★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

葉藏は長い睫を伏せた。虚傲。懶惰。阿諛。狡猾。惡徳の巣。疲勞。忿怒。殺意。我利我利。脆弱。欺瞞。病毒。(太宰治)

熱出して猫ンでいたらトランプ圧勝3

2016-11-11 23:23:26 | ニュース


授業を始めてみたら、カセットの早回しみたいな声しか出なかったのだが、限界まで続けることにして、漱石の映画「それから」やドラマ「漱石の妻」で引き伸ばしつつなんとか終える。

トランプ勝利について、昨日は一年生に向けて「心の不思議さを忘れちゃいけないよ」みたいな話をした。今日は二年生で国語の学生が中心だったから、もう少し長くお話しする。やはりアメリカの建国以来行ってきた犯罪の数々が自らを食い始めていると。アメリカの公民権運動もPCも、長く欺瞞を続けている国家のなかでは、やはり罪は罰となって回帰している現れであって、そういう形而上的なものが彼らの運動を駆動している。所謂「白人中年男性」や「トランプ」みたいな表象も含めてその自己批判運動の一環に過ぎない。トランプ現象自体は確かにテレビショーであり、アメリカにはナチス顔負けの差別主義者が沢山いるのであろうが、もう彼らは十分犯罪者としての歴史的現世的役割は終えている。つまりアメリカ自体が既に地獄に堕ちている。この前、イギリスも堕ちたので、つられてその子どもであるところのアメリカも堕ちたのだ。

日本も戦後に十分堕ちなかったために、再度堕ちようとしている。ワイドショーではなんと(予想通り)、トランプファミリーの華麗なる何とかとか、ビジネスマンだからとか、地頭がよいとか言っておもしろがっている。Go to hell

 忽ち赤い郵便筒が眼に付いた。するとその赤い色が忽ち代助の頭の中に飛び込んで、くるくると回転し始めた。傘屋の看板に、赤い蝙蝠傘を四つ重ねて高く釣るしてあった。傘の色が、又代助の頭に飛び込んで、くるくると渦を捲いた。四つ角に、大きい真赤な風船玉を売ってるものがあった。電車が急に角を曲るとき、風船玉は追懸て来て、代助の頭に飛び付いた。小包郵便を載せた赤い車がはっと電車と摺れ違うとき、又代助の頭の中に吸い込まれた。烟草屋の暖簾が赤かった。売出しの旗も赤かった。電柱が赤かった。赤ペンキの看板がそれから、それへと続いた。仕舞には世の中が真赤になった。そうして、代助の頭を中心としてくるりくるりと燄の息を吹いて回転した。代助は自分の頭が焼け尽きるまで電車に乗って行こうと決心した。(「それから」)

この人なんか、決心できるだけ話が穏やかなようにもみえるが、まだ頭に風景を吸い込もうという勢いが我々とは異なる。我々はどちらかと言えば、「にごりえ」のお力みたいなのに近いのではあるまいか。
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