かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

洋楽巡礼(1)~裕ちゃんとショッキング・ブルー

2013-09-16 | 音楽・オーディオ

〇夜明け前
洋楽(ポップス)との出会いについて当時を思い返してみたのだが、中学に入学した当初(1970年)は洋楽にはまったく興味がなかった。この年はビートルズが事実上解散状態になり、5月に最後の作品となる『レット・イット・ビー』をリリース、サイモン&ガーファンクルも3月にリリースした『明日にかける橋』が世界的に大ヒットを記録しているのだが、リアルタイムに聴いた記憶がまったくないのだ。ただアニメ『サザエさん』の時に流れていた東芝のステレオボストンのCMで、映画『レット・イット・ビー』のルーフトップ・コンサートの場面が使われていたのは覚えているのだが、悲しいかなこのときは「へえー、これがあの有名なビートルズか」くらいにしか思わなかった。

〇洋楽との出会い
1970年は洋楽に特に関心がないまま過ぎてゆき、年が明けた1971年の冬のある日の昼下がり、たまたま居間のラジオから聴こえてきたのが、石原裕次郎の『夜霧よ今夜も有難う』だった。そのあと続けて英語の女性ボーカルの哀愁を帯びた歌声が流れてきたのだが、それがショッキング・ブルーの『悲しき鉄道員』という曲だった。そのちょっと切ない旋律は、それまで洋楽を耳にしても、特に興味を覚えることもなく聞き流していたぼくの中にすんなり入ってきて、強く心に残ったのである。今でもこの曲は、『夜霧よ今夜も有難う』とセットになって記憶されていて、裕ちゃんとショッキング・ブルーは、ぼくのなかでは固く結びついているのである。

〇オトナへの階段
そしてその年の4月、中学2年生になると新しいクラスメートたちの影響で、 ラジオをよく聴くようになった。特に地元東海ラジオの深夜放送「ミッドナイト東海」や、、ポップスベストテンなどの洋楽チャート番組を聴くようになると、最新のポップスにすっかりハマってしまったのだ。中学1年までは夜中にラジオを聴くなんて思いもよらなかったのだが、今から思うとこの時期がコドモからオトナへの階段の第一歩だったようだ。ちょうど思春期まっただ中で、ちょっと背伸びをしたかったぼくにとって、今まで聴いていた日本の歌謡曲とは違う洋楽ポップスは、新しいものへの好奇心を満足させてくれる対象として、ぴったりのアイテムだったのである。

〇友人との出会い
洋楽好きのクラスメートの中で、特に親しくなった友人のI君は、父親の仕事(大学教授)の関係で、小学6年生までアメリカで過ごしたいわゆる帰国子女だった。授業では先生から発音のお手本によく指名されるのだが、今思うとアメリカ帰りのI君の前では、先生もかなりやりくかったに違いない。そんなI君はポップスにも詳しく、英語の歌詞を分かりやすく解説してくれたり、おすすめのグループや洋楽を教えてもらったり、彼の薫陶よろしくぼくはどんどん洋楽好きになっていった。

〇初めて買った洋楽レコード
そしてこの年、ぼくは生まれて初めて洋楽のシングルレコードを買った。それはミッシェル・ポルナレフの『シェリーに口づけ』と、ダニー・オズモンドの『ゴー・アウェイ・リトル・ガール』だった。とくに『シェリーに口づけ』は当時フレンチポップスとか言ったと思うが、フランス語で「トゥートゥートゥマシェリー」と歌う特徴的な歌詞のリフが大好きで、飽きずに何度も繰り返し聴いたものである。

〇71年洋楽ヒットチャート
その他ぼくの大好きだった1971年のヒット曲をあげてみると、カーペンターズの『ス-パースター』、ポップ・トップスの『マミー・ブルー』、シカゴの『クエスチョンズ67&68』、スリー・ドッグ・ナイトの『喜びの世界』、オーシャンの『サインはピース』、チェイスの『黒い炎』、ジョン・レノンの『イマジン』などだが、当時のこづかい(1000円/月)ではそうそうレコードは買えなかった。その分ラジオのポップス番組を熱心に聞いていたので、これらのヒット曲は今でもすぐ口ずさめるくらい記憶に残っている。

 

■シェリーに口づけ/ミッシェル・ポルナレフ(1971)
テレビCMなどでも使われている名曲で、レコードジャケットもいかにも70年代っぽい



■ゴー・アウェイ・リトル・ガール/ダニー・オズモンド(1971)
オズモンドブラザーズのNO1アイドルで、この曲で全米1位を獲得



■愛するハーモニー/ザ・ニューシーカーズ(1972)
一度聴いたら忘れられない親しみやすいメロディーと美しいハーモニーの名曲
コカ・コーラのCMソングとして世界中で大ヒットした



〇72年洋楽ヒットチャート
年が変わった1972年も、相変わらずポップスのヒットチャートは熱心に聞いていた。ドン・マクリーンの『アメリカン・パイ』(8分以上もある長い曲)、ニール・ヤングの『孤独の旅路』、バッドフィンガーの『デイ・アフター・デイ』、ポール・サイモンの『母と子の絆』(S&G解散後初のソロシングル)、『ぼくとフリオと校庭で』、アメリカの『名前のない馬』、ギルバート・オサリバンの『アローン・アゲイン』、スリー・ドッグ・ナイトの『ブラック・アンド・ホワイト』、ポール・マッカートニーの『アイルランドに平和を』、シカゴの『サタデー・イン・ザ・パーク』、T・レックスの『メタル・グウルー』、などなど今聴いても名曲が目白押しである。




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