週刊碁ブログ

編集・整理班が紙面にはできない小ネタを語ります。読んでも、たぶん強くはなりません。

両方一面

2012-03-21 04:07:20 | 整理・小瀬村(神奈川/蟹座/卒業生)
決まってしまいました。重なるときには重なるんですよね。

棋聖戦の方はフルセットなので、文字通り「おわり」。
女流名人戦はストレートでしたね。

扱いに困るのがこういう場合。棋戦の序列に沿って
判断すれば、1秒かからず棋聖戦が1面です。
でも5連覇も重い事実。実際、編集長は悩んでいました。

今回は、棋戦の序列に合わせて紙面を構成しました。
以下にお話しするのはその判断の根拠の一端とフォローです。

それをお読みになって〝アナタナーラドースル?〟

@@@@

週刊碁では、1面と終面ともにカラーで、終面については
20面から19面に読み進む特異なスタイルです。
これを本紙では〝両一面〟(両方一面)と見做しています。

ときに、「あれ、どっちの記事が一面かな?」と編集サイドが
悩みます。長くやっていても悩みます。
盤上にたとえると、右辺の打ち込みと左上のカカリのどっちが
最善の一手かな? と。
観戦記で「どちらも一局」みたいな書き方が散見されますが、
そんな状況でしょうか。

ここで一つ考慮に入れておかないといけないのが終面(20面)の
存在です。たいていは20、19面と読み進めています。
本紙をご愛読いただいている読者の皆様にはおなじみかと
思います^^

―――ここから脱線―――

雑誌や書籍とか、右開きとか左開きとかありますよね。
タテ書きは右開き、ヨコ書きは左開きになっていて、
前者は「月刊碁ワールド」、後者は「囲碁未来」です。

理屈としては、タテ書きは右上から読み始めて左下で
終わり(次のページに移動し)、横書きは左上から同様に。

横書きは昔は右からだったみたいで、そのあたりはとっても
浅学です。恥ずかしいので皆さんでお調べください。

ちなみに、日本棋院の扇子はやっぱり右から読みますね。
(と、トボケつつ販売につなげる努力……)

整理に来てから囲碁未来が横書き左開きになっているのに
あらためて驚きました。それまでは「そーなんだー」くらい
にしか気にしてなかったので。

なぜか。

新聞(週刊碁も一般紙)でも苦労していますが、それは棋譜の
存在です。
文字組みの段に合わせる際に、棋譜の大きさが問題になります。

前回のブログの付録で「棋譜の数字が大きくて見やすい」と
書きましたが、それはつまり、そう配慮しているのです。

週刊碁では、譜分けしたものでも総譜でも文字組みのベース
3段分になるようになっていて、読みやすさと制作の都合が
「幸せな結婚」(落としどころ)を見い出しました。

局面図や、参考図は手数が短いので、図が小さくてもそんなに
困らないので2段分のベースになります。
(ワイド面等で長手数はそういう理由であまりよくありません。
端的にまとめてくださいね。以上、業務連絡^^)

(脱線の中で脱線気味ですね。計画的に書いてないな……)

囲碁未来や中国の囲棋天地の横書きでも、雑誌の判型は縦
ですから、文字ベースは2段組みになります。参考図とかは
その1段に横サイズを合わせればそれでいいですが、
譜がメンドイ。3段組みにしてその2段を使うのが1案ですが、
今度は参考図が中途半端。苦労しているというか判型が小さいと
大変だな、とは週刊碁にいながら思います。

―――脱線から戻れなくなってます―――

もとい。

要するに、20面から19面に飛ばすのは、実は逆流なんですね。
20面からの3面態勢だとなおさら難しい。

向井3姉妹の長女・芳織先生(結婚されて苗字が変わって
いますが失礼^^)が入段し揃ったとき(17年の新初段シリーズ)
は、20面に座談会を企画し、18面から再度読み出す形でその
新初段シリーズの記事を組みました。
これならわかります。

ですが、1面に大特集を組んで動かせない時に、20面に七番勝負の
3面態勢の記事がくると困ります。
私の記憶だと2度ほど組んでいます。
先週の女流アマも20面から3面ですね。

