伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

青色賛歌

2007-12-22 14:50:26 | 小説
 28歳フリーターでホステスと同棲中の主人公が、就職活動と出ていった猫探しをするというストーリーの小説。
 フリーターをこっち、勤労者をあっちと捉えて、あっちをうらやんでいた主人公が、あっちの世界もあまり居心地がよくない、あっちの住人もこっちをうらやんでいたということに気づくということがメインテーマになっています。そういったことを、日常的なことに若干のハプニングが起こる程度の展開で、驚きの展開はなく重くなくかったるい感触で語り進めています。結論は、いかにものラストが示すように、まあ吹っ切ってか開き直ってか、自分らしく生きればってことなんでしょうね。
 それにしても横領して警察に追われながらでもサラ金なんかから逃げたらどんな目に遭わされるかってサラ金にはきちんと返す大西(122~123頁)って。一般人はサラ金にそんなに恐怖を感じているんですね。サラ金はもちろん、ヤミ金融だってサラリーマンに貸してくれるようなところは「そんな目」に遭わせることもないと思いますが・・・


丹下健太 河出書房新社 2007年11月30日発行
第44回文藝賞 初出「文藝」2007年冬号

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 人口学への招待 | トップ | 獣王 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

小説」カテゴリの最新記事