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横山秀夫『ルパンの消息』

2017年07月14日 21時15分31秒 | 文学
横山秀夫『ルパンの消息』(光文社文庫)を読んだ。
よくできたミステリーを読み終えると、誠実に付き合ってきた人に裏切られたような気分になる。
あなたがそんなに安っぽい人だとは思わなかった、あなたがそんなにミスリードする人とは思わなかった、あなたがそんなことで人を殺す人とは思わなかった、あなたがそんなに激昂する人とは思わなかった、などいろいろ思う。
簡単にいうと「騙された」ということなのだが、読み終わってみると、これまで生き生きしていた登場人物がただこれを隠すために生きていたんだと思うと悲しくなる。
横山秀夫はNHKのドラマ「64」を見たときに興味を持って、連続ドラマが終わるまでは読みたいと思っていたのだが、ドラマが終わって結末を知ってしまうと読むほどの興味を失ってしまった。
『ルパンの消息』も三億円事件も絡めてきて、とてもおもしろい。
高校時代の出来事と現在の描写が往復してわくわくする。
が、最後まで読み終えると「そんなことか」という気分になってしまう。
これはまあミステリーというのはそういうものと諦めるしかないのだろうな。

横山秀夫はおもしろいのでほかのものも読んでもいいと思った。
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