される危険がある。」
10    否      「いまは毎日報告を警察に上げなければならず、検査は厳
           しい。新疆の漢人なら泊められる。」
11    否     「スキャナーがない。新疆人はかならず指定のホテルに宿
           泊しなければならない。」
12    否     「泊めたら警察に調べられてすごく面倒だ。」
13    可     「警察が検査に来た時問題なければ可。泊めると面倒が多
           い。」
14    否     「部屋がない。」注目すべきことに、ここは回族〔漢族系
           イスラム教徒〕のホテルである。
15    否     「受け入れられない。カシュガル事務所か新疆事務所に行
           くといい。」この店も回族ホテル。
16    可     だがはっきりと、「警察が必ず調べに来る!」と言った。
17    可
18    否     「最近検査が厳しいから、泊められない!」
19    可     一泊1,500元……
20    可
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原文出典:http://docs.google.com/View?id=dfwrv29m_9hf5vh5c9

(転載自由、要出典明記)
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于建:社会安定のベースラインを守るために(10・完)

2010-04-18 21:06:31 | 中国異論派選訳
于建:(質問メモを見て)この弁護士の最初の質問は戸籍移動の問題です。憲法は国民の戸籍移動を認めているのに、なぜ実際にはだめなのか。外地の弁護士の戸籍を北京に移せない。子供は北京で育ったのに、湖南省に戻って大学入学試験を受けなければならないけど、どうしましょう? この問題は、弁護士も出稼ぎ労働者も同じ待遇です。弁護士だからといって出稼ぎ農民より多くの権利を享受できると考えるべきではありません。最近私は戸籍制度改革の課題を研究しています。今の戸籍それ自体は大した意義はありません。重要なのは戸籍の背後の問題をどうするかです。例えば質問された大学入学試験の問題。この問題は法律問題であって、法律問題でない。私の出した結論は制度問題だと言うことです。戸籍制度制定の経緯から検討し、その上で戸籍に付着した物をはぎ取っていく必要があります。

 第二の問題はこの型は選挙に参加したことがない。私にどう思うか聞いています。この問題について私はあなたと同じ考えです。私も選挙に参加したことがありません。私の考えでは、本当の選挙制度がないのですから、政府のゲームに付き合う必要はないです。なぜか? なぜなら私には、いささか信念があります。私は朱に交わって赤くなるのではなく、それを守りたいと思います。

 李庄の事件について私は「弁護士制度を悪者扱いするのは正しい態度ではない」と題した文章を書いて、中国青年報を批判しました。その誤りはどこにあるのでしょう? 私は李庄という人がどういう人かに関わりなく、新聞は適当に弁護士制度に結び付けるべきではないと思います。弁護士の勝訴率はたったの5%だと書かれていましたが、5%の勝訴率は大したものです。たとえ1%でも中国の弁護士の偉大な勝利です。法律の尊厳を守ること、私たちの依頼者の権利を守ることこそが最大の勝利です。

 一部の弁護士は政界入りしたいと思っています。将来は必ずそうなります。世界の先進国の発展過程を見てごらんなさい、どの国も英雄時代の後に、いわゆるテクノクラート時代になり、最後は法律時代、つまり法律家の時代になっています。法律が必ず最終的に政府の最終的なベースラインになります。いま弁護士はなぜ政界に入らないのでしょう? それは入りたくなかったり家族に反対されたりする人が多いからです。ですが私は将来の中国で本当に国を管理するのは法律家だと信じています。しかもその多くの人が弁護士出身になるでしょう。それは疑いの余地のない世界の趨勢です。

于建:(質問メモを見て)この弁護士は騒乱の特徴について質問しています。騒乱の最大の特徴はなにか? それは無関係な人に攻撃が向かうことです。鬱憤晴らし事件は法律のベースラインを破るものです。法律を破り、放火し警察署を破壊しますが、鬱憤晴らし事件にもベースラインがあります。社会の道徳のベースラインは破りません。その事件と関係なければ、攻撃されません。しかし騒乱は社会道徳のベースラインも破ります。相手が誰であれ強奪し、暴力をふるいます。それが鬱憤晴らしとの違いです。

 もう一つの問題は、「政治」とは何か? です。司法部長が弁護士は政治を考慮せよと言った時、私は『司法部長は政治とは何かを知らない』という題の文章を新聞紙上で発表しました。「政治」とは何か? 私は弁護士の最大の政治は法律の尊厳を守り、法律が命じることを行うことだと思います。法律は私たちに何を命じているか? 依頼人の権利を守ることです。それこそ法律が私たちに与えた政治であり、また私たちの唯一の政治です。弁護士は大局を考慮する必要はありません。私たちの職責は依頼人の権利を守ることです。それをやり遂げることが、この国のベースライン、社会のベースラインを守ることです。この点をもし私たち弁護士、法学博士、法学修士たちがみな忘れたら、とても危険なことだと思います。

于建:(質問メモを見て)法輪功の問題について聞かせてください。法輪功について私は調査したことがないので、意見を言うことはできません。政治問題を恐れるからではなく、調査したことのないことについて私は発言しないことにしているのです。

 ですが、私は最近地下教会について調査しています。去年私はこの問題で3つのレポートを書きました。この問題について皆さんにも関心を持っていただきたいと思います。私の調査によれば、全国でキリスト教の信者だけで7,000万人ほどの信者がしますが、その三分の二が地下教会です。政府の今の地下教会に対する態度は見て見ぬふりです。去年私は北京大学で講演して、地下教会を直視し、まず脱「敏感」化〔公認〕し、議論を始めるべきだと述べました。私は地下教会が社会の安定の障害になるとは思っていません。私が心配しているのはむしろ共産党の地下教会に対する態度です。

