詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

エドワード・ズウィック監督「ジャック・リーチャー」(★)

2016-11-20 10:00:01 | 映画
監督 エドワード・ズウィック 出演 トム・クルーズ、コビー・スマルダース

 トム・クルーズは、この映画では「ミッション・インポッシブル」のような超人的なアクロバットはしない。そのかわりに、「娘」を気づかうという「ふつうの人」の感情を動かす。
 でもねえ。
 無知な(?)娘に行動をひっかきまわされる。つまり、そのために予想外のトラブルが起きる、といっても「想定内」。それに機転(?)をきかせて、スリをしたり、置き引きをしたり、あげくにはドラッグ中毒者がたむろする場所をさぐりにゆくなんてことをしてしまう娘が、腹が減ったからといって盗んだカードでピザの出前を取るかね。カードをつかえば、場所が特定されてしまうくらい想像できそうなのに。それにカーニバルの人込みに逃げ込むなら、カーニバルの格好をして群衆に溶け込むのが一番いい方法だろう。人込みに逆らって走れば目立つだけ。まあ、矛盾しているのが無知な「若者」らしいのかもしれないけれど。
 であるなら。
 「盗んだカードをつかうな、追跡される」くらいのことは前もって注意すべきだろうなあ。一回つかったら、捨ててしまうのが、そういう世界の常識ではないだろうか。あのシーンは気配りがなさ過ぎてばかばかしい。ストーリーのためのストーリーの典型。
 というようなことが気になり、どうもね。
 また。
 組織が権力を持つと腐敗する。トップほど腐敗し、腐敗しないのはアウトロー(トム・クルーズ)か、アフリカ系か、女性か、(つまり、マイナーか)、というのも、いまとなっては「ありきたり」。フェミニストに叱られるかもしれないが、「女性は純粋で正しい」という発想そのものが、私には古くさく感じられる。
 アメリカではヒラリー・クリントンの「蓄財」がうさんくさいと批判を浴びているし、日本だって稲田なん安倍そっくり。「戦争は精神を浄化する」というようなことを平気で言う。兵器産業の株が上がるように、自衛隊を海外に派遣し、武器をどんどんつかわせる。自分さえ金儲けができればいい、としか考えていない。きっと「若者の精神を戦場で浄化させるよう指揮する私(稲田)の精神は、精神の浄化を推進しているのだから、とても崇高な精神である」と自分勝手に陶酔しているんだろうなあ。
 若い女性が「神話」になれたのは、ジョディー・フォスターの「羊たちの沈黙」までだね。
 未開拓の分野は、女性が組織の「悪玉」だった、というストーリーかなあ。母の情も捨てて(母性本能も捨てて)、子供を利用して、不正な蓄財をするという組織の女性権力者を描かないと、ほんとうの「男女平等」とは言えない、ときょうは書いておこう。
 だって、つまんないよ、この映画。新しいところが全然ない。過去へ回帰しただけ。
                   (天神東宝スクリーン3、2016年11月13日)

 *

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