思考の部屋

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理想主義の功罪はあるか?

2016年10月29日 | 思考探究
 28日の午前中に「核兵器禁止条約 決議案が国連の委員会で採択 日本は反対」というニュースが流れました。

 「核兵器のない平和な世界」を構築しようという思いは、善悪の二元論で理解するならば、万人が望む善的な考え方に思われますが、日本はどうも悪的な行為をしたようです。

 「核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定を目指す決議案が国連総会の委員会で採決にかけられ、123か国の賛成多数で採択されましたが、アメリカなどの核兵器の保有国に加え、アメリカの核の傘に守られ、段階的な核軍縮を主張している日本も反対に回ったとのこと。

 日本の佐野軍縮大使は、核兵器を禁止する条約の制定を目指す決議に反対したことについて、「核軍縮を実効的に進めるには、核保有国と非保有国の協力がなければならない。国際社会の総意で進められるべきだと強く求めたが、受け入れられなかった」と述べて、決議案に日本の立場が反映されなかったことを反対の理由に挙げその反対の表明を善的な選択であったように強調したようです。

 国際NGO、ICAN(アイキャン)の核兵器廃絶国際キャンペーンの川崎哲国際運営委員は、今回の決議案に日本政府が反対したことについて、「驚くとともに憤りを感じている。日本は核のない世界を目指すという目標を掲げておきながら、核兵器禁止条約の交渉を拒否した。日本政府はこれまで核兵器を持つ国と持たない国の橋渡しをすると言ってきたが、今回反対したことで、完全に軸足を核保有国側に移したと言える。国内でも理解されるとは思えないし、強く抗議をしていきたい」と述べましたとのこと。

 世界で一番原爆の恐ろしさを知っているのは日本国民で、核エネルギーの放射能被害の恐ろしさもチェルノブイリの方々とともに最もこの世で知っている国民です。

 論語に次のような言葉があります。

 「訴えを聞くこと我なお人の如し、願わくは訴えの無からしめんか。」(顔淵第十二の十三)

 孔子大先生は、訴状の絶え間ない世の中ではいけない、争いのない世の中をつくるのが私の理想だ、弟子に答えたのです。

 人間(じんかん)に争いなく国家間に争いのない世の中、私も同意見で上記の核兵器の禁止の法の成立の決議は、「人を殺すことなかれ」という法律、戒律よりも崇高な科せに思われます。

 この日本の代表の佐野軍縮大使は大いに非難されるべき大きな問題なのでしょうが、おそらく国会では佐野軍縮大使を招致し糾弾することはしないでしょう。

 核の脅威を訴え、原発の早期廃絶を訴える先生方も息を潜めるに違いありません。、マスコミも話題にしますが、多分大きな社会問題とはならないでしょう。

 「訴えの無い世の中づくり」

を孔子先生は理想とする自らの考えを示したわけですが、このような考え方を理想主義的な考えと一般的には呼ぶわけで、上記の話も理想とする世界の構築を希求しているわけです。

 人生理想は何か?
 人生の目的は何か?
 人はいったい何者になるのがよいのか?

理想主義というのもなんですが、人はそのように考える性(さが)思考が備わっています。

 臨済宗の高名な禅僧山田無文先生が、次のような話をよく語っていました。

 孔子の言葉をそのまま敷衍すれば、軍人になって戦争に勝つことができる、しかし、戦争の無き世界が自分の願うところだ。医者になって病人を治すことはできるが、病人のいない世界をつくるのが医学の目的だ。実業家になってお金を儲けることはできるが、お金など儲けなくともよい世界をつくるのが経済の目的だ、ということになって来る。

 若いときのこの孔子の話を聞いて、そのように悩んだというんですね。

 人は何になろうとしているのか?

何か大人も子供も仮想空間に生きているようで、とりとめのない空間に彷徨え歩く、迷える子羊のようです。

 現実世界に仮想空間をつくりポケモンゲットに興じる。医学も進んで、人体の内部構造を性格に仮想空間に作り出し、障害部位を目の前に映し出し、360度視認することができるようになったとのこと。底知れぬ仮想空間の力能です。

 いつでも来い!うちには核爆弾があるんだ!

 大いにこのように叫ぶことを核保有国は叫び続けているわけで、力の均衡で争いの世の中にはならない公理を創るわけです。

 これは愚かな話だと誰もが思っているとしても、絶対という言葉を毛嫌いする人もいますが、絶対この世から払拭できるものではないのです。

 理想主義

 可能性の上にいつも自由な発想ができる。他の動物にはできない人間だけの特権です。
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