Sightsong

自縄自縛日記

趙暁君『Chinese Folk Songs』

2017-06-10 12:56:17 | 中国・台湾

趙暁君『Chinese Folk Songs』(AKUPHONE/原盤FOUR SEAS RECORDS、1968年)を聴く。

それにしてもこのようなレコードを復刻するなんてフランス恐るべし。このAKUPHONEは、その後、江利チエミだとかスリランカ音楽のコンピレーションだとかを出していて、奇特なレーベルである。わたしはアナログLPを入手した。歌詞が英訳されていて仕事が丁寧。

趙暁君(Zuao Xiao Jun)は1948年生まれ。ライナーノーツによればたいへんに苦労した人生を送った歌手のようだ。19歳のときに家族の問題で大学に通うことを諦め、台北のキャバレーで歌い始めた。流行歌は外省人の持ち込む中国や香港のものが多かったが、50年代には台湾自身の歌が増えてきたという。その後シンガポールに移り、そこでも人気を博した。それゆえ1962年からスタートした台湾でのテレビ放送でも声がかかりヒットするが、人間関係に苦しめられた。そのためか、笑わない「氷の女王」とも呼ばれた。25歳で結婚するが母親からの金の無心に悩まされアメリカに逃げるも、夫の交通事故もあり破局。また台湾で母親の借金を返済する日々。2回目の結婚は相手の女道楽が過ぎて失敗。家を売ろうとしたが失敗して借金。声を失いもした。18年間の暗闇を経て、キリスト教への帰依で自身を取り戻した、とある。

歌は底抜けに明るいようなものではないが、そこまでの闇を感じさせるものではない。もちろん中国風の声を高く上げるような歌唱がありつつ、微妙に弱く、微妙にヴィブラートがかかった歌声はとても良い。サウンドも面白くて、台湾のフォークソング「Mountain Girl」では台湾内でのオリエンタリズム的な野蛮な声が挿入されたり、モンゴルのフォークソング「Little Cowherd」もまた偏ったイメージを出してくる。今となっては奇抜でサイケデリックで愉しいものだ。ジュディ・オング「たそがれの赤い月」のカヴァーもあり、それはジュディよりも声の力が押し出されている感じ。

>> AKUPHONEのサイト(「たそがれの赤い月」の動画がある)

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