Sightsong

自縄自縛日記

高嶺剛『変魚路』

2017-02-24 07:54:12 | 沖縄

イメージフォーラムにて、高嶺剛『変魚路』(2016年)を観る。あぶないあぶない、終わってしまうところだった。

いきなり流れる唄は嘉手苅林昌の「時代の流れ」、そしてリーフを画面のかなり上に平行に配して、手前には、なにやらヘンな挙動をする平良進と北村三郎。映画の総合プロデューサーをつとめた岡本由希子さんに、沖縄芝居のふたりの凄さを吹き込まれていたのだが、確かにとんでもなくヘンである。

ヘンだといえば、大城美佐子の佇まいもヘンだ。海辺に立って、ときには分身したりもして、何なのかわからない。もちろん「ヤッチャー小」や「白雲節」など、アルバム『絹糸声』に収録された美佐子先生の唄が流れてくると、嬉しさに打ち震えてしまう。そして買喰をして酢昆布をむさぼり喰う川満勝弘もヘン、生命力の有無の隙間を浸食する愛人3人組もヘン。

ことばもヘンである。メリケン粉に偽装して置いてある媚薬「トットローB13」だとか、何やら爆発させる「島ぷしゅー」だとか、それらのヘンなことばが発声されるたびに脇腹あたりが痙攣して笑いだしそうになる。

『夢幻琉球・つるヘンリー』(1998年)もよほどヘンだと思ったが、この映画を観てしまうと、『つるヘンリー』すら模索過程の産出物だったのではないかと思える。高嶺剛は映画に回帰したのか、物語に回帰したのか、それとも映画と物語の放逐に回帰したのか。すさまじくヘンな映画を創ってくれたものだ。長いのか短いのかわからない、朦朧とする時間だった。

●高嶺剛
高嶺剛『夢幻琉球・つるヘンリー』 けだるいクロスボーダー(1998年)
高嶺剛『パラダイスビュー』(1985年)
沖縄・プリズム1872-2008(高嶺剛『オキナワン・ドリーム・ショー』1975年)

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4 コメント

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観たいのですが (ひまわり博士)
2017-02-24 20:32:59
けーし風の集いで、Mさんが変な映画だと言っていたので是非観たかったのですが、イメージフォーラムでは今日までだったようで。残念。
Unknown (24wacky)
2017-02-24 22:28:52
この映画は合法的なドラッグですから。
桜坂 (齊藤)
2017-02-24 22:49:17
ひまわり博士さん、
桜坂劇場で始まりますよ、ぜひ那覇へ!
ドラッグ (齊藤)
2017-02-24 22:51:25
24wackyさん、
すっかりトットローB13にやられました。しかし夜に疲れ果てて観たのに眠らなかったのはやはり覚醒効果。

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