『 エターナル・サンシャイン』の原題は
『ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND』で直訳すれば
「潔白な精神の永遠の日光」。
それを邦題では簡略に『エターナル・サンシャイン(永遠の日光) 』としています。
『エターナル・サンシャイン』は
「マルコヴィッチの穴」のチャーリー・カウフマン原案です。
ハリウッドの若手俳優には男女を問わず人気のある人のようですが、
彼のようなコンセプトで映画を斬る人が居ないからでしょう。
「マルコヴィッチの穴」を見たとき、「藤子不二雄みたいな話だな」と思いましたが、
『エターナル・サンシャイン』もやっぱり藤子不二雄みたいでした。
『エターナル・サンシャイン・オブ・ザ・スポットレス・マインド』
という洒落のめしたタイトルは
アレクサンダー・ポープの書簡体の文学作品
「エロイーザからアベラールへ」から引用されている語句なのだ、
という解説がどこかの映画掲示板にありました。
コミカルな演技とマシンガントークがウリのジム・キャリーが、
ここでは内向的で控えめな性格の男を演じています。
「マジェスティック」の真面目人間ぶりは、
一生懸命演技している、という感じがありましたが、
ここでは彼の素はきっとこんな感じ、と思わしめるほど上手いです。
ケイト・ウィンスレットは「ネバーランド」の未亡人役も上手かったですが、
このクレメンタインという女の子の役も見事です。
シナリオ上ではかなり短期で身勝手、移り気ですが、
それを魅力的な女の子に見せてしまうというのですからやるものです。
脚本の推敲に3年を掛けたそうです。
後半、かなりしつこくて、いったいこの話のオチはどうなってしまうのだろうと、
心配するほどでしたが、落ちるべきところに落ちています。
記憶の除去場面は、
デジタル合成の人間を消したり、ミニチュアの家を崩したり、
氷の上を人間を滑らせたりと、
特定の方法に拘らず、絵コンテを切って面白そうな手段が
なんでもありで楽しめます。
『エターナル・サンシャイン』のアイデアは、いまから5年ほど前、
レストランでの何気ない会話がきっかけとなって生まれました。
ミシェル・ゴンドリーは、友人で芸術家のピエール・ビスマスから
奇妙なクイズを出されます
「郵便受けのなかに『あなたのガールフレンドは、あなたとの記憶を消去しました。
今後、彼女には一切接触しないでください』という通達を見つけたとする。
君なら、どうするかい?」
会話を楽しむためのお題が、ゴンドリーのイマジネーションに火をつけました。
沸き上がるアイデアに頭が混乱したゴンドリーは、
友人の映像作家スパイク・ジョーンズを通じて知り合った
チャーリー・カウフマンに脚本執筆を依頼します。
カウフマンが『エターナル・サンシャイン』の執筆に3年もの月日を要したのは、
スケジュールの都合だけではありませんでした。
あらすじでは素晴らしいストーリーも、じっさいに脚本執筆に取りかかると、
記憶の喪失という難しいテーマだけに、
ありとあらゆるパラドックスが露呈したといいます
ストーリーの考案者でもあるゴンドリーは相談相手となった。
ちょうどゴンドリーが『ヒューマンネイチュア』を監督していたため、
二人は話し合いの時間をたっぷりと設けることができたのです。
映画製作の初期段階からニューヨーク市が主要舞台となることが決まっていました。
必ずしもニューヨーク市で撮影される必要のない場面もあるのですが、
街そのもののエネルギーと感性が撮影にとって貴重なものであるとスタッフは
認識していたといいます。
主なシーンはニューヨーク市マンハッタン島の南部東側の
グランド・ストリート(ラクーナ社のシーン)、
ヨンカーズ(ジョエルのアパートのシーン)、
ウィリアムズバーグ(クレメンタインのアパートのシーン)、
グランド・セントラル駅などで撮影されています。
キャストとクルーはまた、ビーチの撮影のために1週間を
ロング・アイランドのモントークでも過ごしたそうです。
撮影は2003年1月13日に始まり、4月3日に完了しました。
いったん撮影を始めると、ずっと雪が降り続くという幸運に恵まれ、
チャールズ川の場面では、ニューヨーク州の北側にある湖が本当に凍り、
そこで撮影できたそうです。
NY郊外に住む独身男性ジョエル・バリッシュ
(ジム・キャリー『ブルース・オールマイティ (2003)』等)
は、ある朝、通勤電車から飛び降りるとニューヨーク州ロングアイランド東端
モントーク行きの電車に乗り換える。
乗り換え線のホームにいた女性クレメンタイン
(ケイト・ウィンスレット『タイタニック (1997)』「ネバーランド(2004)」)は、
同じモントーク行きの電車に乗るとジョエルに親しげに話しかけてきた。
クレメンタインは…
以下はネタバレになるので、
この続きはhttp://www.cam.hi-ho.ne.jp/la-mer/#dvd
にて脚本レビュー「エターナル・サンシャイン」の頁をご覧下さい。
mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう!