 ですが、地下教会自体についても一つ心配な問題があります。それは地下教会の研修学校です。もし皆さんが将来地下教会をめぐる事件を扱うのであれば、十分注意してください。私が温州で調査したとき、『南方週末』の笑蜀さんたちもニュースを聞いて駆けつけてきました。その日の夜私は彼らを連れて彼らが一生震撼するようなことを見せに行きました。私たちは多くのコネを使って、一般のアパートに入りました。そこでは20名近くの全国各地から集まった子供が、閉じこもって地下教会の研修を受けていました。私は何を心配したかというと、私たちは何を教えているのか知らず、しかも彼らがこれをどう見ているのかも知らないことです。ですから私はこの問題をとても心配しています。魏汝久さんは以前ある地下教会関係の事件を扱ったことがあります。彼はその資料を私に見せてくれました。私の結論は、秘密化はカルトの広がりに有利であり、公開化すれば恐れることはない、です。私は最近も改めて地下教会を公開化〔公認〕しなければならないと呼びかけました。私が反対しているのは秘密化です。政府が禁止して秘密化すればするほど扱いづらくなります。私が心配するのは、地下教会の集会ではなく、地下学校です。ご在席の弁護士の皆さんにもぜひ地下教会に関心を寄せていただきたいと思います。地下教会の発展過程でどのような法律問題があるのか、弁護してくれとは言いませんが、少なくとも研究することは必要です。私の分析では将来非常に大きな問題になります。ありがとうございました。

質問:私は一つ質問します。あなたは集団示威事件において弁護士はどのような役割を発揮すべきだと思いますか? 弁護人として以外に、制度設計の面でどのようなお考えをお持ちでしょうか?

于建:私は弁護士は二つの役割を発揮できると思います。第一は、状況が集団示威事件に発展する前に、例えば当事者が相談に来た時、良い法的な提案をするべきです。もし弁護士が本当に介入できるのなら、より効果的でしょう。第二が事件発生後の役割です。しかし、弁護士の集団示威事件における仲介作用は、たしかにボトルネックです。私の知る限り、中国の多くの集団示威事件、とりわけ権利擁護運動は、事件発生前に弁護士に相談しています。しかし彼らが相談しても弁護士も打つ手がありません。なぜなら裁判所が受理しないからです。弁護士に何か方法がありますか?しかも政府も支持しません。皆さんご存じのように、雲南省孟連の事件が起こってから、政府は弁護士がゴム農家をそそのかしたと言いました。私は政府のこの態度は間違っていると思います。また、一部の弁護士は関わりたがりません。なぜなら当事者が訴訟費用、弁護士費用を払えないからです。いま社会の弁護士に対する評価は割れています。最近李庄事件が起こってから、「弁護士制度の悪者扱い」という文章を書いたら、多くの人が「誰が弁護士を悪者扱いしたかって、あなた方弁護士が自分で悪者にしたんじゃないか」という趣旨の書き込みをしていました。ですから、私は弁護士ももっと弱者層の権利擁護事件、とりわけ土地問題に介入していくべきだと思います。ただ弁護士自身を守るために、弁護士協会で集団示威事件に関する業務指針を作ることを提案します。例えば事件の相談が来たら、どう対応するか、指針を作ることは、弁護士を保護する一つの方法です。

質問:例えばその指針で、弁護士は外国記者のインタビューに応じてはならない、パートナーは忌避しなければならない、司法当局に報告しなければならないなどと決められたらどうしますか?

于建:いったい何が問題なんですか? 私は外国人のインタビューを受けないのはいいと思います。同意します。私たちは何も自分から面倒に巻き込まれることはありません! 私は外国記者のインタビューを受けたことはありません。外国記者が電話してきたら、必ず時間がないと言います。もし外国記者が私の職場に電話してきたら、私の上司は私がどこにいるかわからないと言うでしょう。外国人が私に会うには社会科学院の許可が必要だし、正式文書で私に通知しなければ、私は会いません。会わないことは彼らには損でも、私に損はありません。ですから、私たちはそういう問題で政府ともめる必要はありません。いまの中国は弁護士であれ、社会運動家であれ、いわゆる公共知識人であれ、一定の自己防衛のベースラインが必要です。

 しかし法律の中で何が弁護士の防衛に役立つのか、私たちははっきりと列挙しておくべきです。権利擁護・鬱憤晴らし事件が起こりそうな状況の下で、弁護士がどのように参加するのか。私はやはり指針を作っておいた方が煩わしくないと思います。私たちは時に妥協が必要です。中国では生存の知恵が必要です。私たちもまた私たちの行為のベースラインの指針が必要です。そのベースラインとは私たちが法律の尊厳を守ることであり、依頼人の権利を守ることであり、非常に重要なことです。

質問:于先生。一つおたずねします。中国の今の状況で、制度改革は可能でしょうか? いま言われたように、中共中央政法委員会などの機関は撤廃できないでしょう。それなら司法の独立はなおのこと難しい。それに体制全体の転換の問題。あなたは中国の未来の出口はどこにあるとお考えですか? 変革の希望はあるでしょうか?

