★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

我々の人格が失はれ行く過去を掻き集めて現在の一点を突破する所に、真の直観といふものがあるのである。(西田幾多郎)

抵抗勢力としての小説家

2017-06-12 23:36:38 | 文学


海野十三の小説を読んでいると、末期症状の国家が、あまりにも「何でも反対」と叫ぶ野党(そんなすごい野党は存在していないが)みたいになりはててしまうことがわかる。上は昭和19年の「諜報中継局」。――米国では大統領が傀儡で影の大統領にあやつられており、原子爆弾製造に失敗しておまぬけに設計図をなくしたり、兵士が足りなかったり、――そもそもホワイトハウスだけでなく各家庭の花瓶に盗聴器が仕掛けられたりしていて日本には情報が筒抜けという有様なのだ。それに対して、日本の特攻は、次々に一機につき戦艦一隻を轟沈させている。米国艦隊は人手不足でもはや幽霊が戦っているような状態であるのに、日本の大本営発表はなぜか日本の戦果を低く見積もって発表する始末なのだ。もう、日本にはかなわない!で、ついに影の大統領が、日本への休戦協定を表の大統領に指令するのであった。

米国と日本をそっくり入れかえれば、ほとんど当たっている……

すなわち、なんでも反対の事を言えば良いのだ。そうすれば、真実は自ずから海の向こうからやってくる!
ジャンル:
小説
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