創作小説屋

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月の女王-32

2014年10月01日 21時00分00秒 | 月の女王(要約と抜粋と短編)
本編書き出す前に一人言。。。

2013年1月-3月にフジテレビで「カラマーゾフの兄弟」という深夜ドラマをやっていたんです。
この吉田鋼太郎氏のインパクトの強さったらなかったね。
初回終わった直後に、この人誰?!って速攻ウィキりました。
で、毎週ドラマを楽しみにみていたのですが・・・
いつも、あれ?なんだっけ?この感じ・・・・・・。と既視感があったんですが、ようやく分かったの。
うちの織田家父と3兄弟のイメージとピッタリなんだわ。お屋敷の感じとかもね。

織田家当主・織田将は、このドラマの時の吉田氏そのまま!
長男は、もうちょいごついけど、荒々しい感じはまんま。
次男は、もうちょい華奢だけど、うちに秘めた感じと、実は腹黒い感じがまんま。
三男は、もうちょい子供ですが、あのはかなげな感じや、次男を慕っているところがイメージ通り。
と、いうことは。末松が真田かな。あ、いや、隠し子じゃないけど^^;殺しもしないけど^^;

私が織田家3兄弟を設定したのは20年くらい前。
時を経て、イメージ通りの映像が見られた不思議~。

と、いうことで。今回は織田家の朝の食卓からはじまります。

この食卓に着くまで、各方面、あんなことやこんなことが~・・・・・・
と妄想はすんでいるのですが、それ全部書いてたら終わらないので我慢します^^;


ということで、以下、要約しながら話を進めます。

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第6章 真実




 香(ミロクの姿)が真田に連れられて、織田家のダイニングにやってきた。

 今朝目覚めて・・・・・・
「こうして気を失って目覚めるの、もう何回目よ」
と、自虐的に笑ってみた香。残念ながら、今回も青い瞳ではなく、黒スーツ姿の真田の黒い瞳が自分を心配そうにみていた。

 用意されていた洋服に着替える。白いシャツに紺のズボン。私立の小学校の制服のよう。
 18歳の乙女の香としては、突然10歳男児になってしまい、着替えもトイレも恥ずかしいやら勝手が分からないやらで非常に大変であった。

「ミロク君はトイレとかどうしてますか?!」
 心配してきくと、真田に「あちらには桔梗がついているのでご安心を」と言われる。

 ダイニングに入り、長い食卓の奥から3番目の席に座らさせられる。
 ほぼ同時に、違う扉から、菅原司とリンクス=ホウジョウ、風間忍とミロク(香の姿)と桔梗が現れる。
 ミロク(香の姿)は紺のシンプルなワンピースに着替えていた。髪型も、結わずにおろして、横をピンで留めるだけにしている。香は内心「せっかくの編み込み取っちゃったんだ・・・」と残念に思う。

 司は、忍とミロク(香の姿)を見ると、

「さすがだな忍。もう姫を手懐けたのか。顔が良いと得だな。姫はそういう貧弱な男がお好みか」
と、馬鹿にしたような目を向ける。怯えて忍の腕をつかむミロク(香の姿)に、

「そうして忍の後ろに隠れるところ、ミロクにそっくりだ。なあ、ミロク?」
 いきなり話を振られた香(ミロクの姿)が、何も言わず睨みつけると、
「何だ、その目は? まるで昨日の・・・・・・」
 言いかけて、まさか、と口元に手を当てる司。

「お前ら、入れ替わったのか・・・・・・?」
「ああ、さすが、織田の大将の息子なだけはあるんですね」
 感心したような声。振り返るとアーサーが白龍、イズミと共に入ってきた。

 三人とも白地のシャツに黒のパンツに着替えている。織田家使用人の制服のようだ。リンクスと桔梗も同じ服を着ている。
 イズミは香(ミロクの姿)を見ると、ホッとしたように目元を和らげた。香が小さく手を振る。
 白龍は相変わらずの無表情・・・・・・。

「お前ら、誰だ?」
 三人を見とがめ、司が何か言いかけたときに、

「離せよ!」
 屈強なスーツの男に腕を抑えつけられた状態で、クリスが部屋に入ってきた。服は昨晩の黒のピッタリとした上下のまま。髪も乱れ、口元には明らかに殴られた跡がある。