于建:私はそれでも希望はあると思います。その希望とは社会の圧力です。いまの世代の指導者がそう考えているかどうかは分かりませんが、社会の圧力が大きくなった時、みんなが行き詰っていると感じる時、多分私たちは共通認識とベースラインを探すでしょう。何年か前に私が憲法が社会安定のベースラインになると言った時、みんなが私を笑いました。今日私が同じことを言っても、誰も笑いませんでした。我々にベースラインがないからです。私たちは後退し続けて、この民族は守るべきものをみな失っています。今日、政権党が今後も政権を握り続けたければ、政権党の人がまだこの民族に責任感を持っているのなら、政権党は社会各勢力がみな受け入れ可能なベースラインを探し出さなければなりません。そのベースラインは、政治などではなく、三つの代表などではなく、憲法だと私は思います。中国の憲法の規定の多くは、あまり大きな問題はないと思います。

 ですから、私の考え方は、中国に大きな動乱が発生するか? もしベースラインを探し出せなければ、発生するでしょう。ですが動乱が発生したら徹底的に社会秩序がかく乱されるでしょうか? そうはならないでしょう。動乱発生後、みんながベースラインに戻るでしょう。なぜなら、暴力で奪った政権はかならずや暴力によって回復しなければならないのなら、この民族は再び60年前の道に戻ることになります。それはほとんどの人が見たくない状況です。ですから、動乱が発生したらむしろみんな唯一の道は理性的に誰もが受け入れられるベースラインを探しだして、守ることだと気づくでしょう。そうでなければ、動乱は深刻な災難をもたらすでしょう。いまみんなが、双方が妥協を図り、双方が言い争い、圧力が大きくなれば政府は妥協を始めるでしょう。私はそれこそがベースライン探しだと思います。いろいろ探して、他に何も残らない。大局に留意するとか、政治を重んじるといった言葉はみな空語です。残るのは憲法だけです。その憲法は中国共産党が認め、全国人民代表大会で制定された憲法です。私はこれこそが中国のベースラインだと思います。もちろん憲法の中には多くの不満な点があるでしょう。それは変えればいいのです。私の判断は大体そういうことです。

于建:(質問メモを見て)この弁護士は伝統文化はまだ中国で影響を発揮するだろうか?と書かれています。昨日の午後伝統文化の擁護で非常に有名な陳明さんが私の家に来ました。私は中国の伝統文化はある面で社会に必要だが、伝統文化に頼って社会の安定を保つのは難しいと考えています。伝統文化は中国社会の安定のためのベースライン規範にはなりえません。私はここ数年キリスト教の問題を調査していますが、文化中から中国の共通認識を探すのは難しいと思います。それは多分法律と関係があるでしょう。法律家はルールを語りますが、中国の伝統文化のルーフは曖昧です。孔孟の道に立ち返れと言う人もいますが、孔孟の道で中国を救えますか? 救えないですね。私は、唯一中国を救えるのは憲法だと思います。みんなで憲法を守り、憲法の原則を社会規範のベースラインにすることが重要だと思います。

出典:http://www.chinaelections.org/newsinfo.asp?newsid=169507

(転載自由、要出典明記)

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于建:社会安定のベースラインを守るために(9)

2010-04-17 18:02:32 | 中国異論派選訳
 中国は改革が必要ですが、どのように改革すべきでしょう? 政権はどのように改革すべきか? これについて私は最近意見を述べました。大きな改革はできないから、中央には手をつけず、中央の政法委員会にも、最高人民法院にも手をつけず、末端から変えられないでしょうか? 直接民衆の利益に関わるのは主に末端の法院と中級法院です。この二つから手をつけることはできないだろうか。司法の独立と言わず、司法の抑制と均衡ならどうでしょう? 共産党に対する抑制と均衡とは言いません。そう言ったら共産党は面白くないでしょう。司法による地方政府の抑制と均衡ならどうでしょう? 共産党の統治を支持するのなら、垂直的な司法によって地方政府を抑制し均衡してもいいでしょう? なぜなら地方は直接民衆の利益と向き合っているのですから。

 私は最近何回かフォーラムを開催して、中央党学校の多くの人を招いてこの構想を実現できないか議論しました。しかし彼らは私を相手にしませんでした。この構想は認められないと上に報告を上げました。ですが、中国の問題は確かにそこにあるのです。ですから私は繰り返し、中国は多くの問題に直面しているのに一体どうするのかと言い続けています。あれこれ考えて、結局法律に頼るしかないと思い至りました。私たちは全てのイデオロギーから脱すべきです。毛沢東時代を懐かしむべきではないし、小平時代を懐かしむべきでもない。我々は中国の憲法を順守すべきです。中国社会には他に守るべきものはなにもありません。次から次へと敗退し、最後の一線は守れるでしょうか? 中国社会は動乱に陥るでしょうか? 将来一体どんな問題が起きるのでしょう? それは我々自身が最後の一線を守ることができるかどうかにかかっています。

 以前ある人がとても心配そうに私に聞きました。「今の中国の状況で、制度改革は可能でしょうか? 中国は良い方向に変われるでしょうか?」。私の答えは、「希望はあります。その希望とは社会の圧力に対する理性的な選択です!」

 矛盾が深まり、社会の圧力がますます大きくなって、だれもが逃げ道がないと感じた時、様々な社会勢力が共通のベースラインを探し始めます。もしそうしなければ、大きな動乱が起こり、社会秩序が徹底的に破壊されるでしょう。そのような状況に直面した時、二つの基本的な選択肢があります。一つ目は、そのような壊滅的な影響に対する懸念が、各利益集団の妥協を促し、理性的に誰もが受け入れられるベースラインを探す。二つ目は、そのような妥協がなされず根本的・革命的な動乱が発生する――現状を見ると、中国の大多数の人が社会の衝突がコントロールされることを望んでいます。つまり、大多数の人が中国に大きな動乱が起きることを望んでいないのです。問題は、中国社会の各階層、とりわけ利益衝突と政治衝突を起こしている階層間にいかにして社会構造の安定に有利な妥協をもたらすかということです。それは大体において社会構成員、とりわけ衝突当事者が互いに受け入れることのできるベースラインを見つけられるかどうかにかかっています!

 では、何が中国の今の社会の安定のためのベースラインでしょう? 私は、憲法を本当に実現するよう促し、憲法を中国社会安定の礎石にすることが全社会の共通認識になりうると思います!

