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書評 しょひょう : 濱本良一『世界を翻弄し続ける中国の狙いは何か』(ミネルヴァ書房)

2017-07-13 09:24:13 | 書評

書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 習近平時代の現代中国を活写した記録ドキュメント
   一極支配を進める習政権は多くの障害を乗り切ることが可能か?

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濱本良一『世界を翻弄し続ける中国の狙いは何か』(ミネルヴァ書房)
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 このシリーズは貴重な資料にもなる年代記的ドキュメント。いずれ歴史的資料として存分な価値をもたらすであろう、中国研究家必携のシリーズ第三弾である。

 著者の濱本氏は読売新聞香港支局のころからの知り合い。中嶋嶺雄門下。

いまは秋田の国際教養大学教授として八面六臂の活躍をされている。北京総局長時代にも北京で何回かお目にかかったが、その問題意識の鋭さにいつも敬服した。

 このシリーズの第一弾において濱本氏は中国が養光韜晦路線を修正したことを明示した。多くのチャイナウォッチャーのなかで、初めての指摘だったと記憶する。

すなわち、胡錦涛は北京五輪直前の経済的大発展に自信をつけて、「韜光養晦、有所作為」とあったトウ小平路線を「積極有所作為」として、『積極』を加味したのだ。

 これを氏は、「必要とあれば強く自己主張する立場に変化した」のであり、最大の理由は「経済力と軍事力が備わってきたからである」

 したがって「『中国は未来永劫に覇権をとなえない』など道徳的な美辞麗句が得意な中国から聞こえる発言を鵜呑みにはできない。言行不一致が大胆かつ平然と貫かれる一方で、仮面の下から次々と現れる中国を思い知る」

 それが33390社も中国に進出した日本企業の認識にあるのか、どうかは大いに疑問とするところだろう。

 さて現代史資料として、記録を残す作業に没頭する氏の努力を称賛したいが、本書のなかで評者(宮崎)がオヤッと思ったことが二点。これは個人的な感想。

 王岐山が、北京で会見した青木昌彦氏らの日本人にこういった。

 「歴史研究に携わったことのある王氏が歴史学者の岡田英弘氏の著作を14年に読んだことを披瀝する場面があった。中国の指導者が日本の中国歴史研究者の著作を採り上げたのは異例だった」(312p)

 王岐山は政治局常務委員に就任草々、周囲にトクヴィルを読めとさかんに言っていたことは、世界のメディアが伝えた。
ところが、岡田氏の著作は少数しか知らなかったことで、じつは評者は生前の岡田氏から聞いていたが、どの本なのか、特定ができなかった。

濱本氏は、おそらく、それは岡田氏の『世界史の誕生』(ちくまライブラリー)だと推定する。

もう一つ奇想天外な逸話。

ハリウッド映画買収に失敗し、本丸のホテル、テーマパークの売却に踏み切った中国の大富豪、王健林にまつわることだ。
かれが率いる集団は「万達」である。

「習近平総書記の実姉で実業家の齋橋橋氏と夫のトウ家貴氏が、国内外で不動産・小売り・ホテル開発など幅広く手がける王健林氏の率いる「万達集団」(本社・大連、資産総額350億ドル)の非上場の株式を多数保有し、13年10月に永年の知り合いの実業家に転売していたことが米紙『ニューヨークタイムズ』(4月28日)の報道で判明した。

保有した09年当時の時価は2860万ドルだったが、四年後に売却した際には8・4倍の2億4000万ドルに上った」(263p)。

同様に温家宝・首相(当時)の娘も相当量の万達株を保有していた。

「王健林氏の事業拡大の過程を取材し、王氏が党中枢に接近するために、高官一族とその周辺に自社株を有利な価格で売却したか、贈与した可能性を(ニューヨークタイムズが)強く示唆した」のだった。(264p)

 現代中国のダークサイドにも光を当てている。
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ジャンル:
文化
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