正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

成仏を証明する「授記」(授記品第六)

2005-11-15 | 妙法蓮華経並開結 略要旨私考

 『法華経』において、成仏の証明となる「授記」が成されます。つまり、爾前権教にはない、声聞と縁覚の「二乗作仏」が説かれます。
 授は与える義、受は得くる義、記は事を記すということで、すなわち成仏の事を記すので、仏意によれば授記、機情によれば受記となります。
 また、行因・得果・劫国・仏寿・正像・国浄の六事を分別するため「記別」ともいいます。
 私達、日蓮正宗を信心するものには、一生成仏を全うし、命終において通夜葬儀の時に「戒名」を頂くことで、成仏の証明「授記」が成されます。
 「授記」については、『法華経』の「授記品第六」(法華経229)に説かれます。『御義口伝』には、「授記品四箇の大事」(御書1743)が説かれ、「第一 授記の事」「第二 迦葉光明の事」「第三 捨是身已の事」「第四 宿世因縁吾今当説の事」という四つの大事について仰せです。
 『御義口伝』には、
「第一 授記(じゅき)の事、文句の七に云はく『授は是(これ)与の義なり』と。
 御義口伝に云はく、記とは南無妙法蓮華経なり、授とは日本国の一切衆生なり。不信の者には授けざるなり、又之(これ)を受けざるなり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経の記を受くるなり。又云はく、授記とは法界の授記なり。地獄の授記は悪因なれば悪業の授記を罪人に授くるなり。余は之に准じて知るべきなり。生の記有れば必ず死す、死の記あれば又生ず、三世常恒の授記なり。所詮中根の四大声聞とは我等が生老病死の四相なり。迦葉(かしょう)は生の相、迦旃延(かせんねん)は老の相、目連(もくれん)は病の相、須菩提(しゅぼだい)は死の相なり。法華に来たりて生老病死の四相を四大声聞と顕はしたり。是即ち八相作仏なり。諸法実相の振る舞ひなりと記を授くるなり。妙法の授記なるが故に法界の授記なり、蓮華の授記なるが故に法界清浄なり、経の授記なるが故に衆生の語言音声三世常恒の授記なり。唯一言に授記すべき南無妙法蓮華経なり云云。」(御書1743)
と御指南であります。御本尊様を受持し御題目を唱えなければ、「授記」はないのです。つまり、日蓮正宗で信心をしなければ本当の成仏はありません。
 『法華経』の説かれる具体的な「授記」は、釈尊の弟子への記馥があります。智慧第一の舎利弗は「譬喩品第三」において華光如来、頭陀第一の迦葉は「授記品第六」において光明如来、多聞第一の阿難は「授学無学人記品第九」において山海慧自在通王如来、解空第一の須菩提は「授記品第六」において名相如来、説法第一の富楼那は「五百弟子受記品第八」において法明如来、神通第一の目連は「授記品第六」において多摩羅跋栴檀香如来、論議第一の迦旃延は「授記品第六」において閻浮那提金光如来、天眼第一の阿那律は「五百弟子受記品第八」において普明如来、密行第一の羅睺羅は「授学無学人記品第九」において蹈七宝華如来という記別を釈尊より受けています。
 私達も一生成仏を目指すところ、成仏の証明が頂けるのであります。