----------------------------------------------

魏汝久:御来場の皆さん。私は北京市弁護士協会憲法専門委員会の魏汝久弁護士です。皆さんがこの寒い週末に、この講演を聞きにおいでくださったことに、お礼を申し上げます! このような講演は、弁護士の皆さんに直接的な利益はもたらしません。もし弁護士が集団示威事件や政治的に敏感な事件の弁護に関わることになったら、むしろ運が悪いと言うべきでしょう。たとえば私は以前そのような事件を受理したことで、ある有名な弁護士事務所を首になりました。その事務所はその後で、今後そのような事件を受理するものは直ちに解雇するという規則を定めました。私はその規則を写真にとって、将来「中国弁護士博物館」に展示しようと考えています。ですから、この場に参加しなかった弁護士のことに私は理解を表明します!またそうであればこそ、私は皆さんが憲法の実現に関心を寄せ、基本的人権に関心を寄せてくださることに、心からの敬意を表明します。

 もし私たちが社会の本当の現実を直視せず、憲政と法治の実現というベースラインを守らなければ、私たちは人から「金儲け」しか知らない、弁護士界に巣くう「三百代言」と言われるでしょう! 私たちは私たちの職業の将来がどうなるのか分からず、私たちの希望がどこにあるのか分かりません。ですから、私はみなさんが我が国の県政の実現と基本的人権の保障に関心を寄せ、私たちの憲法専門委員会の仕事に関心を寄せていただき、憲政実現と人権保障の事業に参加してこられるよう希望いたします!

 次に私たちは于先生との質疑に移りたいと思います。ご自由にどんな問題でも出してください。まず私から今日の講演について3点批判を述べたいと思います。私は于先生には3つの「重大な間違い」があると思います。

 第一に、于先生は一つの法的な間違いを犯しています。于先生は1週間「査問」されたと言われましたが、その言い方は誤りです。「査問」は中国共産党が「党章」に基づきその党員に対して人身の自由を制限する措置です。我が国の法律は、人身の自由の制限は全国人民代表大会で採択された基本法によって定めると明記していますが、「党章」という一党の文書が法を超越して、党が党員の人身の自由を制限できると定めています。私たちは于先生が共産党員でないことを知っています。あなたには「査問」される資格もないのに、何で査問されたんですか? これは法的に間違っています。

 二番目の間違いは観点の誤りです。于先生は憲法の権威を守り、憲法の司法化を実現しなければならないと言われましたが、これは間違いです。最高人民法院の院長は「憲法至上」、「共産党の利益至上」、「人民の利益至上」と公開の場で語っています。しかし最高法院は内部通知で、「憲法司法化」の問題について、「裁判官の判決は憲法を適用してはならない。裁判官が憲法司法化のセミナーに参加することも認めない。裁判官が憲法司法化についての文章を発表することも認めない」と通知しています。「憲法司法化」は単なるスローガンでしかないのです。みなさんこれで「憲法至上」と言えますか? これは「飾り物至上」でしかありません。

 第三は政治的な間違いです。どんな間違いだったかはちょっと忘れました。

 私たち憲法専門委員会は、断固として共産党中央の周囲に団結します。司法部呉愛英部長の「弁護士は政治を考慮しなければならない」という指示を真剣に学習します。重慶市司法局の弁護士は大局に留意しなければならないという演説を真剣に学習します。この局長の前任者は碌でなしです。現職の司法局長が一体どんな人なのか私は知りません。

 皆さん于先生にご質問を出してください。ありがとうございます。
 
于建:汝久は私が法的な間違いを犯したと言いましたが、それは彼自身の間違いです。例の党の規定は法律ではありません。ですから法的な間違いは犯せません。むしろ魏汝久弁護士は法律でないものを法律扱いするという法的な間違いを犯したわけです。 

出典:http://www.chinaelections.org/newsinfo.asp?newsid=169507

(転載自由、要出典明記)

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http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/996137350847de8ddc64d3d8e98fff38
社会安定のベースラインを守るために(5)
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社会安定のベースラインを守るために(6)
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社会安定のベースラインを守るために(7)
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社会安定のベースラインを守るために(8)
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社会安定のベースラインを守るために(10・完)
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于建:社会安定のベースラインを守るために(8)

2010-04-16 22:00:19 | 中国異論派選訳
 実は紛争の発生は怖いことではありません。現代社会ではどこでも多くの紛争が発生しますが、権威ある司法機関があれば社会は安定します。西側でも、台湾でも、紛争が起きたら裁判所に訴えます。中国の民衆はそれができますか? できません。裁判所に訴えなさいと言ったら、民衆はみんな裁判官なんか信じられない!と言います。中国の弁護士に聞いても、信じられないと言います。なぜなら中国では法律をベースラインにしていない、そのような制度ではないからです! そうしたら民衆は、裁判所がどう裁こうと、陳情します! 陳情は信じられますか? やはり信じられません。ジュリーという名のアメリカ人は、彼女の中国人の夫のために北京に陳情に来ている外人です。彼女は教えを請いに私の家に来たことがありました。私は彼女に「アメリカだったらどうしますか?」と聞きました。彼女は「必ず裁判所に訴えます」と答えました。私は「ではなぜ中国で陳情するのですか?」と聞きました。彼女は「中国の裁判所は中央政府の話を聞かないから、裁判所に話を聞いてもらうために直接中央に訴えるのです」と言っていました。彼女は「効果はありませんでした。私が陳情する前はまだ逮捕しなかったけれど、陳情したら夫を逮捕してしまいました陳情したら地方政府にとって面倒なことになったので、既決事件にするために彼を裁いてしまいました」と言っていました。我が国には権威ある司法制度がないのです。

