Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。体力作り、俳句、山行、美術館・博物館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。

「鈴木其一展」後期展示(その1)

2016年10月16日 18時35分44秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
   

 「鈴木其一展」の後期展示を14日(金)に見に行った。「夏秋渓流図」や「風神雷神図襖」、再度感想を書いてみたい「朝顔図屏風」などの前にいくつかの作品の感想をまずは書いてみたい。
 実は「藤花図」はいくつか作品がある。前期展示の時に青紫の「藤花図」を見てとても気に入った。感想を書こうとして図録を見た時、隣に赤紫と白の「藤花図」が掲載されており、これは後期展示となっていた。図録では同じ大きさになっていたので、両者を比べて感想を書いた方がいいのかと思った。
 後期展示でこの白と赤紫の藤花図を危うく見過ごすところであった。青紫の藤花図と同じ大きさだと思い込んでいたので目に入らなかった。
 青紫の「藤花図」は縦100.8×横35.9cm。白と赤紫の「藤花図」は88.6×29.7cm。ひとまわり小さかった。頭の中では対になる作品だと思い込んでいた。そしてよく見ると署名と落款が違っていた。解説を読むと白と赤紫の藤花図の方がどうも晩年の作品のようである。思い込みというのがいかに危険なことであるか、思い知らされた。
 両者を比べると、共に輪郭線を描かずに房の柔らかさ、質感をかなり意識しているようだが、私はどうしても青紫の藤花図の方に惹かれる。
・蔓が房の下端を超えて垂れ下がる様、房をのびのびと巡る様がのびやかで空間の広がりを感じさせる。
・青紫の花に四つほど微かに赤紫の花が混じっていてこれが房を柔らかく膨らませて見せる効果がある。
・蕾から少しずつ咲くのでなく、蕾のすぐ上から花が開ききっていることが、花と蕾の色の対比を極端にしており、花の開いた房をより大きく見せている。次第に開いていく白と赤紫の藤花図より、房の柔らかさ、豊かさの表現としてはより効果的に思えた。
・上端の葉が横に広がっていて、藤の木全体がより大きく感じられる。
 解説によるとこのように長い房をつける種類もあるようだが、其一は鈴木家にとってゆかりの藤の造型を楽しんだのではないか。

 そんなことを考えながら、藤花図を楽しんだ。
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4 コメント

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Unknown (コロコロ)
2016-10-19 10:35:35
私は、白と赤紫の方が好きでした。それぞれの好みですね。2房のフジの間の白花がいいなぁと。あるのかないのか遠目ではわからないけど、それによって、奥行きへの遠近に深みを増し、また単一でない白のグラデーション表現が、さらなる深みに。画面奥への表現を深めていると思いました。そうそう、コンパクトなはずの赤紫の軸が、8mの巨大掛け軸になってますよ~(笑)

そしてこれよりも心をとらえられた出光の《藤花図》でした。
コロコロ様 (Fs)
2016-10-19 17:20:52
白と赤紫の藤花図、なるほどそのような見方がありましたか。なるほど勉強になりました。ありがとうございます。

出光美術館にそのような巨大な「藤花図」がありましたか?
今度出光美術館に行ったときに探してみましょう。
Unknown (コロコロ)
2016-10-19 20:20:36
巨大掛け軸は、白と赤紫の「藤花図」が886×297cm。横幅約3m 長さ約8mになっております(笑)

出光の藤は、図録のp84《藤花図》ですが、展示替だったでしょうか? 仏間の襖絵で、臨終間際に往生できるように依頼したとか・・・
ようやく理解しました (Fs)
2016-10-19 20:49:46
ご指摘ありがとうございました。
幾らなんでも巨大すぎますね。
感謝です。
早速訂正しました。

お恥ずかしいm(__)m

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