
ホンダのアコードというクルマは、昔から好きなクルマのひとつであった。私が特に好きだったのは、低いノーズに高いデッキが斬新に見えた3代目のセダンと、流麗なラゲッジルームのデザインを持つ5代目のワゴン(注:ワゴンの2代目という言い方もできる)。7代目の先代も、セダンの「Type S」や「EURO R」など、非常に私好みのクルマであった。
その、アコードの新型が登場したという。やはり心の虫が騒ぎ、実車を確認せずにはいられなかった私なのだ。

試乗させていただいたのは、「ツアラー」の「24TL・SPORTS STYLE」のナビ付(5AT:税込車両本体価格:372万1250円)である。その堂々とした体躯と、サイドウィンドウのグラフィックスを見て、私はマツダのCX−7を連想してしまった。

このクルマ、メーターパネルはメルセデスのCクラスを思わせるが、インテリアの素材感や質感は際立って高く、それはメルセデス以上であろう。
ステアリングは直進方向にどっしりと据わっており、BMW3シリーズやレクサスISのような重めのフィール。雪で荒れた路面も、その脚はしなやかにいなす。様々な電子ディバイスのおかげで、スリッピィな路面での発進や停止も難なくこなしてくれる上に、静粛性も極めて高い。
加えて、国際基準のタップリとしたサイズのドライバーズシートが心地よい。「車速連動オートドアロック」という、かつてクラウンやセドリックに多く見られた装備が付いているが、それはATセレクトレバーを「P」の位置に入れると直ちに開錠され、煩わしさを感じさせない設計だ。
いやァ、このアコード。私がかつて運転したクルマの中で、最も上質なフィールのクルマだと言っても、過言ではないかもしれない。
ただ、1850mmとなった全幅により、運転席に座ると、やはり車の左端までがかなり遠く感じられたのもまた事実。ボンネットが目視できるので車両感覚は摑みやすいが、パレット式の駐車場や除雪で狭くなった道路でのすれ違いなどでは気を遣いそうだ。

そして、若干承服できない点が一つ。それは、最近のホンダ車の傾向通りに、「スペアタイヤレス」であることだ。その分床下収納のスペースは大きくなったとはいえ、AWDの3列シート車であるエクシーガにもスペアタイヤを装備するスバルとは、明快に考え方が違う点がここなのだ。過去数回パンクの憂き目に遭った私は、もちろん、スバルの考え方を支持する。スペアタイヤのような緊急時のバックアップアイテムは、簡単に省略すべきではないと思う。ま、JAFに入るというのも一つの選択肢ですが・・・

その一方で、なんとドアエンドにまでトリムを施し、上質感を演出しているこのクルマ。そのためかどうか、ぐっと高くなってしまった価格が、新型アコードの一番の難点である。燃料がハイオク仕様のみというのも、これまた考え物だ。完全に日本市場を見切って、欧州プレミアムユーザー向けに軸足を移したがゆえにこうなってしまったのだろうが、そんな折に、アメリカ発の大恐慌が吹き荒れるとは・・・まったく最悪のタイミングで登場してしまったとしか言いようが無い。
噂では、次期レガシィは大型化し、このアコードとおおむね同じセグメントのクルマとなる模様・・・ああ、たとえとしてはあまり適切ではないかもしれないが、まるで「カナダからの手紙」の人が「後から前から」に変貌してしまった時のような、やるせなさが私を襲うのだった。

トラックバック
- この記事のトラックバック Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
- 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
- ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。











僕もアコードというと3代目のを思い出します。
高校生の頃でしたので、頭の中はスペック主義(笑)。
4輪ダブルウィッシュボーン、2代目プレリュードと
同じようなリトラクタブルライトなど、
コロナやブルーバードとは少し違うセダンでしたね。
エアロデッキも個性的でしたね。
前車がスープラで1800mm越えでしたので、
1850mmは相当大きいですね。
レガシィになって日本の道が広く感じます。
斬新なビレット・フォルムが個性的でした。
アメリカ製、逆輸入のU.Sクーペなども当時は人気でしたね。今はシビックもアコードも大きくなりすぎ。更に今度のアコードはその価格設定にもびっくりです。
3代目のアコードは他社のセダンとは全く異なる雰囲気に溢れていて、非常に好きなクルマでした。あの当時のホンダ車は、国産車離れしたイメージがあって、実にステキでしたよね。あの頃のホンダは、私の中で輝いています。
今のレガシィの1730mmという車幅は、非常に日本国内のインフラに合致した、絶妙なサイズだと思うのですが・・・次期レガシィについては、やはり車幅がどうなるのかということに大きく注目しています。なんとか1800mm以下に抑えてほしいと願っております。
アコード・エアロデッキは、非常に斬新だったですよね!できればあのカタチのままで、「5ドア」だったならば、まるでシューティングブレークのようでより私好みのクルマとなったと思います。
それにしても、シビックもアコードも大きくなりすぎですよね。とくにアコードについては、あの跳ね上がった価格では、もう私の購入対象からは外さざるを得ません。
RAV4やエスクード、ゴルフやBMW3シリーズもみんなでかくなってしまって・・・「エコ」が叫ばれているこの時代ですから、今後はダウンサイジングの方向に進むべきではないでしょうか。
そんなクルマあったね。アヴァンシア。
売れなかったですけどね・・・
でも、フランス車っぽい雰囲気で私的には好みでした。
クルマがだんだんデカくなるのは
やっぱりライバルの動向を気にしすぎるからでしょう。
みんなマーケティング主導で自分というものが無いのでしょうね。
でも、今失敗する訳には行かないでしょうからあんまり無茶言えないですけどね。
やっぱり法律とかで大きさを規制しないと無理なんでしょうね。
そういえば、アヴァンシアっていうのもありましたネ!すっかり忘れておりました。今のホンダデザインとは正反対の、控えめながらもフレンチテイストのする、上品なクルマだったですネ。ああ、薄幸なる5ドア車・・・我が家にも、そのクルマのカタログは在庫しております。後日、機会を見てご紹介します。
それにしても、やはり次期レガシィの車幅が、心配ですネ。日本でクルマが売れていれば、むやみに幅も広がらなかったのでしょうが、やはり海外市場がメインになってくると、でかくなってしまうのかも・・・
三代前のアコードに乗ってかなり気に入っていました。(今はレガシィ)
店員に「新型はどこが売りか」と聞くと「スタイルです。内容は特別変わらない」との返事でした。
馬鹿でかい割りに後席の足場の狭さ。前方の見にくさ。デザインだけで車って売れるものなんでしょうか?こりゃダメだと思いました。
狭い道の日本だけでなく、金融危機の外国でも売れないだろう。
ホンダは戦略を間違えたなと思う。
今回のアコードは、乗ると非常にフィールのいいクルマで、細かいところの作り込みもスゴいですが、まあ、あの価格なので、それも当然なのかなという気もしてしまいます。
後席に関しては、私は試していませんが、乗降性も含めてあまり評判は良くないようですネ。
果たして、この経済状況の中で、この高価なクルマを世界のうちで誰が買うのでしょう・・・ホントに最悪のタイミングでリリースされてしまったとしか言いようがありません。ホンダは、これから一体どうなってしまうのでしょう。