 また、我が国に本当の代議制度があるでしょうか? ありません。今日お越しの弁護士のうち、何人が本当に投票して人民代表を選んだでしょうか? ありませんね。私たちは自分の代表が誰か知りませんし、知っていても役に立ちません。相手もあんたに選ばれたわけじゃないと言うでしょう。私は「三つの代表」〔江沢民が総書記在任中の2000年に提唱した主張〕しか知りませんが、その三つの代表を探し出せません! 我が国の代議制度が不健全だからです。

 最後に、我が国に開かれたメディアがあるでしょうか? これもありません。今日のインターネットが空間を提供しているとはみなせません、インターネットの規制ができないだけです! 別の方法があれば、政府はインターネットも不要だと言うでしょう! いま新疆ではインターネットにアクセスできないんですよ。法学界でとても有名な賀衛方は私の友人ですが、いま〔追放されて〕石河子にいます。彼の最大の苦痛は私たちと連絡が取れないことだと言っていました。ショートメッセージは受信できず、インターネットには接続できないのです。私は誰があなたを石河子に飛ばしたんですかと聞きました。

 中国はいつも、中国は以前よりずっと開放されたと言います。しかしそれは科学的な原因によるもので、政府自体の原因ではありません。政府の統治理念が変化したのではないのです。このような状況に直面して、一部の地方政府の役人は自分たちの仕事を批判してくれ、と言っています。本当に批判できますか? 当たり障りのないことを言うスタンドプレーならともかく、本当に彼らを批判したら、すぐに首になったり、省を越えて追いかけられたりするでしょう! そこで私はいろいろ考えて、円満な社会実現のためには明確な財産権、権威ある司法、本当の代議制、開かれたメディアが必要だと思い至りました。

 今日の中国ではどれも実現が難しいですが、私は特に法律が重要だと感じています。(PPT)これは私が18日に蘇州に講演行ったときに撮ったものです。往来に「打倒無法政府」というスローガンが一つ吊るされています。なぜでしょう? 強制収用です。無法政府という言い方は面白い、法律のない政府です。庶民はいま腐敗政府と言わずに、無法政府と言っています。法律は多分私たちの社会のベースラインでしょう。ですから私は繰り返し、中国の司法はこの社会のベースラインになりうるかを問いかけています。私は中国の司法は中国のベースラインとなるべきだと思いますが、それができないのです!

 中国の司法はいま多くの問題を抱えています。中心的な問題は、司法の地方化がますます顕著になり、司法が利益集団に支配される状況がますます明確になっていることです。政党が司法を管理するというのが、魏汝久弁護士の考え方です。「共産党の書記が人事を握り、市長が資金を握り、共産党政法委員会が裁判を握っている」。これはみなさんの法律界の非常に有名な人が、中央指導者に講義をした時の発言です。何年か前、彼が講義をして間もなく、中国政法大学が学生に土地問題について講義するよう、私を呼びました。話し終って帰ろうとしたら、学生が政法大学の学生むけに何か提案をしてほしいと言い出しました。私は有名人でもないし、国の指導者でもないのに、どんな提案ができますか? と聞きました。学生がそれでも提案してほしいと言ったので、私は次のように言いました。中国という宗教的信仰心のない国家で、政府がすでに部分的に合法性を失っている国家で、政党のイデオロギーが崩壊しつつある国家で、私たち法律家は法律という社会のベースラインを守らなければなりません。社会のベースラインを守るとは、つまり社会の未来を守ることであり、民族の未来を守ることであり、私たちの子孫の未来を守ることなんです!

 私が話し終ると、もともと帰りかけていた人――彼は今の政法大学のトップリーダーですが――が勇んでマイクを奪って次のように言いました。「于先生は今政法大学の人がベースラインを守らなければならないと言いました。それは間違いではありませんが、私たちに守れますか? 守れないでしょ! 何日か前に政法大学で開校記念日を祝った時、湖南省高等裁判所の副裁判所長が学校に来ました。彼は『共産党書記が人事を握っているから、誰を裁判所長にするか、だれを検事長にするかは共産党委員会が決める。市長が金を握っているから、裁判所庁舎を建てようとしても、市長が認めなければ予算が出ない。共産党政法委員会が裁判を握っているから、我々に良心があっても手の打ちようがないんです!』と言っていました」。

 その人が話し終って、私はそのままにして立ち去ろうとしました。ところが例の学生がまた立ちあがって、「于先生今の副裁判所長の発言に対する評価を聞かせてください」と言いました。私は「私は評価できません、私を講演に呼んで講演料までくれたのに、評価なんてできますか?」と言いました。

 学生は「ちゃんと評価してください」と言いました。私は「本当に私に評価してくれと言うなら、評価しましょう。私は彼のようないわゆる著名な法学者が一体どんな資格があって政法大学の講壇に立っているのか分かりません! 『共産党書記が人事を握り、市長が金を握り、共産党政法委員会が裁判を握っている』とは何ですか? もし我々に打つ手がないのなら、中国の全ての法律家がみんなで職をかけて対抗すべきじゃないですか」と言いました。厄介なことになりました。私は話し終るとかばんを持って走り去りました。ばつが悪かったんです。次の日、于建が某氏を叱責したという書き込みがありました。某さんは何年かわたしと口を利きませんでした。同じ会議に参加しても、彼は知らんぷりをしていました。ですが今は仲直りしました。少し前にある土地紛争について、彼はまた私を会議に呼んでくれました。そこで彼は私に聞いて来ました。「于建君、君は私があの時間違ったことを言ったと本当に思っているのかい? 君は悪いやつだね。私の学生に職をなげうつようあおって、本当にみんなやめたらどうするんだ?」。

