★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

学園祭と文相

2017-11-05 17:40:45 | 大学

うちの研究室の学生の売っていたソフトクリームを11月、40代半ばというコンディションで食す。



おなかが痛くなりそうだったので、つい、いつも横目でさらっと睨視している碑を写真におさめる。「三土文相就任記念碑」である。三土忠造は香川師範の卒業生である。彼は小学校の先生になったが、東京高等師範に行って、結局政治家になった。彼が田中義一内閣の文部大臣になった記念の碑らしい。このときは数ヶ月で大蔵大臣に代わった。この人は戦後の幣原内閣の内務大臣で、次の首相を狙っていたという説もある。結果首相になったのは吉田茂である。わたくしにとっては、この人の長男である三土興三の方が重要である。西田幾多郎の弟子でキルケゴール研究の草分けである。大正末期、親父が政務次官の時代に鉄道自殺した。



卒業生から文部大臣が出たということで、本人を招いて盛大なパーティでどんちゃん騒ぎをやったと書いてある。全く恥ずかしい話である。ちなみに田中義一内閣といえば、特高警察設置、思想善導政策、治安維持法改定(最高刑を死刑)、で――3・15事件と、「最悪の内閣」(吉野作造)であった。うちの学部には「二十四の瞳教室」というのが設置されているが、この小説は、まさに3・15事件の直後から始まる教師暗黒物語であって、なんとも皮肉な話だ。


最新の画像もっと見る