<form name="mag2-form" action="#">
</form>
『ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND』で直訳すれば
「潔白な精神の永遠の日光」。
それを邦題では簡略に『エターナル・サンシャイン(永遠の日光) 』としています。
『エターナル・サンシャイン』は
「マルコヴィッチの穴」のチャーリー・カウフマン原案です。
ハリウッドの若手俳優には男女を問わず人気のある人のようですが、
彼のようなコンセプトで映画を斬る人が居ないからでしょう。
「マルコヴィッチの穴」を見たとき、「藤子不二雄みたいな話だな」と思いましたが、
『エターナル・サンシャイン』もやっぱり藤子不二雄みたいでした。
『エターナル・サンシャイン・オブ・ザ・スポットレス・マインド』
という洒落のめしたタイトルは
アレクサンダー・ポープの書簡体の文学作品
「エロイーザからアベラールへ」から引用されている語句なのだ、
という解説がどこかの映画掲示板にありました。
コミカルな演技とマシンガントークがウリのジム・キャリーが、
ここでは内向的で控えめな性格の男を演じています。
「マジェスティック」の真面目人間ぶりは、
一生懸命演技している、という感じがありましたが、
ここでは彼の素はきっとこんな感じ、と思わしめるほど上手いです。
ケイト・ウィンスレットは「ネバーランド」の未亡人役も上手かったですが、
このクレメンタインという女の子の役も見事です。
シナリオ上ではかなり短期で身勝手、移り気ですが、
それを魅力的な女の子に見せてしまうというのですからやるものです。
脚本の推敲に3年を掛けたそうです。
後半、かなりしつこくて、いったいこの話のオチはどうなってしまうのだろうと、
心配するほどでしたが、落ちるべきところに落ちています。
記憶の除去場面は、
デジタル合成の人間を消したり、ミニチュアの家を崩したり、
氷の上を人間を滑らせたりと、
特定の方法に拘らず、絵コンテを切って面白そうな手段が
なんでもありで楽しめます。
『エターナル・サンシャイン』のアイデアは、いまから5年ほど前、
レストランでの何気ない会話がきっかけとなって生まれました。
ミシェル・ゴンドリーは、友人で芸術家のピエール・ビスマスから
奇妙なクイズを出されます
「郵便受けのなかに『あなたのガールフレンドは、あなたとの記憶を消去しました。
今後、彼女には一切接触しないでください』という通達を見つけたとする。
君なら、どうするかい?」
会話を楽しむためのお題が、ゴンドリーのイマジネーションに火をつけました。
沸き上がるアイデアに頭が混乱したゴンドリーは、
友人の映像作家スパイク・ジョーンズを通じて知り合った
チャーリー・カウフマンに脚本執筆を依頼します。
カウフマンが『エターナル・サンシャイン』の執筆に3年もの月日を要したのは、
スケジュールの都合だけではありませんでした。
あらすじでは素晴らしいストーリーも、じっさいに脚本執筆に取りかかると、
記憶の喪失という難しいテーマだけに、
ありとあらゆるパラドックスが露呈したといいます
ストーリーの考案者でもあるゴンドリーは相談相手となった。
ちょうどゴンドリーが『ヒューマンネイチュア』を監督していたため、
二人は話し合いの時間をたっぷりと設けることができたのです。
映画製作の初期段階からニューヨーク市が主要舞台となることが決まっていました。
必ずしもニューヨーク市で撮影される必要のない場面もあるのですが、
街そのもののエネルギーと感性が撮影にとって貴重なものであるとスタッフは
認識していたといいます。
主なシーンはニューヨーク市マンハッタン島の南部東側の
グランド・ストリート(ラクーナ社のシーン)、
ヨンカーズ(ジョエルのアパートのシーン)、
ウィリアムズバーグ(クレメンタインのアパートのシーン)、
