鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

甲州街道を歩く-小仏から藤野まで その11

2017-05-12 06:07:21 | Weblog

 

 赤鳥居を潜り長い石段を上がって行くとお寺の仁王門のような門があり、それを潜ってまた急勾配の石段を上がると、上がりきった正面に見事な透かし彫りの施された立派な社殿がありました。

 石段を上りきった両側には「永代常夜燈」があり、「明和三丙戌」と刻まれています。西暦では1766年。

 境内には「従軍紀念碑」もありました。

 「由緒」を見てみると、元は町の下方の相模川の近くに鎮座していた古社を天和2年(1682年)に現在地に移し、元禄年間に社殿境内地が整ったという。

 明治37年(1904年)に火災により社殿が焼失し大正3年(1914年)に本殿が再建されたとのこと。拝殿は昭和24年(1949年)に再建されています。

 社殿はそれほど古いものではありません。

 境内には熊野神社・天神社・客神社も一つの社になって鎮座しており、また洞穴のようなところに「幸の神」(さいのかみ)も祀られています。

 大きな舞台もあり、これも1階から2階の舞台に上がる階段のある立派なもので、社殿再建時にはかなり費用を掛けたものと推測されました。

 社殿前から、石段ではなく坂道を下って行くと、途中に「与瀬神社・陣馬山 慈眼寺・相模湖駅 与瀬遊覧道路・小原宿」と記された案内板がありました。

 またその近くからは、眼下に慈眼寺の墓地と中央道越しに相模湖町(かつての与瀬宿)、その向こうに相模湖、さらにその向こうには津久井の山々を望むことができました。

 この眼下に湖面が見える相模湖は戦後まもなく相模ダムが完成したことによって出来たもので、それ以前はここからは湖底に沈んだ勝瀬地区が見えました。

 参道を戻り、通りに出たのが13:46。

 そこには先ほど気付かなかった「縣下名勝史蹟四十五佳選當選記念 北相名社 與瀬神社 横濱貿易新報社」と刻まれた記念碑が建っていました。

 そこからいったん国道20号に出て右手へ分岐する幅が細めの坂道(舗装道路)に入ったのが13:52。

 そこを進んでいくとやがて左手の斜面に中央道と、その向こうの山のゆるやかな斜面に展開する集落が見えました。その向こうは重畳たる山並み。斜面は大部分が畑。山の日の当たる南側のゆるやかな斜面に畑が開かれていて、その間を突っ切るように中央道が走っています。

 道端にはかなり年月を経た「石地蔵大菩薩」や、「供養佛」「庚申塚」「廿三夜」と刻まれた石造物が並んでいて、この道が旧道であることを示しています。

 家庭ゴミ回収ボックスには「きれいなかんきょう 横橋自治会」とあり、このあたりが横橋地区であることがわかりました。

 しばらく進むと道端に「廿三夜」「南無阿弥陀佛」などと刻まれた石造物や石に掘られた庚申塚のような石造物が集まっているところがあって、この道筋にかつてはこういった石造物があちこちに点在していたのだろうと思われました。

 道がやや上り坂になるところに、両側に石垣があって、その段差にそれぞれ家が建っているところがあり、そこでたまたま出会った女性に「この道を行けば藤野駅の方へ行けますか」と声を掛けると、「この道は旧街道で藤野まで行けますよ」とのこと。

 やはりこの道が甲州街道であったのです。

 「けっこう起伏がありますね」

 と言うと、「起伏があるからバスは通ってなくて、子どもたちも歩いて小学校や中学校に通っています」とのこと。

 「けっこうあるでしょう」

 「駅(相模湖駅)に出るのも歩いて出て、買い物は電車で高尾や八王子に出ることもありますよ。小さい時から歩いているから、歩くのには慣れています」

 とのこと。かつては上野原に出ることも多かったらしい。

 「この道を歩くグループも時々見掛けます」

 旧道を探索しながら歩いている人たちが、最近は多いらしい。

 石垣の上には新しい家が建っていますが、かつては茅葺きの家が坂道の両側に段となって並んでいたのでしょう。

 基礎になっている石垣のおびただしい数の石は、おそらく相模川の河原あたりから運び上げたものではないかと思われました。

 その坂道を上がってしばらく進むと、「県立陣馬相模湖自然公園」と記された案内柱と「右与瀬宿 左吉野宿 甲州道中 橋沢」と記された道標が現れました(14:17)。

 

 続く

 

 

 

 

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