 私は「あなたは別に間違ったことは言っていません。中国の現実は確かに、司法を書記と市長と政法委員会が握っている。ですが、学生の信念を失わせることはないでしょう! 中国は大勢の法律を擁護するという信念を持った人材が必要なんです。私たちが法律を守るという信念を堅持してはじめて中国には未来があるんです! あなたは教師として学生に何であんなことが言えるんですか?」と言いました。

出典:http://www.chinaelections.org/newsinfo.asp?newsid=169507

(転載自由・要出典明記)

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于建:社会安定のベースラインを守るために(7)

2010-04-12 19:21:42 | 中国異論派選訳
 私は最近何回も私が台湾に行った時の話をしています。2004年に台湾の行政院大陸委員会の招待で訪問しました。台湾政治大学で1回講演するために、15日間の食住を提供してくれました。その時私は、「私が話し終ったら、地図を1冊と、運転手を一人つけてください。そして私が行きたいところに行かせてもらえませんか?」と頼みました。先方が「何をされるんですか?」と聞いたので、私は「台湾の民衆が何をして、何を考えているのかを見てみたいんです」と答えました。彼は、「問題ありません。台湾をご自由に見て、民衆が何を考えているかご自由に聞いてください」と答えました。ただ私はもう一つ条件を出しました。「支払い係も付けてください。食住込みですよね」。彼「いいですよ。支払い係をつけましょう」。

 私の講演終了後、彼らは車をつけてくれ、私の行きたいところに連れて行ってくれました。私が会った台湾民衆に同じ質問をしました。「もし役人があなたの家を壊したら、どうしますか?」。99%の人がそんなことはあり得ないと答えました。「私の同意なしに何で勝手に壊せるんだ? もしその家が合法的なものなら役人はそんなことできない」と言いました。それでも私がもし壊したらどうするかを聞くと、彼らは裁判所に壊した人を訴えると言いました。「裁判官は法律に基づいて判決を下すし、多額の損害賠償を命ずる。例えば合法で同意の上の収用の場合に10万元の補償だったら、もし同意がなければ裁判官は100万元の損害賠償を命ずるだろう」と言うのです。

 私はさらに続けて、「もし裁判官が訴えを受理しなかったり、法律通り裁判をしなかったりしたら、どうします?」と聞きました。人々はまた「受理しないなんてあり得ない」と答えました。「簡単なことじゃないか、私に土地の権利証があって、政府が契約もなしに私の家を壊したら、政府の誤りだから絶対賠償しなければならない。そんなことするわけがない」。

私が続けて、「それでもそういうことが起きたらどうしますか?」と聞きました。台湾の民衆は「議員に訴える。議員はやってきて調査し、調査が終わったら記者会見を開き、議会で問題にするから、そうなったら裁判官と役人は終わりだ。彼らは辞めなければならなくなる」と言いました。

 私がさらに続けて、「もし議員も腐敗していて調査に来なかったら、どうします?」と聞きました。私がこの質問をする頃には、相手はすっかり嫌気がさして、「大陸から来たあんたは何でそんなにもしもが多いんだ? それは私が議員にやらせたいことじゃない。議員がやりたいことなんだ。議員はそういうことができるのを毎日夢にまで見てるのに、来ないわけないじゃないか。

 議員が来るか来ないかで押し問答になりました。台湾の民衆は議員に連絡する電話カードを持っていて、「じゃあ電話してみよう!」と言いました。電話すると、議員は近くにいたら、喜んですぐに駆けつけてきました。「何事ですか?」ととっても嬉しそうに! 議員はそういう事実を探し出したら、県議会議員どころか、国会議員、さらには陳水扁のように総統にだってなれるかもしれないんです! それでも私はあきらめず、「もし議員が来なかったらどうしますか?」と聞きました。「簡単なことだ、次の選挙の時に彼が投票依頼に来たら、彼に汚水をぶっかけてやるさ。それでも当選できると思うかね?できるわけない!」と台湾の民衆は答えました。

 台北から台南まで回ってみな同じ結論でした。私は今日台湾の話をしました。しかし実際はこの問題を私はいろいろな国の人から聞いています。日本、ドイツ、フランス、アメリカ、行く国ごとに大勢の人に聞きましたが、ほとんど同じ答えです。なぜ台湾の話をしたかというと、台湾と中国は同じ文化です。中国はいつも西側の制度は中国になじまないと言います。でも、台湾は中国の一部分だとも言っています。台湾も中国なら、なぜ台湾の人は「あり得ない」と答えるのでしょう? 中央テレビ局が毎日のように台湾のケンカや、馬英九罵倒を報道していても、実際には台湾の草の根は非常に円満で安定しているのです。

 私は台中で農家に泊まりました。花卉栽培の農家です。彼は大陸人に会ったことがなかったので、とても喜んでいました。彼は私に、町のレストランでごちそうしてくれると言いました。私は、いいですがレストランは高いので私に勘定をさせないで下さい、と言いました。彼はあんたに勘定なんかさせるもんか、あたりまえじゃないか、と言いました。彼は車に私を乗せて、運転していきました。後ろには花、前は人です。200メートルほど走って、私は停まってくれと言いました。彼は何事ですか?と聞きました。私は私が最後に家を出たのに、鍵を閉めなかったと言いました。彼は問題ない、うちには防犯カメラがあるから、誰か来て何か持って行っても、戻ってから返してもらえばいいと言いました。私は心の中で、もしこれが中国なら、帰ったらたぶん防犯カメラもなくなっているだろうとつぶやきました。

