Sightsong

自縄自縛日記

『Tribute to Albert Ayler / Live at the Dynamo』

2013-03-02 12:46:50 | アヴァンギャルド・ジャズ

『Tribute to Albert Ayler / Live at the Dynamo』(Merge、2008年)を聴く。

その名前の通り、アルバート・アイラーに捧げられた演奏である。

Roy Campbell (tp, pocket-tp, bamboo-fl, recorder, vo)
Joe McPhee (ts, pocket-tp, vo)
William Parker (b, vo)
Warren Smith (ds, perc, vo)

喉の震え、骨や肉の震え、感情の昂りの発露といったものを表出する肉声を、サックスの音に引き寄せた音楽家が、アイラーだった、と、わたしは思いこんでいる。

ここで演奏するジョー・マクフィーも、そのようなアイラーの音にやられてしまった経緯があるようだ。インタビューによると、8歳から28歳まで(!)、トランペットだけを演奏していたのだという。それが、今では、むしろサックスプレイヤーとしての面が目立っている。今年1月に来日したときの演奏には、感極まってしまった。

勿論、アイラーの音を真似するような存在ではない。彼のテナーの音は、朗々とブルージーに鳴る。

この演奏は、おそらくロイ・キャンベルの「Music is the healing power of the universe ...」という言葉からはじまる。やがてマクフィーのテナーが入り、ウィリアム・パーカーのベースが入ってくる。

それにしても、パーカーのベースはやはり素晴らしい。2曲目の底知れぬ悦びのようなイントロから驚かされてしまう。

●参照
ジョー・マクフィー+ポール・ニルセン・ラヴ@稲毛Candy
ウィリアム・パーカー+オルイェミ・トーマス+リサ・ソコロフ+ジョー・マクフィー+ジェフ・シュランガー『Spiritworld』
ジョー・マクフィーの映像『列車と河:音楽の旅』
ジョー・マクフィーとポール・ニルセン・ラヴとのデュオ、『明日が今日来た』
ダニエル・カーター『The Dream』、ウィリアム・パーカー『Fractured Dimensions』
ウィリアム・パーカー『Luc's Lantern』
ウィリアム・パーカーのベースの多様な色
ウィリアム・パーカーのカーティス・メイフィールド集
ジョー・ヘンダーソン+KANKAWA『JAZZ TIME II』、ウィリアム・パーカー『Uncle Joe's Spirit House』 オルガン+サックスでも随分違う
ブラクストン、グレイヴス、パーカー『Beyond Quantum』
エバ・ヤーン『Rising Tones Cross』(ウィリアム・パーカーが語る)
ESPの映像、『INSIDE OUT IN THE OPEN』(ウィリアム・パーカーが語る)
セシル・テイラー『In Florescence』(ウィリアム・パーカー参加)
サインホ・ナムチラックの映像(ウィリアム・パーカー参加)
ペーター・ブロッツマン(ウィリアム・パーカー参加)
セシル・テイラーのブラックセイントとソウルノートの5枚組ボックスセット(ウィリアム・パーカー参加)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。