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再録・(BL小説)風のゆくえには~観賞物の実用品

2017年07月14日 07時21分00秒 | BL小説・風のゆくえには~ 短編読切

すみません。再録です。
2017年3月7日投稿「現実的な話をします1」の「おまけ」のみ。
「おまけ」の話、探すのが面倒なので短編として抜き出していきます


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☆「高校同級生達との家飲み」後のお話。慶視点。



 ふっと目を覚ますと、じーっとこちらを見ながら何か飲んでいる浩介の姿が目に入った。

「………あれ? みんなは?」
「もう帰ったよ?」
「あー、また寝ちゃったのか、おれ……」

 最近、どうも酔いが回るのが早い。家なので安心感があるせいかもしれないけど……

「お水飲む?」
「いや、いい。……お前何飲んでんの?」
「これ。昨日実家から貰ってきたやつ」

 ウイスキーの瓶がテーブルに置いてある。昨日浩介の実家に行ったときに、お中元のお裾分け、といってお母さんがくれたのだ。

「慶もいる?」
「…………」

 軽く首を振ると、そう?といって、浩介は再びグラスに口をつけた。おれは寝そべったままなので、浩介が斜めに見える。斜めの浩介は、まだ目を細めておれを見ている。

「何?」
「ん?」
「何見てんだよ?」
「えー?」

 嬉しそうに笑った浩介。

「ほんと、綺麗な顔してるなあと思って観賞してたの」
「観賞?」
「そう。昔、美術部の浜野さんが『渋谷慶は観賞物』って言ってたんだけど、なんかそれ思い出しちゃった」
「……は?」
「いや~も~この顔を独占して観賞しながら飲むお酒は最高です」
「…………。なんだそりゃ」

 変な奴。あいかわらず変な奴だ。
 浩介はニコニコという。

「見てていい?」
「……やだ」
「えー」

 なんでーケチー、と、間延びして言う浩介にちょいちょいと手招きをする。

「なにー?……わっ」
 近づいてきた浩介の腕を掴んで引き寄せる。

「おれは観賞物じゃねーよ」

 そして、噛みつくみたいなキスをしてやる。

「おれは実用品だ」
「ん」

 もう一度キスをする。
 見てるだけ、なんて許さない。ちゃんと触れて、ちゃんと包み込んで、一緒にいるって感じさせろ。

「慶」
「…………浩介」

 愛しそうにおれの名を呼んでくれる浩介を、ぎゅうっと抱きしめた。



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お読みくださりありがとうございました!
『ウイスキーをチビチビ飲みながら、慶の寝顔を眺めてニヤニヤしてる浩介の図』が書きたくて書きました。
『渋谷慶は観賞物』と浜野さんが言った話は、『巡合2-2』。まだ浩介が慶を親友としか思ってない時代。青春の高校二年の文化祭♪

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