 私はいつも台湾と中国は同じ文化なのに、なぜあんなに「あり得ない」が多いのかと考えます。いろいろ考えて、ある社会が円満であると言える条件は、第一に財産権が明確であることだと思いました。この物が私の物であれば私だけの物であって、私の物であって同時に他人の物でもあるということはないということです。中国の財産権は明確でしょうか? 不明確です。今日私が、もし地方官吏があなたの家を撤去したらどうしますか?と聞いたら、中国の民衆は決して「あり得ない」とは言えません。マントウを買いに出ている間に、家が無くなるなんてことが実際に起こっているのです。中国の農民で、自分の土地だから他人が売ることはできない、と断言できる人がいるでしょうか? 一人もいません。政府が策をめぐらせば、農民の土地は奪えるのです。そして裁判をやっても農民は勝てません。あなたの土地を撤去しようと思ったら、同意がなくても策をめぐらして、違法建築にしてしまえばいいのです。中国には明確な財産権は一つもありませんから、ある物が自分の物だと断定できないのです。

 最近非常に興味深い事件が起きました。広西のある陳情受理事務所の主任が家を撤去されて自分が陳情者になったのです。今日御来場のだれか一人でも自分の権利が完全に守られていると断言できる人はいますか? いないでしょうね。中国には明確な権利がないから、政府は策を弄せば合法的な権利を非合法なものに変えてしまうことができるんです。

出典:http://www.chinaelections.org/newsinfo.asp?newsid=169507

(転載自由、要出典明記)

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于建:社会安定のベースラインを守るために(6)

2010-04-12 14:36:44 | 中国異論派選訳
 私は以上の集団示威事件の分類分析結果に基づき、次のような結論を導きました。現在中国社会は全体としては安定しています。それは中国の統治が統一しており、まだ中央政府に反対する行動が発生していないことに示されています。私たち政治学研究者はまず中央政府の地方に対する統制能力に注目します。中国の現在の中央政府は非常に弱く、中国はもう大変なことになっていると言っている人もいますが、別の分析方法によれば、今現在のところ中央に反対することを主張する地方リーダーは誰一人いません。中国の全ての地方リーダーが、中央で会議が開かれれば、たとえ不満があったとしても中央の決定を断固支持し、断固として誰彼の周りに団結すると態度表明します。支持しないとはいえず、もし言ったとすれば失脚します。これは我が国の政治共同体の要求であり、今は誰も公然と中央が間違っていると言えません。そして、社会に対する統制も機能しています。多くの問題が発生してはいますが、共産党は今でも社会統制能力を失ってはいません。例えばサーズ、豚インフルエンザ、六十周年国慶節。北京に住んでいればよくわかります。共産党はあらゆる力を投入して秩序を維持します。命令一下で、〔社区=居民委員会の〕お婆さんたちが腕章をつけて路地の入口に立って「あんたは何者だ?」と誰何し始めます。庶民が従わないって? 本当にその時になったら、共産党は従わせる能力があります。国慶節期間中、誰かが路地に踏み込もうとしたらお爺さん、お婆さんにすぐにつまみだされていました。共産党はまだ人民戦争を戦うことができます。そこで、私が得た結論は、現在の中国社会はまだ安定しているということです。

 しかし、私の第二の結論はその安定が硬直的なものだということです。硬直的な安定という言葉は私が今年になって発明したもので、自然科学の建築学の用語からの借用です。それには三つの特徴があります。

 第一、本当の社会の安定とは社会の持続的安定であり、国法の持続的な安定ですが、中国は違います。中国の全ての安定は一つの目標のためです。それは政治権力の独占、つまり共産党の権力独占、いわゆる党の指導の堅持が重点中の重点です。「四つの堅持」の他の3つは無くても、共産党の指導は絶対欠けてはならないとされます。他はすべて変えることができても、これだけは変えられません。なぜでしょう? 権力の独占は中国の今の政権の最も重要な特徴です。共産党が権力を独占し囲い込んでいます。他人の進入を許さず、政府権力独占に対する一切の挑戦を許さないことが、共産党のベースラインです。このベースラインが中国の安定と西側社会の安定が別物であることを示しています。西側社会の安定は憲法の持続的安定性、法律の持続的安定性を維持することです。政府は取り換え可能であり、だれが大統領になるかは無関係ですが、国の基本的な立憲政治制度は変えることはできません。中国は基本制度はどうでもよくて、ただ共産党の権力が変わらなければいいのです。いわゆる硬直的安定の第一の特徴は権力の独占です。

 第二点は、本来正常な社会的行為がすべて不安定要因とみなされうることです。例えばデモ行進やストライキという行為が安定撹乱とみなされ、今では陳情までが不安定要因とみなされるようになりました。地方政府の多くの通達が、今の不安定要因は主に陳情であるとし、陳情者を安定撹乱者、陳情を安定撹乱行為とみなしています。陳情は共産党の憲法に定められた権利であり、共産党の陳情条例に定められた権利なのに、なぜ安定撹乱になってしまうのでしょう? それは彼らが中央権力に対する衝撃だけでなく、地方権力に対する衝撃までも一種の安定撹乱とみなし、全ての権力に対する衝撃をみな安定撹乱とみなすようになったからです。これは非常に重要な問題です。

