Dogma and prejudice

媚中派も媚米派も同じ穴のムジナ
従属主義的思考から脱却すべし
(言っとくけど、「媚米」と「親米」は違うんだよ)

冷戦時の思考から脱却できていない自称保守

2007-02-19 | 自称保守・親米保守
 米ソ冷戦時代、日本の政界の分類は、「保守」vs「革新」でした。(「中道」というのもありましたが、ここでは無視)。

 このときの「保守」という呼称は、アメリカ側=西側陣営=自由主義陣営に留まろうという「体制保持」の姿勢を、「保守」と言ったまでのことで、「保守主義」といったものとは、あまり関係が無かったように思えます。(同時に、このときの「革新」というのも、ソ連側=東側陣営=共産主義陣営に「体制を変換」させようという「体制変換」の姿勢を「革新」といったまでのことだろうと思います。)

 冷戦時代というのは、米ソいずれにつくかの決断を常に求められていた時代で、二元論的思考を行うしかなかったと言えますが、自称保守の人たちの多くは、こうした米ソ冷戦時代の「保守」の概念から今も脱却できていないようです。彼らが、「保守」と自称するのも、主義としての、保守ではなく、冷戦時代の便宜的分類呼称であるところの「保守」対「革新」の「保守」でしかないのです。

 ソ連が崩壊して、それと同時に「共産主義陣営」も、「自由主義陣営」も崩壊・解体したにもかかわらず、彼らは、未だに、日本が自由主義陣営にいるという幻想を捨て切れていないようです。今の状況を、「米ソ冷戦」ならぬ「米中冷戦」だと信じきっているような人もいます。(アメリカは中国のことを、自国のライバルだなどとは思っていないのに)

 彼らの世界観は「親中反米←→親米反中」の一次元しか無いようです。アメリカの意向である郵政民営化に反対した、俗に言う「造反議員」に対しても、「アメリカ批判をする奴は、媚中派だ」という安易な決め付けを行って得々としていました。(しかし、実際には、二階氏も、加藤氏も、山拓氏も、媚中派ですが、「造反議員」ではありません。)

 「アメリカ批判」を行うものは、彼らによれば、「反米派」という事ですが、批判を行えばすぐに「反米派」というレッテルを貼ろうとするのも、彼らの単細胞的な思考の現れでしょう。「親しき仲にも礼儀あり」という事です。「友好」の名の下に、日本に対して内政干渉をしようとする厚顔な国は、何も「中韓朝」に限らず、アメリカも同様です。というか、アメリカの内政干渉による弊害の方が、「中韓朝」の内政干渉による弊害よりも、ずっと大きいのではないでしょうか。

 アメリカに対して、そのような無礼な真似を許している自称保守というのは、「従属国家日本」の現状を肯定し、そこに安住しようとする「守旧派」そのものです。彼らは、「日本を改革しよう」と主張していますが、日本を改革しようとするならば、まず自分たちの意識の変革から始めるべきでしょう。「改革」の方向性を見誤っている者が、日本を真の意味で改革することなど出来ないのです。



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2 コメント

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御用媚米評論家・屋山太郎 (蒼龍)
2007-02-23 04:15:36
どうもお久しぶりです。

最近思うのですが、郵政民営化を始めとする小泉「構造改悪」をひたすら支持してきた保守論客として挙げられるのが、政治評論家の屋山太郎です。

彼は最近では「ビートたけしのTVタックル」に頻繁に出演するなどで結構名を知られていますが、とにかく改革だの民営化だのが大好きなようで、当然郵政民営化にも大賛成です。特にDr.マッコイさんが紹介してくれた去年8月25日付の産経正論では、読んでいるこちらが恥ずかしくなるほどの見事な小泉マンセーっぷりを披露してくれました。何しろ例の「プレスリー踊り」すら賞賛している有様なのですから。

話を元に戻しますと、屋山には徹底的な官業への敵意と民業への過信さ、また同様に中国・韓国に対してはやたらと反発するくせに、一方で米国に対しては無警戒すぎる態度を取る。いっそ清々しいまでの政府・米国の「御用学者」っぷりですね。私はそんなものは支那の専売特許だとばかりに思っていましたが。まさか米当局に何らかの弱みを握られていたり、あるいは接待を受けていた、などという事はないとは思いますが…。

もういい加減、今後もこのような言論を垂れ流すようであれば表舞台からお引き取り願いたいものですよ。

以上、長々と駄文失礼しました。
Re:御用媚米評論家・屋山太郎 (上田真司)
2007-02-23 18:34:36
ようこそ、蒼龍さん。

>屋山には徹底的な官業への敵意と民業への過信さ、また同様に中国・韓国に対してはやたらと反発するくせに、一方で米国に対しては無警戒すぎる態度を取る。いっそ清々しいまでの政府・米国の「御用学者」っぷりですね。

 私も、蒼龍さんと同様、屋山太郎氏の小泉礼賛と米国擁護振りには、呆れかえっておりました。彼こそ、典型的な親米ポチ君ですね。


>まさか米当局に何らかの弱みを握られていたり、あるいは接待を受けていた、などという事はないとは思いますが…。

 あるかも知れませんよ。

 でも、そんなことより、「アメリカの正義を信じ込ませる」というテクニックに長けているんでしょうね、アメリカは。「日本のやり方は古いんだ。いつまでもそんなことをしていては、衰退していくばかりだ」と、日本のやり方を批判して、アメリカのやり方の方がずっと優れていると思い込ませるのです。それにかぶれてしまったら、日本の伝統や慣習を古くて悪しきものとして、壊す事こそが正義になるのです。

>もういい加減、今後もこのような言論を垂れ流すようであれば表舞台からお引き取り願いたいものですよ。

 自称保守の連中は、国民の痛みに鈍感な前首相と同様、「鈍感力」の発達した人たちですから、アメリカの企みに死ぬまで気付かないかも知れません。そのような自称保守の連中が、多数派である限り、彼のような評論家の活躍の場がなくなることはないでしょう。