Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。体力作り、俳句、山行、美術館・博物館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。

「望岳」(加藤楸邨)より 2

2017年05月19日 10時36分24秒 | 俳句関連
遺句集「望岳」から

★友となり妻となり亡くて牡丹となり     (平成2(1990年))
★過去といふもの雪夜となればふくらみ来   (同上)
★寒雷や在りし日のこゑうしろから      (平成5(1993)年)
★顔かげる雛や近づく低気圧
★咲くまへのさくらの音をさぐりをり
★笹鳴のもうひと息がなききれず
★年賀やめてちいさくなりて籠りをり


 書き忘れていたが、「望岳」は加藤楸邨の没後、大岡信が選句した遺句集である。加藤楸邨が亡くなったのは、1993(H5)年7月。その前の1986(S61)年1月に知世子夫人が亡くなっている。
 第1句、妻を偲んだ句。
 第2句、雪の夜にひとり夜の闇と寒気を背中に負いて、物思いふけると、過去の自分のことが思い出されてくる。忘れたいこと、忘れられないこと、忘れていたこと、頭の片隅に住み続けているものが覆い被さるように現在の私を追い詰める。「ふくらみ来」という結句にわたしは惹かれる。それは、雪の夜という静かで孤独な時間でなければやって来ない。
 第3句、「寒雷」は楸邨が主宰した俳誌である。同時に加藤楸邨の第1句集(1939年)の名でもある。多分第1句集のことをさすのであろう。そしてそれは知世子夫人とも切り離せないものであったのであろう。
 第6句、笹鳴は冬のウグイスの舌打ちするような鳴き声。雌雄ともに同じように鳴く。

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