鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

江戸博の企画展「横山松三郎」について 最終回

2011-05-03 05:46:06 | Weblog
横山松三郎の企画展を観て気付いたことの一つは、松三郎自身を写した写真や自画像が多いということでした。カタログをみても、肖像写真(セルフポートレイト)を含めて自身を写した写真および自画像は、合わせて16枚ほど掲載されています。その中で最も古いもの(つまり彼が最も若い時のもの)は、作品番号1と2で、紋付羽織を着用し、頭髪はちょん髷です。しかし作品番号3や21になると総髪となっています。しかも洋装(シャツとズボン)。日光を撮影した時には、動きやすい洋装であったようだ。カタログ表紙の写真は、おそらく自身の写真館(通天楼)において、椅子に座って足を組み、両手を右足膝頭に伸ばしたポーズで撮った(撮らせた)もの。作品番号30がそれで、ほぼ同時期に写したのが作品番号31。明治5年(1872年)頃のもので、松三郎34歳頃のセルフポートレイト。最晩年のものが作品番号115と116で、これは彼が考案し、この頃多数作成した「写真油絵」になっています。そして亡くなったのが明治17年(1884年)のことでした。 . . . 本文を読む