「クリス!」
 香(ミロクの姿)が青ざめて立ち上がる。

「なんで・・・・・・っ」
「君も他の二人のように大人しくしていれば、乱暴なことはせずにすんだのに。目覚めてからずっと暴れ続けるなんて、相当体力有り余ってるよね」

「アーサー!」
 ギリッと歯ぎしりするクリス。

「騙しやがって!日本語もちゃんと喋れるんじゃねーかよ!」
「ああ・・・・・・」

 アーサーは肩をすくめると、

「ニホンゴ、ハナセナイフリしてたほうが、イロイロごまかせるオモッテ・・・・・・」
「・・・・・・クソッ」

 思い切り力を入れ、手を振りほどく。全身にオーラをためている。あわててスーツの男が再び拘束しようとするのを、アーサーが身振りでやめさせる。

「クリス。ここで暴れたら、姫の身の安全は保証できないからね」
「・・・・・・・・・」

 ふっと力を抜くクリス。心配そうな香(ミロクの姿)と目が合うと、一つ肯いた。
(助けるから)
 読まなくても伝わってくるクリスの心。香もコクンと肯き返した。

「ミロク・・・・・・」
 クリスは、ミロク(香の姿)に目を向けると、眉を寄せて、

「香の姿で忍にくっつくのやめてくれ。分かってるけどムカつく」
「あ・・・・・・ごめんなさい」

 素直に忍から手を離すミロク。 
 それを見て、アーサーがふっと冷たい笑を浮かべた。

「月の王子が子供と分かった途端、強気だね。クリス。彼氏にでもなったつもり?」
「そんなつもりは・・・・・・っ」
 あわてて否定するクリス。

「姫の心はまだ誰のものでもないはずだよね? それとも姫? クリスの真っ直ぐな愛情にほだされてしまいましたか?」
「え・・・・・・っ」
 昨晩のキスを思い出して赤面する香。

「だから、なんなんだお前ら!」
 しびれを切らせたように司が怒鳴る。
「月の王子が、子供、だと? 何の話だ!」

 そこへ・・・・・・・・・

「皆、そろったか」

 空気が変わる。振動でこちらまで震えがくるような張りのある声。
 ザッと、リンクス、桔梗、スーツの男たちが、一斉に頭を下げる。
 司までもが、背筋を正す。

「席につけ。朝食だ。話はそれからだ」

 一番奥の席にドッカリと腰を下ろした男。
 鋭い眼光、手入れのされた髭、ものすごい威圧感。王の風格を備えている。

 紹介されずとも、香もクリス達も分かってしまった。
 この人こそが、織田将。デュール王家の王であると。


***


「はは・・・ようするに・・・・・・」

 今ここにいるクリス、白龍、イズミは予言の月の戦士であるということ、アーサー自身は織田将の命により月の戦士の一人として潜入していた偽物であるということ、月の王子とはミロクのことであるということ、予言の実現には失敗してしまった、ということをアーサーから淡々と説明され、司はこらえきれない、というように笑い出した。

「忍も父上の手の上で転がされていたってことだ。なあ?忍」

 忍はコーヒーを片手に静かに目を伏せただけで何も反応しない。
 そういえば、この人、今朝から一言もしゃべってないな・・・と香は思う。

 一番奥に織田将、その右手側にに菅原司。左手側に風間忍、ミロク(香の姿)、香(ミロクの姿)、と続き、少し席をあけた末席の方に、クリス、白龍、イズミが座っている。それぞれの目の前には色とりどりの食欲をそそる朝食が用意されている。

 司の後ろにはリンクス、忍とミロクの後ろには桔梗、香の後ろには真田が、静かに控えている。それと同じように、アーサーが織田将の後ろの控えているのを、不思議な気持ちで見上げる香。

(アーサーさん・・・・・・本当にその人の家来なんだ・・・・・・)

