ロットン虫採り放浪記

日記、放浪記、標本紹介

スピニ(トゲウスバカミキリ」) と ブンギ(クロジャコウカミキリ)

2016-07-26 22:55:57 | 日記

今年の元旦に淡路で採取したソヨゴ材から待ちに待った
スピニ(トゲウスバカミキリ)が出てきてくれました!(^^)


トゲウスバカミキリ
Spinimegopis nipponica nipponica (Matsushita, 1934)
2016・7・1羽脱

体長約35ミリとまずまずのサイズ。

以前に四国産のスピニが出たけど、本当に小さかったからなぁ~(24ミリほど)


前胸4角のトゲとタダウスバ(ウスバカミキリ)に比べて
体色が薄く全体的に黄褐色なのが特徴。

この個体は♂なので、次は♀が出てきてくれると嬉しんだけどな~・・・



 
で、スピニが出てきてくれた次の日、今年はどうしてもギガンティア(オニホソコバネカミキリ)
♂が採りたかったので(♀は採集済み)関西の有名ポイントに2年ぶりに行くことにした。

と、その前に・・・

どうせ関西方面にいくなら・・・ということで
ここ最近、大阪で発生が確認された外来種アロミア・ブンギ「クロジャコウカミキリ」を狙うべく
早朝に大阪へ・・・
今回は先週見事にブンギをゲットされたechanさんと大阪のブンギポイントで合流、
eichanさんがゲットされた有料公園は9時から開園なので、それまでもう一か所のポイントヘ・・・
ただこのポイント、住宅街のど真ん中にあり桜の数も十数本、
10分もあれば回れてしまう。


Pohto by eichanさん

誰かが切ったと思われる桜の太い枝の切り口。

それにしてもこの太い食痕、こりゃ枯れるわな~

ブンギを見つけられないまま、何周しただろうか・・・



クロジャコウカミキリ
Aromia bungii

何度も見たはずなのに、いきなりいた!

飛んできたとは考えにくいので、羽脱した直後かもしれない。

グロスの効いた黒いボディに、鮮やかな赤い前胸
なんとも異国情緒なカミキリである。

そして強烈なジャコウ臭、なぜか服にまで匂いが付いてしまった。

結局、この1頭だけしか見つけられず、時間もきたので
次に有料公園内へ・・・

公園内はさらに桜が少なく、アっという間に回れてしまった。

見つけられないまま、一番奥の最後の桜に望みかけてを見てみると・・・


いた~~!

先ほどの個体より小振りだが長い触角が見事な♂だ!

もう採った気になっていたがこの後、悪夢が!

一通り撮影して、さぁゲット!と手を出した瞬間、
ヤツは落下し空中で翅を広げ、飛び去ってしまった・・・

あぁ~ブンギ何処へ~!(T_T)/~~~

撮影優先で採り逃がすとは正に愚の骨頂である・・・

eichanさんからも「も~何やってるの!ドンくさ~」と言葉をいただいたのであった(涙

傷心のままブンギポイントを後にし、ギガンポイントへ・・・

が、現地に来ていたムシ屋さんの話では今日は誰もギガンを
見ていないとの話であった。

どうも今年はギガンの発生のピークが6月20前後と
異常に早く、7月上旬はすでに終了モードといった雰囲気であった。

結局1時間ほど探策して終了~・・・

ギガン♂はまた来年の課題ということで・・・


eichanさん お疲れ様でしたm(__)m

ブンギポイントを案内していただき本当にありがとうございました!(^^)



6/18   5年越しの課題  IN 岐阜

2016-07-05 23:22:46 | 日記

とあるカミキリを真剣に探し始めて5年の
月日が流れてしまった。

カミキリを始めた頃、そのカミキリの存在を知った僕は
自分にこんな格調高いムシが採れるはずがない・・・と初めはまともに探しもしなかった・・・

が、しかし時が経つにつれそのカミキリへの憧れは
日に日に強くなっていった。

それから5年間、長野、岐阜の針葉樹の亜高山帯に出向き
時に藪漕ぎし、時に足を滑らせ無数のすり傷を作りながら必死に針葉樹立ち枯れを
見て回ったがそのカミキリにはかすりさえもしなかった。・・・

そのカミキリとはズバリ「アラメハナカミキリ」。

この5年間でアラメについて自分なりにいろいろ調べてみたが
、発生は6月頃で、早いと5月下旬から出ているようだ。

これまで7月中旬以降が良いと勝手に思い込んで
いたためピークを毎年逃していたらしい。

それに梅雨の真っただ中で、土日に運よく晴れとなるのも
なかなかないのだが、この日1日だけ晴れマークで次の日曜は雨という予報!

