田代正一の忘備録

日々気ままに

治安維持法

2017年05月03日 | 国内政治

明治憲法の「表現の自由」条項をみると、「第二十九条 日本臣民は法律の範囲内に於て言論著作印行集会及結社ノ自由ヲ有ス」とある。ここでは「法律ノ範囲内ニ於テ」と、つまり、「法律の範囲内」で人権制限をする法律をつくれば、「言論著作印行集会及結社ノ自由ヲ有ス」という規定は意味を有しないことになり、「法律で」人権制限は可能となる。現実に治安維持法は、戦後はまるで悪法の典型のように見られてきたが、明治憲法から見れば憲法に違反してはいない法律であった。

1925(大正14)年につくられた治安維持法はその後「国体ヲ変革スルコトヲ目的卜シテ結社ヲ組織シタル者」を最高で死刑とし、「結社ノ目的遂行ノ為ニスル行為ヲ為シタル者」と、いまだ目的を遂行していないが「為(ため)ニスル行為」も処罰の対象とされ、ついに、第二次大戦直前の1941年に法律は全面改正され、犯罪を「犯スノ虞アルコト顕著」と判断された場合、つまり「予防拘禁」まで可能になったのである。

(古関彰一『日本国憲法の誕生 増補改訂版』岩波現代文庫、2017年)


ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
« 八百長だったミサイル実験 | トップ | 憲法改正をなぜ急いだか »

国内政治」カテゴリの最新記事