 第三に、硬直的安定による社会統制が主に依拠するのは司法ではなく、国家の暴力、イデオロギー、社会組織に対する統制であるということです。ですから、その安定は硬直的です。もし社会安定を指数で評価するとすれば、中国の社会安定指数は西側の社会安定度よりはるかに高いでしょう。なぜなら、中国は非常に硬直的な安定だからです。ですが、硬直的安定には非常に大きなリスクがあります。いま安定維持のために国家はすでに非常に大きなコストを払い、大きな負担になっています。いわゆる安定のために、北京に陳情に来た人を拘束するために、地方の役人が北京で事務所を構えています。このような安定は国全体を乱しています。ですから、いま社会安定問題は我々にとって非常に厄介な問題になっています。地方政府が安定に関わる問題だと言えば、人々は何もできなくなります。社会の安定が国家政治の最高目標になり、全ての改革、その他一切が安定によって制約されています。ですから、我々が「嫌な思い」をしたくなければ、改革を犠牲にし、法律が国民に与えた権利を犠牲にしなければなりません。なぜならそれらはいわゆる安定に抵触するからです。この安定の唯一の目標は何でしょう? それは御来場の各位がご存じであるだけでなく、実際は多くの人が知っています。今なぜこのような悲観的感情が蔓延しているのでしょう? 皆さんこのような安定がいつまでも続くと思いますか? そんなことはあり得ません。このような安定は必ずや社会に非常に大きな災いをもたらすでしょう。

 ではどうすればいいのでしょう? 胡錦涛総書記は共産党17回大会の時、いろいろな方法を考えました。司法部・公安部・武装警察総本部・裁判所、陳情局もいろいろな方法を考えました。それらの方法の中心思想は社会のいわゆる政権に対する挑戦行為を全て抑え込むことです。その方法はうまくいくでしょうか? 私は無理だと思います。ではどうするか? 一体どうしたら安定を保てるのでしょう?

出典:http://www.chinaelections.org/newsinfo.asp?newsid=169507

(転載自由、要出典明記)

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許志永:戸籍にかかわらす一律平等に就学を

2010-04-01 20:02:52 | Weblog

許志永:戸籍に関わらず一律平等に就学を--海淀区教育委員会との議論

不分户籍一律平等的可行性——与海淀教委的探讨 

发表时间:2010-4-1 18:23:00 

今天下午两点,十位家长代表再去海淀教委,协商教育平等问题。今天的主题依然是义务教育平等,小升初不分户籍全部电脑派位统一录取。教委办公室安排了会议室,家长代表与两位科长探讨了义务教育不分户籍一律平等的可行性。

 
家长代表表明来意:国家义务教育法规定流入地政府负责义务教育,一律平等对待,上周我们去北京市教委,市教委承诺今年的基础教育政策中明确加进一条——北京市义务教育不分户籍一律平等,并说,电脑派位属于政策落实的具体问题,各区负责,因此,我们再次来到海淀教委,询问今年海淀教委打算如何落实义务教育法和北京市教委的政策,要求小升初实现不分户籍一律参加电脑派位统一录取。

 
区教委说,目前还不能确定如何落实,在等待市教委政策出台,家长们的诉求已经得到有关领导和市教委的重视。并提出一些困难,比如海淀区教育资源紧张,担心一旦放开以后会有更多学生涌入,如果扩大班级会带来其他同学的不舒服等,说解决起来需要一个过程。

 
探讨中,我们和区教委的关键分歧在于,区教委总是把孩子按户口分开,说海淀小学毕业生7000人,而初中只能容纳5000多人,他们所指的7000和5000多两个数字,都是非北京户籍的孩子,他们总是有一个思维定势,先考虑北京户口的孩子,然后再考虑外地孩子。而我们认为,应当不分户籍一律平等对待,应当把海淀所有的小学毕业生不分户籍统一考虑升学问题,即使教育资源真的紧张,也不是7000毕业生分配5000多个位置的问题,而是20000万毕业生分配18000多个初中位置的问题。海淀的公立学校、经过审批的打工子弟学校、没有经过审批的打工子弟学校,所有小学毕业生一共大约2万人,其中7000毕业生没有北京户口。按照目前四十人一个班级,还差大约1600人没有初中位置。我们认为,只要把每个班级扩大到44人,这1600人就可以容纳进去。退一万步讲,即使真的初中位置一个也多不出来了,那么,根据平等原则,应当由2万小学毕业生抓阄确定谁有资格升初中,这才叫不分户籍一律平等。

 
我们认为,教育资源紧张根本不是一个理由,从目前现实状况来看,海淀教育资源足以容纳所有海淀居民的孩子,北京市的教育资源足以容纳所有北京市居民的孩子,事实上,过去十多年来,北京市大量教育资源闲置,中学一直在减少,班级也在缩小。

 
教委提出,放开户籍以后,明年后年会有大量孩子涌入,教育资源可能跟不上。我们认为,首先,孩子跟随父母上学天经地义,即使孩子们涌入,也完全正当,解决他们的教育问题是政府义不容辞的责任,现有户籍教育体制强行把孩子和父母分开是残忍的,已经带来大量社会问题。也许会有一个涌入的过程,但一旦实现了教育平等,他们不会盲目涌入,当孩子大都和父母团聚在北京正常读书,高考机会也和全国各地一样平等的时候,也就没有大量孩子涌入了。退一万步讲,即使教育资源暂时紧张,只要政策放开,马上就会有私立学校蓬勃发展,不存在孩子没学上的问题。世界上没有任何一个城市会出现这种荒诞现象——只能容纳劳动力却容纳不下劳动力的孩子。

 
教委提出,扩大班级对原来的孩子也是不公平的,就像大家挤在一个电梯里人多了不舒服。我们认为,就像一列末班车,里面已经有40个人,外面还有4个人,显然,让这4个人上车大家稍微挤一下,总比把这4个人抛下公平的多,要知道,对于成千上万的孩子而言,人生只有这一趟车。

 
我们要求平等,只要机会平等,不管结果如何我们都能坦然接受。即使抓阄我们没抓到,我们也认,即使所有的福利都不要,可是孩子来到这世上,应当有平等的机会。

 
最后,我们说,下周再来,希望教委理解我们的急迫心情,毕竟政策马上就要出台了,孩子们不能错过这个机会。

 
2010-4-1
 
出典:http://xuzhiyong.fyfz.cn/art/599772.htm

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