NPO集改センター(NPO法人 集合住宅改善センター)活動レポート

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集改センターの第154回 スキルアップセミナー報告

2017-11-21 12:04:33 | 集改塾

第154回 スキルアップセミナー報告

開催日:2017年(平成29年)11月1日(水)

テーマ:「熊本震災復旧マンションの実例」

講 師:上村 允郎(本会・正会員/設計監理事業部長・建築担当)

 

<セミナー概要>

■はじめに

 2016年4月に発生した熊本地震。上村講師に、携わった被災マンションの復旧に向けての取り組みについての報告と、改修工事に携わるコンサルタントと施工業者に求められると思われることを語ってもらいます。

■復旧工事の実際

 熊本地震が過去の地震に比べて特異と言われているのは、震度7の揺れが短期間に2度発生したということです。昭和56年6月以降の建造物は新耐震基準によって建てられています。その新耐震基準も震度7クラスの地震が2度、立続けに起きることは想定していません。このため復旧工事に携わったマンションも被害が大きくなったと思われます。被災マンションは2006年8月竣工の地上10階建て、35戸の物件。現地に入って検査を行ったところ、耐力壁や柱などの躯体部分には大きな問題はなかったが、共用廊下やEVホール等のコンクリートの損壊、外壁タイルの亀裂、バルコニー・外構部の破損がみられました。また、玄関扉のゆがみにより扉が開かなくなり、外からバールで開けてもらった住戸もあったそうです。補修内容としては損壊の大きなコンクリート部分は無収縮モルタルで成形し、タイルやモルタル仕上げを行い、外壁タイルについては落下の危険が大きい個所については取替えを実施、危険の少ない部分についてはエポキシ樹脂を注入しステンレスピン止めで対応した。バルコニー・外構部についても同様の作業を実施。玄関扉については問題があったのは13戸だったが、問題がなかった住戸を含め、不公平とならないように耐震性扉に取り替えた。

■さいごに

 雑壁や外壁の破損が大きくなったのは構造スリット目地がタイルで塞がれていたり、幅木と床の取り合いスリット目地が隠されていたことも要因となっている。また、他のマンションにおいては駐車場部分の柱の主筋部分の内部にコンクリートが詰まっていない、かぶり厚さ不足が見られたり、アルミ製品の着色に電解発色をしなかったため、チョーキングを起こした事例があった。いずれも元施工が改修工事を行っていた場合は表に出てこずに隠されていた可能性がある。今回、改修のコンサルタントを依頼されたのも被災マンションが元施工に不信感を抱いていたことによるものだった。新築のことを知らなければ、鉄筋のかぶり厚の不足等は見過ごしてしまうことも考えられる。改修工事を施工する業者、我々コンサルタントも改修についてだけではなく、新築のことについても勉強していくことが重要と考える。

 

~次回開催予告~

■第155回スキルアップセミナー 2017年12月6日(水)午後3時から

 テーマ:「民泊新法とマンション」

講 師:田島 政幸(本会・正会員/管理運営事業部・マンション管理士)

<今年の6月に成立した住宅宿泊事業法(民泊新法)が平成30年に施行されます。大阪市内においては社会問題となっているマンションでの違法民泊について、今後どのように法律が改正されて、どのような対策が必要なのかのポイント解説。>

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