これ、20、19、18面と続けるのもありますが、20、18、19面も
アリかもしれない。そもそも出発点が逆流なので、答えが
ないとも言えます(^^;平木菜織さん

やっとオチですが、一般紙はテレビ欄から4コマ漫画へと読み進める
私にはとっても自然なんです、というドウショモないオチ^^;では
それこそ仕方がありませんね。

書き出しの(もう忘れていそうですが)、棋聖戦と女流名人戦の
記事で組んだ写真の大きさを比べてみてください。
本紙を1面と20面をバンと開いて(2部購入してもいいですよ^^)。
こんな形で気遣いを入れてみました。

どうでしょうか?

3月19日発売(26日号)のラインナップです。

1、2、3面 棋聖戦七番勝負第7局

4、5、7面 棋戦ワイド・竜星戦

8面 依田紀基九段の上達術・本因坊列伝

9面 これぞプロ!

10面 はじめての手筋・二十五世本因坊治勲のお悩み天国「これが治勲のシノギ方」

11面 プロ・アマ名人戦・週刊碁的囲碁ガール・碁の句春夏秋冬

13面 認定

15面 NHK杯・1分の詰碁

16面 ベスポジを探せ・山城宏九段のヨセワン(最終回)

17面 アマ碁界ワイド

20、19面 女流名人戦三番勝負第2局
(こまかなメニューはごめんなさいです)

〈ふろく その1〉

20面の写真、いい写真ですよね。同じ構図のもう1葉もあるのですが、
表情は掲載したものの方がいい。

これ、初校から印刷まで1回も差し替わっていません。
ですが、最初は「これ使うんですか。それは……」という声が少々
出ていました。

でも、頑固なんです。この写真を使うと決めたら初恋を貫徹するが
ごとき(ぬあんて恥ずかしい表現なんだ)。

あの手この手を駆使して問題ない状態まで持っていきました。
(私は対応策の発案だけですけど)

紙面をジーっと眺めているとわかるかもしれません。見つめ合って
くださいね^^

〈ふろく その2〉

今週から始まりました依田九段の新講座。ツイッターでは前フリで
ちょっと書きましたが、この講座は、同じ依田九段の著作「依田ノ○ト」
などとは少し違います。

その「ノ○ト」も評判は上々でしたよね。他社本ながら私も買いました、
読みました。

それをふまえて、依田九段の気合が入った講座になっているかと
思います。校正でゲラを拝読して、うなりました。うーんって^^

ぜひ、こちらもお楽しみくださいね。

〈ふろく その3〉

こちらは終了のお知らせ。山城九段の「ヨセワン」が終了になって
しまいます。うまく軌道に乗せられ、読者の皆様の反響もよく、
先々いろんな夢を描いておりましたが、終わってしまいます。

残念無念ですが、仕方がありませんです。好評なら続ける一手
ですが、すべてがそうなるわけでもないのです……。
またの機会に掲載できたらいいですね。
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2 コメント

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バインダー (屋敷)
2012-03-21 20:30:36
iPad導入期に逆流するようですが
今もあるんでしょうか?
週刊碁のバインダーって
月刊碁ワールドかどこかで写真だけみかけた記記憶があります。
流石に段ボール箱3つ目になってくると部屋のスペース的にまずいことになってきましたし過去のものを探すのが大変。
棋戦別でなく棋士別に別けようかなと・・・。
山下名人の名人戦・本因坊戦とピックアップしてとか。

山城九段のヨセワン
名前がハチワンっぽくて親しみが持てた
脳内碁盤で正解手順を再生できるようになるまで毎週やってました。
自分の荒さを痛感しました・・・。
山城九段お疲れ様です。
バインダーあります。 (小瀬村)
2012-03-29 17:55:10
お問い合わせにお返事が大変遅れまして誠に申し訳ございません。

バインダーはございます。

市ヶ谷の2階にて扱っておりますのでお問い合わせください。
(小さい声で)在庫限りで終了らしいのでお気を付けくださいです。

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