性犯罪報道と『オタク叩き』検証

大谷昭宏part17スレの138、siebzehn138による、海外情報等の補足。『オタク叩き』は性犯罪抑止にあらず。

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フィンランド憲法・『may be』、アイルランド憲法・『shall be』 (8月2日修正・追加)

2005-08-01 18:13:21 | 法律・条例
「フィンランド憲法では『青少年に有害な情報』は表現の自由の範囲外だ!」

と息巻いている方々がいるんですけど、英語読めますか?

違いますよ。

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駐日フィンランド大使館のサイトから、フィンランド法務省の憲法収録コーナーにリンクされているので、英語版から12条を引用。
Section 12 - Freedom of expression and right of access to information

(中略)

Provisions on restrictions relating to pictorial programmes that are necessary for the protection of children may be laid down by an Act.
まず、『青少年』ではなく、children =子供が対象です。全体の意味としては、
画像・映像を伴う番組や興行物に関して、子供には必要とされる制限を、法律によって課することができる。
要は映画やテレビに限られるんですわ。

(2005/08/02) 報告書にも12条前半部分の訳文がありましたので、こちらも引用。
フィンランド共和国憲法
第12条
何人も、表現の自由を有する。表現の自由は、誰にも妨げられることなく、情報、意見その他のコミュニケーションを表現し、流布し、および受領する権利を伴う。表現の自由の行使に関する詳細な規定は、法律で定める。子どもの保護のため必要な映像番組規制に関する規定は、法律により定める。
2 略
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中山団長 今日は、お忙しい中、ありがとうございます。情報公開制度、個人情報保護に関する制度のほかに、もう一点、テレビ番組などのうち青少年に対する有害な情報に対する規制についてもお話を伺いたい。

ヴァイスト委員長 それは当委員会の所管事項ではないが、できる限り、その問題についても説明をさせていただく。

(注・テレビ放送等に関する事項は、運輸通信委員会 (The Transport and Communications Committee) の所管事項である。)
以上は、衆議院・憲法調査会の議員団がフィンランドへ赴いたときの話。「所轄外だし、国会本会議中の忙しい時期だってのに、時間ないんだよこっちは」と内心イラついていたであろう、ヴァイスト国会行政委員会委員長。
(有害情報からの青少年の保護について)

ヴァイスト委員長
さて、先ほど中山団長からご要望のあった、マスコミからの有害情報に対する青少年保護の観点からの規制についてであるが、映画については、日本と同様、映倫があって事前に検査が行われ、何歳以下は視聴不可といった判断をしている。テレビ番組については、放映の始まる前に一部に残虐な映像が含まれている等のアナウンスがなされて、保護者に対する注意喚起がなされている。あるいは、何歳以下の者に対しては視聴不可であるとか、その番組を放映してもよい時間帯などについて規制がなされている。
憲法調査議員団海外派遣報告書・『衆議院EU憲法及びスウェーデン・フィンランド憲法調査議員団報告書』から引用したんですけど、ヴァイストさんはこの直後、部屋を出ちゃいました。

憲法では、『may be』として、法律による規制は『可能』、とはしていても、結局は業界側による、レーティング・ゾーニングに任せているわけで。

(2005/08/02) フィンランド政府国会行政委員会・運輸通信委員会、リンク追加。---

結局この人たち、何しに行ったんでしょうか?なお、フィンランド憲法第12条には、行政側の情報公開も義務付けられています。
Documents and recordings in the possession of the authorities are public, unless their publication has for compelling reasons been specifically restricted by an Act. Everyone has the right of access to public documents and recordings.

フィンランド共和国憲法
第12条

2 公共機関の有する文書および記録は、その公開がやむを得ない理由で法律により明示的に制限されていない限り、公開される。何人も、公の文書および記録にアクセスする権利を有する。 (訳文は議員団報告書より)
1999年に制定された政府活動公開法 (Act on the Openness of Government Activities) により、国籍を問わず、準備段階の文章であっても、32項目の不開示情報を除いて、フィンランド公文書の開示請求ができます。

(2005/08/02) フィンランド政府活動公開法についてリンク。---

「イギリスではすぐ逮捕です」 (3月11日 読売新聞 『大手小町・ミックスニュース』に再録)

と、アイルランド・コーク大学のエセル・クエール博士。あなたに言われても困るんですけど。

だって、イギリスの法律じゃ、漫画はそこまで規制しようがないもの(DVD・ビデオジャケット表側に、マークが記載されるほど、映画や映像ソフトのレーティングは厳しいけど、業界の自主規制による)。アイルランドの憲法と法律でならできますが。

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まずは、アイルランドがイギリスから独立した国であるということを踏まえてください。なんと、独立前にイギリスで制定された古い法律が、本国ではとっくに廃止された今でも、アイルランドでは施行されてんですよ、マジで。Child pornography =児童ポルノの規制に関わる法律には、最も古いもので1824年制定の『浮浪者規制法』(公共の場で、わいせつ図画・文書を売って生計を立てることを禁止する項目がある)が含まれています。

直接に児童ポルノを規制する法律、"The Child Trafficking and Pornography Act" の中でも、"Obscene Publications Acts" (わいせつ禁止法)から、イギリスではすでに廃止されている1929年制定分と、自国での1967年制定分を、出版物の規制基準として明示しています。

(イギリスでは1959年、1964年の制定分を施行しているが、適用されるケースは減っている。) 『冒涜的、扇動的、破廉恥な言論・出版物は、法律によって罰せられる』と、アイルランド憲法(第41条6-1-i)に明記されているからです。
The publication or utterance of blasphemous, seditious, or indecent matter is an offence which shall be punishable in accordance with law.
問題は、文中の『shall be』。フィンランド憲法第12条にて、子供に対してのみ映画・テレビ番組等の視聴を制限する法が『制定できる』とする『may be』とは違い、より強制力を持つ言葉です。

ちなみに、毎日新聞のWEB上の記事では、3月5日にECPATが主催した『インターネットと子どもポルノの被害』(国連大学 ウ・タント国際会議場)にて、『赤ちゃんの頭に大人の体を合成した』、『赤ちゃんの手にガラガラの代わりに男性器を持たせた』写真を『児童ポルノ』として、クエール博士は紹介したそうです。

が、それは複数の子供の写真を合成して被写体を特定できないようにする、あるいは被写体の年齢を偽った、という本来の意味でのバーチャル児童ポルノの意義からも外れています。

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なお、アイルランド・イギリスともに、児童ポルノの単純所持(PC内外の記録媒体をも含む)は違法であり、民間ホットライン(インターネット監視団体)による摘発も行われています。---

もしかして、『インターネットの情報を規制しろ』と言う連中は、海外の法律等に関する正しい情報も遮断したい、とか思ってるんじゃないか?

英語教育すら、『敵性言語』だと規制した太平洋戦争中じゃあるまいし。

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(2日、英語の誤記等ちょこちょこ修正。昨夜は日本語を修正してもサーバーにうまく反映されんかった。)
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