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斎藤吉久の「誤解だらけの天皇・皇室」 新例を開くための大義名分は何か vol.438

2017-07-13 13:50:41 | ドメイン

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 平成29年7月5日発行 vol.438
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 斎藤吉久の「誤解だらけの天皇・皇室」
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新例を開くための大義名分は何か
──何のための歴史論か 8
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 私は運動家ではありませんが、やむにやまれぬ思いから、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを、ひとりで始めました。いまのままでは間違いなく悪しき先例が踏襲されるでしょう。

同憂の士を心から求めるとともに、友人知人の皆様への拡散を切にお願いします。

〈https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB〉

 さて、以下、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第2章 有識者ヒアリングおよび「論点整理」を読む

第5節 何のための歴史論か──「女性宮家」創設論のパイオニア・所功京産大名誉教授


▽8 新例を開くための大義名分は何か

 所先生は「象徴」「世襲」の天皇制度を強化する必要があると仰せです。

 すでに述べましたが、「世襲」とは、小嶋和司東北大学教授(故人)が述べているように、皇室という「王朝による支配」の意味ではないでしょうか?(小嶋「『女帝』論議」=『小嶋和司憲法論集2 憲法と政治機構』昭和63年所収)

 だとすれば、男系男子継承の断絶をもたらすこと、つまり皇室による王朝支配に終止符を打つことは、天皇制度の強化とはいえません。

 もちろん、先生はそんなことは百も承知であるかのように、こう述べています。

「この〈まず秋篠宮家の御長女が同家を継がれ、御次女が新しい宮家を立てられ、次いで皇太子家の御長女が新しい宮家を立てられるという〉ような女性宮家の設立は、確かに前例がありませんから、いろいろ慎重に配慮しながら実現する必要があります。

 ただ、皇室の歴史を広く見渡せば、古代にアジアで初めて皇太后を女帝とし、初めて藤原氏を皇后に立て、中世まで前例のなかった男性宮家を設け、そのうち数家を世襲親王家とし、やがて桂宮家では皇女を養子に迎えて当主としましたが、 これらはいずれも新例を開いたことになります」

 新例だという認識であるのならば、過去の歴史にあったかのような、まどろっこしい説明や議論は不要ではありませんか?

 先生はまた

「あらためて歴史に学び、現実を正視しながら、将来への展望を開く」

 と表明していますが、正確さに疑念のある断片的な歴史論を、何のために展開するのでしょうか。

歴史に学ぶのなら事実に対する謙虚さが求められます。一般人ならもかく、およそ歴史家にとって、歴史はご都合主義の道具ではないはずです。

 逆に、それでも新例を開く必要がある、というのなら、そのための大義名分が求められます。

けれども、秋篠宮家、東宮の各内親王に婚姻後も、皇室にとどまり、果たしていただくべき皇室のご活動」とはいかなるものなのか、具体性が先生の所論にはまったくといっていいほど見えません。

 生身の人間の将来に関わる重大事です。「皇室の御活動」維持という目的は十分な新例の根拠となり得るのでしょうか。

歴史に学ぶなら、行動主義が悠久なる皇室の本質でないことも明らかなはずです。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります

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