グランド・セントラル駅などで撮影されています。
キャストとクルーはまた、ビーチの撮影のために1週間を
ロング・アイランドのモントークでも過ごしたそうです。
撮影は2003年1月13日に始まり、4月3日に完了しました。
いったん撮影を始めると、ずっと雪が降り続くという幸運に恵まれ、
チャールズ川の場面では、ニューヨーク州の北側にある湖が本当に凍り、
そこで撮影できたそうです。
NY郊外に住む独身男性ジョエル・バリッシュ
(ジム・キャリー『ブルース・オールマイティ (2003)』等)
は、ある朝、通勤電車から飛び降りるとニューヨーク州ロングアイランド東端
モントーク行きの電車に乗り換える。
乗り換え線のホームにいた女性クレメンタイン
(ケイト・ウィンスレット『タイタニック (1997)』「ネバーランド(2004)」)は、
同じモントーク行きの電車に乗るとジョエルに親しげに話しかけてきた。
クレメンタインは…
以下はネタバレになるので、
この続きはhttp://www.cam.hi-ho.ne.jp/la-mer/#dvd
にて脚本レビュー「エターナル・サンシャイン」の頁をご覧下さい。
mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう!
<form name="mag2-form" action="#">
</form>
日本の世知辛い日常から逃げ出したい今日この頃です。
いま、アメリカに留学している者です。
ふと、エターナルサンシャインのロケ地にいきたいと思っていろいろと検索してこちらにたどり着きました。他のページにはないロケ地の情報が書かれてありビックリしました。
ありがとうございます。
TBさせてください。
カウフマンの脚本はやはり独創的で良いですね。
館にて、エンドロールになっても誰も立たなかったのが印象的でした。
何故かノミネートの件知りませんでした。そうだったんだ、たしかにそれだけの価値あります
とても詳しい内容に感心しながら読みました。
ケイト・ウィンスレットが良かったですねー。
アカデミー賞助演女優賞ノミネートもうなずけます。
オリーとクレメンタインが出会うシーンが何種類かあって、
この2人は何回繰り返してるんだろうと不思議に思いました。
>映画のヒント
恋人はあなたの記憶を削除しましたと言われたら…、
そこで「自分も削除します」となったんでしょうね。
話のなりゆきからして。
>初めまして。
ええと、琴音さんとは初めてではないと思いますよ。
>だいすきなひとと思い出を
ああ、まさしくそのとおりですね。
思い出があればこそ、振り返ることも出来るのだし。
わたしは、「だいすきなひとと思い出をいっぱいつくっていきたいな」っておもいました。
あの場所で、この場所で、こんなこと、あんなこと、楽しいこと、悲しいこと…いろいろと。
TB、ありがとうございました。(^o^)v
こちらからもTBさせていただきます。m(_ _)m
私はジム・キャリーの大ファンなのでこの映画を観たのですが、今回、ケイト・ウィンスレットがとても奇麗だったのには驚きました~!(*^_^*)
映画のヒントになったエピソードは面白かったです。
キルスティン・ダンスト、なんでおパンツ姿でジム・キャリーの枕元で踊ってるんだろうと思ってましたが、ああいうオチだったわけです。
記憶の中のクレメンタインが良い人過ぎて、うっかりよりを戻して本当に幸せになれるかなと、ちょびっと心配。
観ていて何となく漫画みたいな展開だなあとは思っていたのですが、こちらの『藤子不二雄みたいな』というご意見でとてもすっとしました(笑
製作秘話、とか裏話的コンテンツはとても好きなので楽しく読ませて頂きました^^
詳細な裏話、とても興味深く読ませて頂きました。
過去の繰り返しに気がついて怒っちゃった
メアリー(キルスティン・ダンスト)と
何となく良い感じで、また始まった(?)