これはまたとないチャンス!、ということで今年は去年より2週早く
針葉樹の亜高山帯へ行くことにした。

今回、ご一緒してくれるのは、若手虫屋さんのT君。
関西出身のT君にとってもアラメハナは憧れなのだそう^^

針葉樹立ち枯れ回りは昼からが勝負ということで、
午前中はもう1つの課題であるシナノラギ「シナノエゾハイイロハナカミキリ」を狙うことにした。

標高をグーンと上げて・・・

「秘密のポイントのため、景観や建物の写真などは控えさせていただきます
ご了承くださいませm(__)m」


道路脇にトウヒ?と思われる長さ60センチほどの丸太が転がっていたので
試しに樹皮をめくってみると・・・


そこにはラギウム系の幼虫が高密度で樹皮下を食っていた。

シナノラギかそれともタダラギ「ハイイロハナカミキリ」か、どちらに化ける
のか分からないが数頭持ち帰って飼育することにした。

と、その時!T君が自分のズボンに偶然に止まっていた
シナノラギを早々にゲット!

こんなことあるんだ!

その後、T君のおかげで僕もシナノラギを手にすることができた。


シナノエゾハイイロハナkミkリ
Rhagium heyrovskyi hayakawai Takakuwa,1984

約10年ぶりの再会。

タダラギより一回り大きく、体色もタダラギが黒っぽいのに対し
ピンクがかった灰褐色でどちらかというとニセラギ「ニセハイイロハナ」に近い感じ。


さらに奥へ行ってみると大きなトウヒと思われる伐採僕を発見。


ここにも数頭のラギウム系の幼虫を確認。この写真の幼虫を持ち帰ることにした。

さて!時間も昼を過ぎた頃、いよいよ今回の大本命を探すことにしよう。

事前情報や良さげなポイントを3か所に絞り、先ず第1ポイントへ・・・

そして笹薮をかき分け、大きな針葉樹立ち枯れの前に来た瞬間であった・・・

T君がいきなり「いたっ!」と大きな声を上げた。

次の瞬間、僕の目の前をチョコマカ動き回るムシ影が!



アラメハナカミキリ
Sachalinobia rugipennis koltzei Heyden,1887

いてくれて本当に・・・ありがとう・・・

5年間、探し続けた憧れのアラメをようやく手にすることができた!

それにしてもこの黒鉄色のボディに上翅に刻まれた無数のシワ、それと1対の黄色の帯状紋、
まさに自然が作り出した造形美、実に素晴らしい・・・。

T君はこの時、産卵中と思われるアラメの♀をゲットしていた。

次に第2ポイントへ・・・

ここでさらに♂を3頭追加することができた。

まだ♀を採っていない僕は最後の望みをかけて第3ポイントへ・・・

針葉樹の立ち枯れを1つ1つ丁寧に見ていくと・・・

そこには産卵場所を探してゆっくり歩くアラメハナの大きな♀がいた・・・


アラメハナカミキリ♀

♂と比べて、二回り以上デカい!この♀は体長が22ミリもあった。

がしかし、この後T君はさらにデカい♀をゲットしていた。25ミリ近く
あるんじゃないだろうか!?

上には上がいるものである。

最終的にT君と2人で計12頭ものアラメを採ることができ
正に夢のような1日であった。


 
今回のアラメ採集にあたり、ポイントやアドバイスを下さったM.Tさんに感謝いたします。
ありがとうございましたm(__)m

 
T君 お疲れ様でした! また 行こうね~(^^)