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中国内地におけるウイグル族ストリートチルドレンの生存状況調査(2)

2010-10-11 17:41:41 | 中国異論派選訳
中国内地におけるウイグル族ストリートチルドレンの生存状況調査(2)

 (四)どの子もみな国の宝だ

 ウイグルオンライン〔イリハム・トフティが責任者を務めるサイト。現在国内サイトは閉鎖されている。このような政府に協力的なサイトでさえ閉鎖されてしまうところに中国共産党の少数民族政策の実態が示されている〕は最初にウイグル人ストリートチルドレンに注目した民間ウェブサイトだ。サイトでは「ストリートチルドレン見守り」専用掲示板を設け、みんなの「新疆泥棒」に対する誤解を解き、社会各層にこの子たちを救うよう呼びかけている。

 「彼らは最大の被害者だ」と、サイト管理者の一人タイハンは語る。多くのウイグル人大学生が内地で勉強を始めるとき、泥棒の問題でしばしば差別を受けている。

 タイハンが一生忘れられない事件がある。あるときひどく混んだバスに乗って、つかまるところがなかったので、急ブレーキで彼の体は前に倒れた。その時手が前の40過ぎの男のシャツのポケットにあたった。その男はすぐに彼の手をつかんで、大声で「何をするんだ?」と叫んだ。車内の人全員が異様なまなざしで彼を見つめた。タイハンはバスから飛び降りられないのがもどかしかった。
 
 「家でおとなしくしていないで、のこのこ出てきて民族の名を汚している」。当時タイハンは彼らウイグル泥棒をひどく恨んだ。だが、何人かの子供を救ってから、一人ひとりの子供がみな悲惨な物語を背負っていることを知り、全力で彼らを救おうと決めた。「助けられるだけ助けよう」。

 「私たちの優位性は私たちのウイグル族の中での影響力と〔政府〕責任者との関係を使って新疆現地の警察や、親を探し出せることだ」。このサイトでは新疆ストリートチルドレン救助の民間組織設立を準備している。サイトを通じてボランティアを募集し、反スリ組織と連絡をつけ、募金を募り、ストリートチルドレンを家に送り返そうとしている。「だが民政部の許可を取るのが難しい」。

 幸い、ウイグルオンラインはすでに多くの地方の反スリ組織と連絡をつけ、ウイグル族の子供が見つかったら、すぐに子供のための通訳を行い、家族を探している。

 「始めたばかりのときは、多くの地方で暴力的な反スリ活動が行われ、殺したり殴ったりしていた。我々は反スリには反対しないが、合法的に行うことを求めている」。現在、桂林、重慶の反スリ組織も子供たちの帰郷を助け始めた。一部の漢族のウイグル族に対する誤解も徐々に解けつつある。

 また、ウェブ責任者の中央民族大学教員イリハム・トフティはウイグルオンラインというプラットフォームを非常に重視している。教育事業に携わりながら、商売と社会調査を行い、さらに多くの在京ウイグル族学生を支援している。だがどれほど忙しくても、毎日サイトのメンテナンスを行い、各地の反スリ組織と対話、交流している。忙しいときには、何日も徹夜を続けることもある。

 「どの子もみな国の宝なのだから、みんなが明るい未来を持つべきだ。彼らは子供のうちに家庭を失い、生活のための技能もない。もし盗みを続けていたら、いつまでも泥棒のままで、大きくなったら自分のときのように他の子供を誘拐して泥棒をさせるだろう。そうなったら、被害者が完全に加害者になってしまう」とイリハムは語った。

 佳泉が最初にウイグルオンラインと連絡を取ったのは、ウイグル族が一体ストリートチルドレンの盗みをどう見ているのかを知ろうとしてだった。彼は、ある新疆のBBSに「我々は新疆泥棒にどう対処すればいいのだろう」と題した投稿をした。そのBBSで、佳泉は初めてウイグルオンラインから転載された一篇の投稿に目を引きつけられた。「本当にウイグル族ストリートチルドレンの運命に関心を寄せているサイトがあったんだ!」。

 「私は漢族で、河南省安陽に住んでいます。私は反スリ隊員です。私は教育労働者です。私は新疆を愛しています。私たちはみな中国人です。民族の団結のため、新疆ストリートチルドレンのため、私は命を含め、自分の一切をささげるつもりです。この子たちの明日のために、手を携えて努力しましょう! 連絡をください」。佳泉のウイグルオンラインへの投稿は多くの人の気持ちを動かした。だが、一年前には彼もウイグル泥棒を激しく憎む市民の一人だった。

 佳泉は、「自分も以前は、街中泥棒だらけで、警察に何のために飯を食ってるんだと罵ったが、今は彼らのことも少し理解できる。だが、ほおっておけばおくほど処理が難しくなる。経費がないとか、食べ物が面倒沱とか言って、警察が送還せず、収容センターが収容しないから、最後は結局ウイグルオンラインの友人に頼んで通訳をしてもらい、子供たちの親を探すことになる」。