 思ってから、家来って言葉も時代錯誤よね、と思う。でも家来という言葉がぴったりとくるほど、織田将の風格は殿様のようであるのだ。

「アーサーと言ったか、今まで一度も会ったことないよな?いつから父上の元に?」
「三年ほど前からお仕えしておりました」

 涼しい顔をして答えるアーサーに、クリスは憮然として、

「オレにオーラが見えるってことは、お前はテーミスの人間で間違いないはずだ。なんでデュール側についている?」
「それは、こちらのデュール王こそが世界の王となる方だからだよ」
「世界の王・・・・・・?」
 眉を寄せるクリスに、にっこりと笑うアーサー。今までとなんら変わりのない笑顔。

 それらの会話にまったく興味なさそうに、織田将は口元を拭いたナフキンをテーブルに無造作に置き、忍の方を見た。誤魔化しを許さない鋭い眼光。

「忍、イーティルの予言、とは何だ? 風間のジジイが持っていたといったそうだな?」
「・・・・・・・・・」

 忍は無言で真田に合図をすると、真田が数枚の書類を織田将に差し出した。

「………月の女王? なんだそれは?」
「………わかりません」

 ようやく忍の涼やかな声が響く。

「わからない、とはどういうことだ?」
「わからないのです。それを昨晩確認したかったのですが、あいにく月の戦士の力が足りず……」
「失敗した、と?」

 ふん、と織田将は面白くなさそうに書類をテーブルに投げおいた。

「では、一生無理だな。月の戦士が四人そろうことはない」
「え………」

 忍が織田将を見返す。

「それはどういう意味……」
「どういう意味もこういう意味もない」

 織田将がふいと目をアーサーに移すと、アーサーがゆっくりと言葉を継いだ。

「南の火使い……マリアは3年前に亡くなったからです」
「マリア……?」

 香(ミロクの姿)が息を飲んだ。それを見て、クリスも、あ、と思い出した。

「マリアって……あの写真の……」

 以前に見せてもらったアーサーの手帳に挟んであった写真。そこに写っていた綺麗な女性の名がマリアであったはず……。
 大切な人、とアーサーは言っていたが、まさか亡くなっていたとは……。

「アーサーさん……」
 香の視線に、アーサーがふんわりと微笑む。その笑顔に胸が痛む。


「月の姫と月の戦士の身柄は、織田預かりとする。異論はないな?司、忍」

 ガタリ、と立ち上がり、織田将が息子二人に言い切る。
 司は一瞬口を開きかけたが、すぐに押し黙った。忍は視線を下に落とした。

「アーサー、あとはお前に任せる」
「は……」

 従順に頭をさげたアーサーを残し、織田将が部屋から出ていく。
 司もあわててそのあとを追い、リンクスも一緒に出ていく。

 残ったのはくしくも、昨晩月光の間にあつまったメンバーである。


「昨晩は乱暴なことをして申し訳ありませんでした」
 いきなり、アーサーが香(ミロクの姿)の横に膝まづいた。

「え、そんな……」
 あわてる香をよそに、アーサーはまたあの笑みを浮かべた。

「姫、あなたの心はまだ誰のものでもありませんよね? それならば、私たちの元にきてくださることを考えていただけませんか?」
「え………」
 赤くなる香の様子をぐっと我慢して見ていたクリスのことを、アーサーが振り返る。

「クリス、君にとっても悪い話ではないはずだ」
「何が……」
 アーサーは眉をよせるクリスに微笑むと、今度は白龍に向き直った。

「白龍、心は決まった?」
「………」
 白龍は押し黙ったままだ。クリスが何が?と白龍の顔を覗き込んだが、白龍は唇をかんだまま何も言わない。

「イズミは姫次第ってことだったね」
「………」
 イズミも黙って口をへの字に曲げている。

「だから……何の話だよ?」
 クリスが白龍とイズミを見比べて問うが、二人とも黙ったままだ。

「デュール王、織田将を世界の王にする、という話だよ」
「世界の……」
「王……?」

 香とクリスの言葉に、アーサーは悠然と肯いた。


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長いので切りますかね。


というか、ストックがなくなりました。

次回は通常通りでいくと、10月3日(金)夜9時更新。
間に合うかな?間に合わなかったらごめんなさい。

とりあえず次回もよろしくお願いいたします。


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