■けいばかのBLOG■

中央競馬G1予想など。な、ドナドナ、ど、などなど。

無敗3冠馬誕生観戦記【3】

2005年10月30日 | ■遠征記
つづき・・・

◆無敗3冠馬誕生◆

 さあ、いよいよ決戦の地、京都競馬場へ。

 地下鉄堺筋線恵美須町駅から乗って北浜駅で京阪電車に乗り換えて淀駅へ。車中、競馬新聞を持ってる人が徐々に増えてくる。自分の頭も競馬モードに切り替わってきた。面白いもんで、競馬観戦が主目的で来ているのにも拘らず、これまでほとんど競馬のことを考えていなかった。それこそ新聞すらほとんど見ていない。最初っから深く考えずにあまり先入観を持たずに冷静に見ようと思ってたからかな。買い目を予め決めていたこともあるんだろうな。菊花賞以外は興味ないし。他のレースの馬券を買う気は全くなし。そんな余裕もないだろうなと。

 13時過ぎくらいに京都競馬場に到着し、まずはスタンドの状況を確認しに行く。京都は右回りだからメインスタンドの左側がゴール。どうせならゴール前のスタンドで見たい。当然座れる余裕はないが、通路はまだ空いていたので、いまのうちに場所を確保してジッとしていよう。その前に馬券を買わんと。

 買い目はディープインパクトからの馬単で相手はローゼンクロイツ、シックスセンス、アドマイヤジャパン、マルカジーク。オッズを確認すると、ローゼンとシックスは大してつかねえなー。どうするかな・・・せっかくここまで来たんだから、当たった時にそれなりに儲かってないとつまらんしなぁ。よし、突っ込んでまえ。。。トータルで2万円購入。比率は10:6:3:1。外れたらデケー・・・。

 そしてさっきのスタンドに戻ってきて適当に空いてる所に陣取り、レースまで待つ。直線がバッチリ見える位置を確保。こんな時間に来ても大丈夫なんだね。もっと混んでて、まともに見れないんじゃないかとも思ったんだけど、よかったよかった。
 15:00現在の入場者数13万人。へえー、そんなに入ってるのか!以前、スペシャルウィークが勝った天皇賞(春)の時に来たことがあるんだが、あの時は確か10万人くらいだったと思ったが、スタンド工事をしていたせいで、ものすごく混んでました。それに比べたらなんか余裕。やっぱスタンドあるなしの差は大きいんだね。当たり前か。

 発走時間が近づき、スタンド通路も混みだしてきた。パドックが映し出される。ディープインパクトは落ち着いてるねえ。そして返し馬。鞍上の武豊が凄く緊張してるのがわかる。パドックの時もそうだったし、追い切りの時の共同記者会見の時もそうだったが、この1週間ずっとそんな雰囲気。あの武が緊張してるなんてねえ。明らかにいつもの武と違う。心臓に毛が生えているとしか思えないほど、プレッシャーとは無縁の男だと思ってたんだが、さすがに相当なプレッシャーを感じていたようです。こっちも余計緊張してきた。。。
 ちなみに、返し馬で良く見えたのがアドマイヤジャパン。いや、後から言うのもアレだけど、ほんとに良く見えました。良く見せるタイプなのかも。

 そしてその時、ターフビジョンに映し出されたディープパクトの単勝オッズは、なんと1.0倍。スタンドからどよめき。。。G1で単勝1.0倍って、有り得ん。いや1.1倍でも有り得ないんだけどね。。。えらいことになってきた。
 ウィナーズサークルには芸人のアンタッチャブルも出てきました。関西人は何で居るのかわかってなかったみたい。「うまッチ!」という土曜の夜中にフジテレビでやっている競馬番組に出演してるのです。

 15:40。

 スターターが台に上る・・・

 ファンファーレが生演奏で流れる・・・

 場内の緊張がピークに達する・・・

 ・・・やべー、遂に来た。よーく、目に焼付けとかんと!

 スタート!

 ゲートが開き、ディープインパクトは普通に出た。こんなにまともに出たのは初めてじゃないか?そして武は早々に邪魔されないように馬群の外側に出そうとするが、、、なにやらディープインパクトの様子がおかしい。明らかに引っ掛かってる。慌てて内側に進路を取り、前に壁を作る。1週目のスタンド前も相当に力んで走っている。。。おいおい、大丈夫かよー・・・。やっぱり競馬なんだなー。競馬ならこんなのよくあるシーンだし、特別なことが起こってるわけじゃないのが妙に生々しい。並みの馬ならこれで勝つのは正直、難しい。

 2周目の向こう正面でようやく落ち着いた。折り合いはついているが、長距離戦なだけに、あの前半のロスは痛いはず・・・。

 3コーナーの坂の上り下り、ディープインパクトはまだ動かない。

 わざと仕掛けを遅らせてるのか?それとも手応えがないのか?

 いずれにせよ、ディープが動かないから、他の周辺の馬も動かない。そうすると前に行ってる馬は楽。思い通りに完璧に最高にうまく乗ったのが横山ノリとアドマイヤジャパン。当たり前だが、こういうレースでも、みんなあわよくば勝ってやろうという気持ちで乗っている。やっぱりこれも競馬。。。そんなんわかってるけど、こっちとしては「ノリ余計なことすんなよー!!」
 アドマイヤジャパンが4コーナーで先頭に立ち、一気に突き放しにかかる。ディープも坂を下った辺りから仕掛けられ、徐々に前との差を詰める。。伸びてるって事は手応えがある・・・ということは武の計算で仕掛けを遅らせたって事か。4コーナーでの差は6、7馬身くらいあったかな・・・いや、それでも射程圏だ。直感的にそう思った。

 いつものように一瞬のうちに抜き去り、突き放すような競馬ではないけれど、一歩ずつ確実にアドマイヤジャパンを追い詰めて行く。

 差が縮まる・・・さらに縮まる・・・もう少し・・・もう少し・・・

 ・・・カワシタ!!・・・

 そして2馬身差をつけたところがゴール!!!

 よっしゃー!!!やったー!!!

 遂にこの瞬間が訪れた。無敗3冠馬誕生。ハラハラドキドキした分、この瞬間の感激は倍増。いやー、いいもん見させてもらったよ。本当に来た甲斐があった。おまけに馬単も当たってるし、言うことなし。

 No Surprises

 Radioheadのこの曲が頭に浮かびました。歓喜歓喜のはずなのに、スローテンポのこの曲が浮かんだ・・・。なにか儚さを感じたのかなー。ディープインパクトで映画を作るとしたら、3冠達成の瞬間はスローモーションでこの曲を流したいところ。すまん、勝手な妄想です。。。

 そして、余韻覚めやらぬうちに表彰式。なぜかゲストプレゼンターに井上和香。おいおいJRAよ、こんな特別な時に人選間違ってるだろ。どうせ、だれかお偉いさんがファンだとか、そういう理由だろ。本人に全く責任はないし、武に花束を渡し損ねたのも周りのスタッフが悪いんだが、、、とにかくシラケタ。

 その後の勝利騎手インタビューで「負けたら向こう正面から帰ろうと思ってた。」と武から冗談が出た。いや、ほんとにそれくらいの気持ちだったのかもしれないけど、こんなコメントが出る辺り、プレッシャーから開放されてホッとしたんだろうなー。

 まだまだ余韻に浸っていたいが・・・競馬場を出ますかね。混んでるしね。

まだつづく・・・


コメントを投稿