 いま、子供が誘拐されて来たことが分かると、佳泉と彼のチームは子供を救助所に送り、その後ウイグルオンラインの友人に連絡したり、地元の110番に連絡している。

 佳泉は全国の反スリ団体と新疆のウイグル族が一緒になって、新疆ストリートチルドレン救助のネットワークを組織することを願っている。誘拐された子供が見つかったら、情報を新疆のウイグル族に送り、彼らが子供の家族を探し、できれば子供を迎えに来てもらいたい。彼はまた政府が基金を設立し、これらの子供を救助することを願っている。メディアが報道し、全社会がこれらの子供の運命に関心を持つことを願っている。

 佳泉はさらに少数民族のストリートチルドレン向けの私立小学校を設立しようと思っている。彼は場所はあると語る。最近ウイグル族の教師2人を招いて、ウイグル族クラスを開こうとしているが、行政手続、資金、政策上の支援がない。「政府が補助してくれればうまくいくんだが」。


 (五)ヌルグルを救う

 少女ヌルグルは、12歳。誘拐され売られて1年、彼女にとっては365個の悪夢だけでなく、心の底に一生埋め込まれた恥辱もあるだろう。2007年の初め、運命は彼女に悲劇からの脱出の機会を与えた――佳泉が最近行った反スリ行動で、彼女は捕まったのだ。

 警察で制限時間が来たら放免され、ふたたび窃盗集団の親分の手に落ちるのを防ぐため、ヌルグルはただちに救助所に送られた。反スリチームは一方で救助所にすぐにヌルグルを家に送ると約束し、もう一方ですぐにイリハム・トフティと連絡を取った。

 反スリチームの監護の下で、ヌルグルはイリハムと電話で話した。ヌルグルは、自分の家はアクスで、ママは自動車事故で死に、継父がアクスに住んでいると語った。イリハムは少女に、本当のことを言えば、すぐに継父が迎えに来ると告げた。

 次の日の午前、安陽の地元の警官とウイグル族の通訳が少女に会いにきた。彼らと話をしてから、少女は説明を変えた。継父はアクスではなく、安陽にいて、継父が彼女を安陽に連れて来たのだと言った。問いただすと、彼女はまた説明を変えて、彼女を連れてきたのは継父ではなく、母の姉妹の夫だと言い、最後には母の弟だと説明を変えた。

 少女が親分の脅しでウソをついていることははっきり分かったが、イリハムは救助所に留まらせるために彼女が誘拐された証拠を示すことができない。彼は必死になって自分の新疆の関係を通じてヌルグルの親戚関係を探し、もう一方で佳泉に救助所に働き掛け、決して彼女を出さないように頼んだ。

 あちこち訪ね回って、イリハムはヌルグルの最初の話しの通り、彼女の継父がアクスに住んでいることをつかんだ。北京に戻ったイリハムは佳泉が送ってきたヌルグルの写真を見て、「この子は本当に苦労してきたんだ。私はこれまでにこんなに老けて、まなざしに恨みがこもっている12歳の子供を見たことがない。」と語った。

 再び電話して、教育労働者のイリハムは優しくヌルグルに話しかけた。最初、少女はとめどなく泣き続け、何も話さなかった。

 「今は法律が変わって、10歳、12歳で盗んでも監獄に入れられる。それに、将来どうやってお嫁に行くんだい?」イリハム・トフティは彼女に本当のことを話させるためにだました。

 「君はムスリムだろ?」少女の緊張が少しゆるんだのを見て、イリハムは熱いうちに鉄を打った。
  
 「そうです」少女は自民族も恐れていて、語気は怯えていた。

 「君はアッラーの処罰が怖くないのかい?」イリハムは新疆のウイグル人の心に対するアッラーの力を知っている。

 「怖いわ」少女はだんだんと説得されていった。

 「彼ら(人さらい)は君に触らなかったかい?」イリハムは怒りを抑えつつ聞いた。彼は多くのストリートチルドレンの少女が性的虐待を受けていることを知っている。

 「触ったわ、叔父さんは私と寝たわ」12歳の少女にとって、その経験は一生の悪夢になる。

 「ヌルグルは強姦されたことがある。それも一人じゃない」。電話が終わると、イリハムは怒りを抑えきれなくなった。彼は佳泉に「もう絶対に戻しちゃいけない」と言った。イリハムはヌルグルより少し大きな娘がいる。「我が子を可愛がり、その気持ちをよその子にまで及ぼす」と言われているが、自民族の子供を助けるのに忙しく、彼には自分の娘を世話する時間がない。

 三日目、新疆の一人の警察職員がヌルグルの継父を電話の前に連れてきた。彼は電話でイリハムと言い争いを始めた。ヌルグルの継父は「他人が余計な口出しをするな、おれには交通費もないし、その子を養うこともできない」。イリハムは怒って言った「私たちが金を出すんだったら子供を迎えに来るだろう?」。ヌルグルの継父は「今忙しいから、後で電話してくれ」と言って電話を切った。その後いくら電話してもこの男は出てこなかった。

