醸楽庵だより

芭蕉の紀行文・俳句、その他文学、社会問題についての評論

醸楽庵だより  465号  白井一道

2017-07-23 14:52:02 | 日記

 東アジア共同体への道険し

侘輔 孫崎さんは無給の東アジア共同体研究所の所長さんを鳩山由紀夫さんから依頼され、引き受けているらしい。
呑助 無給なんですか。
侘助 無給だと自分で笑いながら話す姿を何回も見ているからね。
呑助 何を研究しているんでしょうね。
侘助 目標はEUやアセアンのような国家共同体を東アジアに創りたいということなんじゃないのかと考えているんだけどね。でも難しいと孫崎さんは考えているようなんだ。
呑助 難しさはどこにあると孫崎さんは考えているんですかね。
侘助 それは簡単なことなんだ。アメリカがこの構想に反対しているということのようだよ。
呑助 EUやアセアンの場合、アメリカは協力的だったのになぜ東アジア共同体形成には反対なんでしようね。
侘助 EUがEECから始まっていった時代は冷戦時代だったからね。ソ連を中心にした東ヨーロッパ諸国に対決するためには西ヨーロッパ諸国も求心力ある世界を作らざるを得なかったのかもしれないんだ。
呑助 冷戦が西ヨーロッパ諸国を結び付けたということなんですね。
侘助 社会主義の普及というか、蔓延を防ぐために西ヨーロッパ諸国は協力態勢を組んだということだと思う。
呑助 西側諸国が共同の敵に立ち向かうために協力し合う必要があったから、アメリカはEUの形成に賛成したということなんですね。
侘助 そうゆうことですよ。世界の歴史を見てみるとそういうことはよくあることなんだ。例えばね、ヨーロッパ中世の世界に君臨した神聖ローマ帝国という国があったけれども、国らしい国ではなかった。なぜなら首府というか、首都らしいものがなかったしね。だから大きな領主の緩い連合体のような存在だった。中心はドイツで、その中にオーストリアとか、プロイセンといった有力な国はあったけれどもね。
呑助 高校の世界史の授業でヨーロッパ中世は中央集権的な国は存在していなかったという話をしたのを覚えていますよ。
侘助 そうですか。イベリア半島にもいくつかの小さな国が分立していたんだけれどね。14世紀になると十字軍戦争が始まる。十字軍戦争とはキリスト教国がイスラム教国に戦いを挑んだ戦争だったんだ。イベリア半島のキリスト教徒たちはイスラム教徒と戦うために協力し合うようになった。これがイベリア半島に中央集権的な国家を出現させた。これがスペイン王国の成立のようなんだ。イベリア半島のキリスト教徒はイスラム教徒を追い出すために協力し合った。ちょうど西ヨーロッパ諸国が社会主義の蔓延を防ぐために協力した結果がEUの成立だったように。
呑助 じぁー、アセアンの成立も同じような事情があったんですかね。
侘助 1960年代から1970年代の前半はベトナム戦争があったからね。アメリカはベトナムが社会主義化したら、ドミノ倒しのように東南アジア諸国は社会主義化してしまう。それを阻止しなければならない。それがベトナム戦争だったからね。東南市アジア諸国が協力して社会主義と戦う。それがアセアンの成立なのかな。アメリカは積極的にアセアン成立に協力した。しかし今、東アジア諸国の大国中国、日本、それに韓国、モンゴルにはアメリカが敵とみなすような国は存在しない。強いていうなら中国がアメリカの敵になるのか、どうか。難しい問題だから、東アジア共同体成立にアメリカが賛成、協力する理由がない。それどころか、妨害したいというのがアメリカの本音なんじゃないのかな。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 醸楽庵だより  464号  白... | トップ | 醸楽庵だより  466号  白... »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。