Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。体力作り、俳句、山行、美術館・博物館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。

安野光雅「きりえ百首」から -4-

2017年03月21日 20時12分15秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
★たとえば君 ガサッと落葉をすくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか    河野裕子

★もろともに冬幾たびを籠りつつきみこそもつと知りたきひとり    今野寿美


   


 河野裕子は1946年生まれの歌人。最初に取り上げた道浦母都子と同世代といえる。
 今野寿美は1952年生まれの歌人。私のと同世代である。

 「さらつて行つてはくれぬか」というとき、自己を投げ出してすべてを投げ出す、というのではないと私は感じる。そこに至るまでには実に多くの選択や、自問自答や、主体へのこだわりが転がっている。
 男にとっても女にとっても、「この選択がすべて」と思い至ったとき、あとはお任せで行きていく覚悟が下敷きになっている。その判断のタイミングと思い入れの強さの波長が合わなければまた、仕切り直しなのかもしれない。
 そして相手への思いが強ければ強いほど、幾年を経ても相手を知り尽くしたい欲求がつのる。この知り尽くしたい気分もまた、相手との相互作用のなかで、複雑な展開も見せる。
 この関係はどこまでいっても解けることのないものであるらしい。
 安野光雅のきりえ、今野寿美の歌に合わせた白い山々の風景が、歌った人の心にひょっとしたら吹いているかもしれない満たされない隙間風を連想させる。

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