Sightsong

自縄自縛日記

<浅川マキに逢う>ライブ&上映会@西荻窪CLOPCLOP

2017-07-11 07:35:53 | アヴァンギャルド・ジャズ

Eiichi Hayashi 林栄一 (as)
Akihiro Ishiwatari 石渡明廣 (g)

山崎幹夫さんによる浅川マキのライヴ映像を観るために、西荻窪のCLOPCLOPに足を運ぶ(2017/7/10)。

山崎さんより短いお話があった。CLOPCLOPが新宿蠍座を彷彿とさせること。文芸座ル・ピリエはかつて文芸地下劇場であったこと。ヴィデオカメラを持っていたら、浅川マキに突然命じられ、原田芳雄がル・ピリエの階段を降りる場面を撮影する羽目になったこと。その後、マキさんの映像を何度も撮ったのだが、ある日、いきなりそのヴィデオテープがすべて山崎さんのもとに返送されてきて、マキさんにその理由を訊いてもよくわからなかったこと。

上映前には、林栄一・石渡明廣による短い演奏があった。至近距離で聴くと、林栄一のアルトの音圧が半端ない。音がでかいというよりも、独特の倍音が鼓膜のある箇所を刺激するようなのだった。まるでトレーラーがエッジを露わにしてガチで衝突するような感覚である。

映像は、1993年12月28日、文芸座ル・ピリエでのライヴ。『黒い空間』の1年後である。

冒頭の「アメリカの夜」、いつものようにセシル・モンローとのデュオ。シンプルで重いモンローのスティック、やはりじいんとしてしまう。

続く「暗い眼をした女優」で、渋谷毅、川端民生、林栄一の面々が入ってくる。会場にはその林さんがいて、渋谷さんも観に来ている、不思議な感覚。懐かしい川端さんのグルーヴ、ぎゅわぎゅわと乱暴に入ってくる渋谷さんのオルガン。「こころ隠して」での林さんのソロが凄い。凄いのだが、いまの林さんの方が遥かに凄い(わたし自身も、90年代には可愛いアルトの音にあまり馴染めなかった)。

「夕暮れのまんなか」。「町の汽船」。渋谷さんとの「無題」、「マイマン」。「都会に雨が降るころ」、川端さんのベースも、林さんがマキさんの声とユニゾンで吹くアルトも良い。次の「セント・ジェームス医院」も、林栄一が吹いているとなんだか不思議である。録音すべきだったのに。

「あんな女は初めてのブルース」。ここにきてマキさんは共演者たちに全幅の信頼を置くように、酔ったように弛緩している。そういえばライヴではいつもそうだったかもしれない。昂揚したように、「それはスポットライトではない」を歌おうと思ったけれど、と呟いて、「あの人は行った」。前年の『黒い空間』における歌唱よりも崩している。そしてアンコールは川端さんのベースをバックに「ナイロン・カバーリング」。

感傷的になるのは仕方がない。

●浅川マキ
浅川マキ『Maki Asakawa』
浅川マキの新旧オフィシャル本
『浅川マキがいた頃 東京アンダーグラウンド -bootlegg- 』
『ちょっと長い関係のブルース 君は浅川マキを聴いたか』
浅川マキが亡くなった(2010年)
浅川マキ DARKNESS完結
ハン・ベニンク キヤノン50mm/f1.8(浅川マキとの共演、2002年)
浅川マキ『闇の中に置き去りにして』(1998年)
『浅川マキを観る vol.3』@国分寺giee(1988年)
『山崎幹夫撮影による浅川マキ文芸座ル・ピリエ大晦日ライヴ映像セレクション』(1987-92年)
浅川マキ『アメリカの夜』(1986年)
浅川マキ+渋谷毅『ちょっと長い関係のブルース』(1985年)
浅川マキ『幻の男たち』 1984年の映像
浅川マキ『スキャンダル京大西部講堂1982』(1982年)
浅川マキ『ふと、或る夜、生き物みたいに歩いているので、演奏家たちのOKをもらった』(1980年)
オルトフォンのカートリッジに交換した(『ふと、或る夜、生き物みたいに歩いているので、演奏者たちのOKをもらった』、1980年)
浅川マキ『灯ともし頃』(1975年)
『恐怖劇場アンバランス』の「夜が明けたら」、浅川マキ(1973年)
宮澤昭『野百合』(浅川マキのゼロアワー・シリーズ)
トリスタン・ホンジンガー『From the Broken World』(浅川マキのゼロアワー・シリーズ)

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