伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

ジョイランド

2017-03-24 20:54:45 | 小説
 1973年、当時ニューハンプシャー大学の学生だったデヴィン・ジョーンズが、アメリカ南東部のノースカロライナ州「ヘヴンズベイ」の遊園地「ジョイランド」で夏休みのアルバイトをして夏休み終了後も勤務を続けながら、幽霊屋敷「ホラーハウス」でカップル客の女性リンダ・グレイが殺害された事件とその後ホラーハウスに出るという幽霊の噂の謎に好奇心を持ち…という設定のサスペンス青春小説。
 「ミステリー」としては、幽霊屋敷での事件/アクシデントを始め重要な部分ではっきりせず、また超常現象的な描写だけで合理的な説明なく終わっている印象が強く残ります。
 むしろ、「まだ女を知らない21歳」(11ページ)の主人公が、恋人のウェンディ・キーガンに浮気されて失恋し、ジョイランドでマスコットキャラクターのハッピーハウンド(犬)のハウイーの着ぐるみを着たパフォーマンスなどをしながら傷を癒し、バイト仲間の女学生エリン・クックと知り合うがエリンはバイト仲間のトム・ケネディと恋仲になり、通勤途上のビーチで顔を合わせる筋ジストロフィーの少年マイク・ロスとともに佇んでいる美貌の母アニー・ロスは険しい態度を取り…という「礼儀正しい若者に女はものにできない」(13ページ)青春グラフィティとして読むのが正解と思える作品です。


原題:JOYLAND
スティーヴン・キング 訳:土屋晃
文春文庫 2016年7月10日発行(原書は2013年)

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