 その後、十数人の新疆人が安陽警察隊の玄関をふさいで、泣いたり騒いだりした。彼らはヌルグルの親族を名乗り、子供を放免するよう要求した。子供の家族が見つからないので、警察はしかたなく子供の放免を許可する証明書を発行した。佳泉たちが何度も救助所に待つように求めたが、最後は救助所も持ちこたえられず、ヌルグルは再び人買いに連れ去られた。

 イリハムはそれを知って、再びアクス警察局の友人に助けを求めた。しかし、3日間走りまわっても何も得られなかったので、その友人はイリハムに電話してきて、言った。「もう仕方ない、みんながやるべきことはやったよ。アクス警察には経費がないし、子供を引き取る責任もない。しかも、我々は継父が子供を売ったんだろうと疑っている」。

 (六)帰郷の道

 アニワルは家に戻れたが、ヌルグルは継父に拒絶され、多くの子供たちは自分の家さえ探し出せないでいる。

 グランダム、女性、カシュガル出身、12歳。桂林の反スリ組織が任務執行中に捕まえ、地元警察に突き出した。写真を見ると、少女は安物の薄汚れた服を着て、恐怖と悲哀を帯びた大きな目を開いていた。彼女は警察に自分とほかの5人の子供が一緒に新疆から桂林に誘拐されて連れてこられ、スリを強要されていると告げた。少女は警察に自分を家に連れて行ってくれと頼んだが、彼女は自宅の住所を覚えておらず、家族との連絡方法も知らなかった。慣例により、家族と連絡が取れないので、警察はグランダムを放免した。少女は派出所の前で待っていた「親分」に連れて行かれ、再びスリをして、捕まり、また放免されるということを繰り返している。

 「家に帰りたいけど、帰り道が分からない」。

 新疆救助管理所は以前、93名の新疆ストリートチルドレンの調査を行ったことがある。それによると、父または母、もしくは父母の双方がいない欠損家庭が17%、また四分の一の家庭が父母の離婚もしくは死亡後、再婚した家庭だった。彼らはたとえ救い出されたとしても誰の世話も受けられず、再び放浪するだろう――窃盗の他になにも手に職がなく、逮捕と放免が繰り返される。成人したら、彼らは窃盗仲間の小頭や親分になり、別の未成年者を集めて窃盗を働かせ、被害者が加害者に変っていく。

 イリハムはストリートチルドレン問題の行く末を非常に心配している。この子たちの一生が台無しにされ、民族間の溝と対立感情が深まり、しかも過激な分離主義者に付け込まれやすい。彼は以前、政府が速やかに取り組みを開始するよう呼び掛け、その中で「ストリートチルドレン問題は警察、福祉、社区(居民委員会)、婦人連合会、学校、共産主義青年団などの組織の協力が必要であり、個別の取り組みだけではなく地区を超えた協力が必要だ」と書いている。

〔以下はこの記事の掲載許可を得るために付け加えられた文章〕
 ウイグル族ストリートチルドレン問題の地域横断性は中央政府の警戒心を高めている。2006年2月6日、新疆自治区共産党委員会は常務委員会を開き、周永康の内地新疆籍ストリートチルドレンに関する指示を伝え、内地の省・自治区・直轄市に協力し、内地の新疆籍ストリートチルドレンを救い、未成年者誘拐売買犯罪を取り締まる特別行動を行うことを決めた。このほか、自治区公安庁は新疆籍ストリートチルドレン救助、未成年者誘拐売買犯罪取り締まり特別行動指導グループを組織した。2007年1月までに、新疆では51の救助管理所とストリートチルドレン救助保護センターが設置され、物乞いとストリートチルドレンのべ2万4500人を保護した。

 2007年1月20日、民生部など19の部・委員会は共同で「ストリートチルドレン対策事業強化に対する意見」を通達した。この通達は、「ストリートチルドレン対策事業は救助と福祉と管理を兼ねた事業である。ストリートチルドレン対策は、予防を前提とし、救助を基礎とし、管理を手段とし、教育を重点とし、保護を根本とする」とし、各級政府、各部門がまじめに職務を執行し、この事業を協力して行うよう求めている。また、当局はメディアに対し「新疆泥棒」という言葉の代わりに、触法少数民族未成年という言葉を使うよう求めている。

出典:『鳳凰週刊』2007年第17期

原文出典:http://www.china-week.com/2007/08/blog-post_21.html

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1 コメント

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中国で弾圧に戦う心優しき人がいることを伝えたい (野村たかひさ)
2013-10-07 02:51:42
日本で芸人をしている者です。

この度、Facebookにて中国とウイグル族の問題が動画で出ていて、凄く悲しかった。

本当に許せない気持ちになりましたが、同時に中国人に自分と同じ人がいないのか疑問に思いました。

そして探しているうちにここにきました。
話をきいて凄く感動しました。
転載許可が出ているみたいなので、フェイスブックにURLをのせます。

よろしくお願いいたします

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