Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。体力作り、俳句、山行、美術館・博物館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。

「応仁の乱」(呉座勇一)

2017年05月05日 20時55分44秒 | 読書
   

 「応仁の乱-戦国時代を生んだ大乱」(呉座勇一、中公新書)を読み終わった。
 応仁の乱については、中学・高校で習った時は複雑で、よく理解できない構図でウンザリしてしまい、それ以来敬遠してきた。ほとんど意識の外にあったと思う。
 この書は興福寺の支配がつよい大和の国の、興福寺大乗院別当の尋尊と、大乗院門跡の経覚という摂関家の貴族出身の二人の僧の日記をもとにして、大和の国からの視点で応仁の乱の全体像を叙述している。なかなか説得力のある分析と叙述であると思った。
 歴史学は読むだけの私には、評価については出来るわけもないが、楽しく読んだことは確かである。
 方法論や叙述についてはなるほどと思ったが、違和感があるとすれば、戦後の歴史学を大きくリードしてきた「マルクス流の発展段階論」への著者の嫌悪に近い批判の仕方。「マルクス流の発展段階論」や「民衆が~」史観に違和感を持つのは自由であるが、アンチ「マルクス理由の発展段階論」やアンチ「民衆が~」史観が、いたるところで顔を出すことに違和感がある。その史観の功罪はいろいろある。しかし戦後をリードしてきた根拠もあるはずである。功罪、キチンとした評価が私などにはほしいと思う。それは拙速に結論を出してしまうのも危険である。
 党派性に党派性を対峙しても、それは党派同士の空中戦で終ってしまう。叙述や分析について具体的に優れた視点と敷衍をしていけばそれで凌駕できればそれでいいのである。これだけは違和感として残った。
『本』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 「「事実」の危機」(高村薫) | トップ | 謡曲「海士」を読む »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事