Sightsong

自縄自縛日記

シカゴ・トリオ『Velvet Songs to Baba Fred Anderson』

2017-03-18 09:41:30 | アヴァンギャルド・ジャズ

シカゴ・トリオ『Velvet Songs to Baba Fred Anderson』(RogueArt、2008年)を聴く。

Ernest Dawkins (ss, as, ts, perc)
Harrison Bankhead (b, cello)
Hamid Drake (ds, frame drum) 

本盤が発表されたのは2011年。その前年にフレッド・アンダーソンが亡くなっており、かれに捧げられたアルバムである。録音は2008年のことであり、アンダーソンばかりを意識しての演奏ではなかったに違いない。とは言え、アンダーソンが経営していたシカゴのヴェルヴェット・ラウンジでのライヴであり、ここでサックスを吹いているアーネスト・ドーキンスに、同じAACMの大先輩アンダーソンが与えた影響が小さかったわけはない。

アンダーソンのサックスには、音とフレーズの止めどないだだ漏れを恐れない、得体の知れぬ魅力があった。ドーキンスのサックスはそこまで人外の領域にはないものの、いままでの印象以上に多彩。アリ・ブラウン、ハナ・ジョン・テイラー、アンドリュー・ラム、チコ・フリーマンら、シカゴ・サックスに共通の渋いエネルギッシュさがあって、このようなスタイルは本当に好きである。「Down n' the Delta」では「聖者が街にやってくる」をサックス2本吹きで延々と披露するなどの過剰ぶりも素晴らしい。CD2枚分の間吹きまくりだ。

ハリソン・バンクヘッドは情熱的に弾き続け、ハミッド・ドレイクはいつもの乾いた音を鋭く発している。こんなトリオをシカゴで観たい。

●ハリソン・バンクヘッド
ジョージ・フリーマン+チコ・フリーマン『All in the Family』(2014-15年) 
ブッチ・モリス『Possible Universe / Conduction 192』(2010年)

●ハミッド・ドレイク
イロウピング・ウィズ・ザ・サン『Counteract This Turmoil Like Trees And Birds』(2015年)
ジョージ・フリーマン+チコ・フリーマン『All in the Family』(2014-15年)
マット・ウォレリアン+マシュー・シップ+ハミッド・ドレイク(Jungle)『Live at Okuden』(2012年)
ウィリアム・パーカー『Essence of Ellington / Live in Milano』(2012年)
ブッチ・モリス『Possible Universe / Conduction 192』(2010年)
サインホ・ナムチラックの映像(2008年)
デイヴィッド・マレイ『Saxophone Man』(2008、10年)
デイヴィッド・マレイ『Live at the Edinburgh Jazz Festival』(2008年)
デイヴィッド・マレイ『Live in Berlin』(2007年)
ウィリアム・パーカー『Alphaville Suite』(2007年)
ウィリアム・パーカーのカーティス・メイフィールド集(2007年)
イレーネ・シュヴァイツァーの映像(2006年)
フレッド・アンダーソンの映像『TIMELESS』(2005年)
ヘンリー・グライムス『Live at the Kerava Jazz Festival』(2004年)
ウィリアム・パーカー『... and William Danced』(2002年)
アレン/ドレイク/ジョーダン/パーカー/シルヴァ『The All-Star Game』(2000年)
ペーター・コヴァルト+ローレンス・プティ・ジューヴェ『Off The Road』(2000年)
ペーター・ブロッツマン『Hyperion』(1995年)


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