わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

日本国内のユーモアの温度差

2017-02-28 | 日記
 関西学院大学の外国人非常勤講師が、教室の電気を消したときに、福島出身の女子学生に「光らないな」と冗談を言ったら、その学生は大学のハラスメントセンターに相談し、しかも授業を休むようになり、その講師は、新年度の任用を辞退、大学側も雇用する意図がないとしているという報道がありました。

 この話を聞いて、なんと無神経な講師だろうか!と、憤慨するのではなく、「今日ちょっと燃料不足で~」とかって返しときゃいいのに~、とか思ってしまった私も、十分に叱責の対象。この時、教室にいた他の生徒はどんな反応だったのか、興味があります。地元周辺の子が多かったら、軽く笑ってしまったかも。本人的には、それが更に堪えたのかもしれない…

 なぜ、わざわざ、問題の講師が外国人と説明してるのかは謎ですが、英語の授業だったそうなので、その講師はアメリカ人で、アメリカ版サザエさん(?)なコメディー、「シンプソンズ」のキャラクターで、原子力発電所で働くホマーをからかうような軽い気持ちでの発言に思えます。

 念のために書いとくけど、私の父は疎開先の長崎で被爆したので、私は被爆二世。他人事じゃないです。でも、大阪人ゆえか、ついウケを狙ってしまうところに、生来の「いちびり」気質なもので… ところで、
いちびりとは、近畿方言の名詞である。 ふざけてはしゃぎまわること、あるいはふざけてはしゃぎまわる人(お調子者、目立ちたがり屋)。「 調子に乗る」を意味する動詞「いちびる」が名詞化したものである。 市場のような活気あるやかましい様子の言葉-市振ることから、目立ちたがり屋やお調子者を揶揄する時に使われることが多い。Wikipediaより

 私も、福島出身者の方と会話中に、「軽い冗談」を、かなり真剣な調子で注意されたことがあります。とても手間のかかる作業をしなくてもよいことになったので、面倒くさい仕事から逃れられた、ラッキーと軽口を叩いて、面倒でも手間がかかっても、それが仕事であれば受け入れなければならないのではないかと、問われました。その時は、軽い冗談のつもりでしたと謝りましたが、そんな「軽い冗談」が、どこでも通用すると思っていた自分の傲慢さに気付かせてくれたその人に感謝しています。

 その後、他の東北地方出身者の方々と知り合いましたが、皆、とても真面目で堅実な方ばかりで、もし、前記のような体験をしてなかったら、「軽い冗談」のつもりで、相手の気分を害しても、気付きもしなかったかも?と、思うのです。

 国外に居ると、かえって、自分の生まれ育った地域とは違う、様々な出身地の「同朋」と接する機会が多くあります。外国人との意識の違いは、文化も価値観も習慣も違うから、感じ方が違うのは当然と納得できても、同じ日本人だからと、自分と感性が同じだろうと無意識下に期待してしまいがちですが、それが却って危険だと思います。

 結局、そんな意識と感性の違いのせいで、この講師は職を失い、女学生は傷付いた。アメリカでよく言われる「異文化への理解」は、日本国内、日本人同士でも重用だと、しみじみ思った事件でした。

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