夷人の倭語

世界の窓アメリカ 在住三十余年、その窓から眺めて語り、「灯台の下の列島」に明かりを当てて見ようとする。

【 馬にあらず、なぜ、道草を食う 】  仁目子

2017-06-13 | ブログ書籍

 ーー  How are you 億単位の「雑草」記事  --

今、ウエブで、「How are you 」を検索すると、七億台の記事が掲載されている、三年程前(2014年六月)、初めて検索した時は、八十四億件あって、全く、度胆を抜かれた。

How are you 一言覚えるのに、億単位の教えは要らない筈だが、と思って、改めて、再度検索すると、億単位の記事が、一挙にして、十単位の数に縮んで仕舞う。例えば、今日日付けだと、一回目は七億だが、二度目は、99 件しか出て来ない。そして、『最も的確な結果を表示するために、表示されている検索結果と似たページを除いています』という注釈が付いている。

つまり、億単位の記事は、殆んど似たページばかりで、それらは、97 (6/5/2017) に短縮できるものである事を意味している。億単位は、結局、ガラクタ記事が殆んどである事に外ならない。

この億単位の記事内容について、要約見出しが十項目冒頭に出ている。その内、六項目は、How are you の意味と、それに対する返事、返し方、返し、返答、答え方で、残り四項目は、 How are you doing , How are you today , How are you feeling , How are you going となっている。

この要約見出し十項目の中身を見ても分かるように、How are you 及び 返事は 世界中で知られている英語の挨拶である。なぜ、列島で、億或いは十億単位の記事を必要とするのか。勿論、必要は無い。


日本人は、「What time is it 」よりも、「掘った芋いじるな」を好んで口にする。面白いからである。英語はどうでもよい。

嘗て、「英語に強くなる」という本が b e s t  s e l l e r で、世間を騒がし、百万部以上売れた。『T o i l e t に入っていて、戸叩かれたら、英語でどう返事するか?』という設問で始まり、数多くの回答例を盛り込んだ内容で、語学に弱い人達の多大な興味を誘い、空前の売行きを持たらした。

百万部以上売れたから、読者の数は少なくとも数百万人居た筈だが、読後感想を見ると、「大変、面白かった」というのが大半を占め、「お蔭で、英語が上達した」と云うのは、一つも無かった。

ある米国在住の日本人が w e b  s i t e に、「米国でそんな英語習った事ないが、えっへん、と咳すれば、済む事でしょう」、という皮肉たっぷりの投書をしたのは、圧巻だったと言える。

正しくその通りで、『馬が道草を食う』と、進行が遅れ、転じて、目的地へ行く途中で他のことに時間を費やし、手間取り、予定通りに目的地に着かないことを意味するものだが、しかし、馬が道草を食うのは活きる為、仕事の為だから、これは止むを得ない。

所が、人間は馬で無いから、道草を食うのは、時間の浪費にしか過ぎず、『英語に強くならない本』を何十冊、単に面白がって読む、或いは、『How are you 』の一言を習い覚える為に、億単位の記事に目を通す。これらは、皆、道草を食うのに等しい。だから、『英語に強くなる』本の出版が世界一多くても、ウエブ上に、How are you を教える記事が億単位あっても、日本人は相変わらず英語が話せない。

日本語を習う場合、まず、「お元気ですか」から始まる。スペイン語だと、「c o m o  e s t a s 」、ドイツ語は  「w i e  g e h t  e s  i h n e n 」 から始まる。それらを英語に直すと、「h o w  a r e  y o u 」になる、と世界中どの国でも、そのように、簡単に教えている。又、その答えとして、「元気です」、「m u y  b i e n 」、「s e h r  g u t なども、単純に、英語で「f i n e v e r y  w e l l 」、だと教えている。

共に、至極単純で簡単な教えであり、お蔭で、多言語を話す人が、世界中に溢れている。その中にあって、外国語学習の最先端国である日本の国民は、いまだに、「語学音痴」の域から抜け出せないで居る。理由は、道草ばかり食って、前に進まないからである。

How are you 億単位のウエブ記事は、英語塾、英会話教室、英語教師などの広告が大半を占めて居る。英語を教える、と云うのに、広告文の中で、英単語であるべき文句は全てカタカナで表示されている。学習諸子を馬鹿にするにも程があると思う。

筆者は、前の blog で、『善き日でござる グーリ デイ シャー』という標題で、諳厄利亜語林大成(あんげりあごりんたいせい)という、今から二百年ほど前に完成した、6000 の英単語を収集した日本初の英和辞典、そして、1860年に中濱万次郎が書いた日本初の『英米対話捷径』、この二つの英語学習書について書いた。二書共に、英語発音をカタカナで表示しているもので、Good day sir が グーリ デイ シャー になっている。英語の勉強にならないのは、一目了然である。

あれから、二百年の歳月が過ぎ、『三つ児の魂も百まで』という諺の「百まで」の倍以上の月日が過ぎ去ったが、英語を英語で習わないで、カタカナで覚えようとする陋習、悪癖は、未だに列島に根強く残っている。

これで、日本人が、英語を物にする事が出来る、と仮初( かりそめ ) にも思うのであれば、『木に縁りて魚を求む』ようなものである。これでは、何十億の英語学習記事に目を通しても、How are you の一言ですら、話せるようになれる訳がないだろう。

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