まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

【俳句の滅び・歌の再生】熊田このは・見えないスタート・・新四天王候補を探る/J-POP論・POP詩の宇宙

2018-02-20 06:41:25 | J-POP論/POP詩の宇宙

私は1979年に最初の俳句入門を果たした。その頃、まだ1960年代までの【戦後俳句】が高柳重信とその周辺と共に生きていた。その代表作  船焼き捨てし/船長は//泳ぐかな  の三行詩(多行俳句)にあるのは、俳句の《滅び》であって、詩の言葉としての《再生》は、どこにも表出されていなかった。『船』を自ら焼き捨てた『船長』は、俳句の通常の1行分の【切れ】を超える2行分の【行間】をただあてもなく泳ぎ続けるしかなかった。それは、船長(戦後俳句の表現主体)が【俳句形式】を焼き捨て、乗り越えようといくら泳いでも【俳句形式】自体には、乗り越えるための方法は、もはや何も見つからないことを示している。同時に、高柳は、おそらく俳句とそれに先立つ短歌の《定型性》そのものを更新する方法がどこかにあることを指し示している。それには、まず俳句形式の【行間】に肉体感覚(口誦性と全体性)を取り込むことから始めてゆかなければならない。

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2018年2月21日(水曜)の午後6時55分からテレビ東京(大阪)系で放送される、THEカラオケバトルU-18歌うま甲子園【四天王争奪戦】は、実に興味ある番組である。その数々の実験的試みと多様性極まる参加者(表現者)によって、2010年代後半の現在、最も先鋭で幅広い感心を集める国民的人気番組だと言える。俳句という文芸上の最短詩型からは、一見最も遠い表現形態と思われる【カラオケ】による大衆歌謡であるが、DAMという昭和・平成の両時代にわたる全ての歌謡曲・J-POPを網羅したデータベースと【カラオケマシン】という名のAI搭載の歌唱技術のパーフェクト・システムが統合された【新世紀カラオケ】の新たな《定型性》の創出によって、近現代の短歌・俳句という人間(言語)の肉体性を喪失した【沈黙の詩型】の《行間》を埋めるもの、そしてその定型性を更新するものが何であるかを、あまりにも明解に教えてくれる。・・・《続く》

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熊田このは カバー 『見えないスタート』(原曲 BENI)

https://youtu.be/bG7FAKPBW5s?t=27

福島県郡山市出身。中三(15歳)。小学高学年から地元のカラオケ大会やNHKのど自慢などに参加。2017年、THEカラオケバトル歌うま甲子園(U-18)に彗星のごとく登場し、4回の出演の全てで99点台を獲得した。今回の、四天王争奪戦で最有力候補とされる。


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