ジョエル(ジム・キャリー)&クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)の対比、おもしろいと思いました。
ケイト・ウィンスレットって柄の大きな女優さん、という印象があります。
現代劇より、なんか貫禄のある役のほうがさまになっていたような。
今回の役は、時間経過によって髪の色の変化に規則性があったようですね。
どういう順かまでは見ていませんでしたが。
TBどうもありがとうございました。
私の方は4月に始めたばかりのブログなので、
早々にTBしていただけて嬉しかったです。
ケイト・ウィンスレットはどちらかと言うと
時代物とかコスプレ系の似合う女優さん、
というイメージがあったのですが
この作品の現代的で、ある意味破天荒なキャラも魅力的でした。
ジム・キャリーって、役柄によってあんなに変わる事ができるんですね!!
彼の演技は素晴らしかったです。
相当ややこしい構成でしたし、かなりめまぐるしくスピーディーに演出されていましたから、本来なら、見てみてもっと混乱してしかるべきなのに、そんなことは無かったのは、時間軸でなく主人公の心情の繋がりを上手く紡いでいたためだろうと思います。
ジムとケイトの熱演と優れた脚本の力でしょうね。
こちらからも返させて頂きますね☆
わたしは、1度観ただけではこの映画は味わえないなーと感じ、もう一回観ようと思っています。
ラストは、希望があっていいと思いました♪
つらいことを避けて生きることもできるけど、それだと幸せもスケールの小さいものになってしまうような気がします。
ラストのシーン、わたしはとても好きです☆
この作品、構成がすごく気に入っていてもっとじっくり見たい!と思いました。
まとまりがあって、うまく帰結してますよね。
確かにまた同じ過ちを繰り返すかもしれないけど、幸せな日々もまた味わえるし、テープを聞きなおしてうまくいかなかった理由を考え直せばまた新しい道が拓けるかも…なんて、私は希望的に見てました。
また、同じ結果になっても「いいさ」。お互いを大切な人だと気づいた彼らは乗り越えるんじゃないかな?
なんてね。失礼しました。
こちらもさせていただきました。
3年掛かっただけある複雑な話ですね~。
しかしそれだけあって私は彼女と4回も観てしまってます…。
ケイト・ウィンスレットの髪の毛を含め、ビジュアル的にとても好きな作品です。
雪景色のシーンがとても印象的でした。
運良く降ってくれてよかった^^
見て歩いたブログのなかで「いっけん希望を感じさせる終わり方をしているけど、ふたりが同じ過ちを繰り返して、もう一度破局を繰り返すかも知れないんだよ。つらい失恋を繰り返し味わうなんて嫌だっ」と書かれた方がいて、愕然としました。
確かに、記憶をいじって不自然などうどうめぐりをしているので、同じ不幸を繰り返す可能性はあるんじゃないのか?という不安は拭い去れないです。
やっぱり出会いも別れも、機械の手を借りずに己自身で体験するのが唯一正しい人生の歩き方なのだなと思いました。
感覚なんですけどね、なんとなく好きなんです。
これからも、制作裏話に期待してます。
よく分かっていませんでした。
嬉しかったです。ありがとうございました
。
私もTBさせて頂きました。よろしくお願いします。
参考になりました
こちらからもTBさせていただきますね。
レストランでの何気ない会話から始まった映画なんですね。色々な裏話が読めて楽しかったです。その上でもう1度観てみようかなと思い始めています(笑)。
アニメの中のソフトなSFってところなのでしょうか。
この映画の記憶が失われていくのが怖いです・・・