白猫夜話

フィギュアスケートっていいな

乗車待機中

2019-09-27 20:44:04 | 高橋大輔

「髙橋大輔」のスケートが好きだった。

2009年の全日本。
あの会場に行かなければ、たぶん、こんなに長く深く見続けることはなかっただろうと思う。
衝撃だった、「eye」
そして、翌日、もっと衝撃を受けた。
「La Strada」を滑っている人が、昨日と同じ人にどうしても見えなかった。
醸し出す空気も、滑りの重さも、違って見えた。
流れるように軌跡を残すトレースにも見惚れた。
ミスがいっぱいあったのに、そんなこと忘れていた。

あれから、10年。
今も、プログラムによって違う人に見える。
違うけど、ほかの誰でもない「高橋大輔」。


そのシングルが終わるんだね。
まだまだ整理できない気持ちがあるけれど、アイスダンスの「ダイカナ(カナダイ?)」もきっとワクワクして見守るのだと思う。

復帰してから一貫して変わらない、ブレないこと。

「自分のために滑る」

そして、「一生滑り続けたい」

アイスダンス転向を「躊躇しなかった」とさらった言ったことばに、その姿勢が見える。
彼にとって重要なのはきっと「滑り続けること」「滑って表現すること」なんだろう。
シングルであれ、アイスダンスであれ。

そのへんは、正直まったく違和感は感じない。

だけど、わたしの中に混乱が残っているのはきっと、「一人、氷上に立ち空気を変える髙橋大輔」がまだ見たいというわがままからだ。


切なさと、ワクワクと、不思議な浮遊感と・・・今度のジェットコースターはさらに厄介そうだなぁ・・・。
まだ走り出す前なのにね。



甘くないメレンゲ

2019-05-14 19:42:54 | 高橋大輔

わたしにはわからない。
何故これほど高橋大輔は危機管理能力が低いのか。
そしてワードチョイスがリスキーなのか。

彼が使う「色気」は、性的な意味ではなく「魅力」ということだろうというのは想像できる。
本で語っている「嫉妬」は、ほぼ「負けず嫌い」で代用できる。
今回の「フェチ」は「好き」とか「注目している」程度の意味でしかなさそうだ。

しかし、だ。
他人は同じ価値観では受け取らない。
こういった微妙なワードは誰かを傷つける可能性がある。
過剰反応する人も多いし、ワードが独り歩きする危険も大きい。

わたしは氷上の演技以外にはほとんど興味がないけれど、スケーター高橋大輔が大好きなのだ。
ほかに代わるものがないあの素晴らしいスケートが色眼鏡で見られてしまうのはなんとも惜しい。
けれどヒトは感情のイキモノなのだ。色眼鏡で見ないはずがない。

高橋アンチは多い。
けれど、最も憂慮すべきはそれを生み出したり餌を投下し続けているのが、彼自身でもあることだ。

お願いだ、少しは危機管理の意識を持ってくれ!




高橋大輔のいた空間

2016-06-03 16:20:10 | 高橋大輔

高橋大輔が引退して、ずいぶんと時が流れた。
彼自身が語るように、もう競技に戻ってくることはないだろう。

競技は変化した。
かつては跳ぶか跳ばないかが議論された4回転は、いまや何種類跳ぶか、何本跳ぶか、後半に跳ぶか・・・が議題になる。
高難度化の荒々しい急激な波は、競技リンクを変えた。
難度も点数も、驚くほどの進化である。


しかし。
ラクリモーサを見るとき、わたしは別の世界の進化を思う。
それは価値を言葉に振り当てることが難しい世界だ。
基礎点が何点だから、GOEが何点だから、つなぎの技がいくつ入っているから・・・なんて明確な言葉の羅列ができない。
むしろ、言葉にするのがもどかしい。
そんな言葉の無い世界にわたしは魅了される。

そして、思うのだ。
ああ、もう彼は競技リンクにいないのだ。

わたしの競技へののめり込みがどんどんライトなものになっている理由はひとつしかない。

彼はもう、いないのだ。


新たなる道は、別の世界に伸びている・・・












君の歩んだ道

2014-10-14 19:22:49 | 高橋大輔

mみみnみの+

2001年12月。
高橋大輔は初の全日本フィギュアスケート選手権大会に挑んだ(→ここだよ
そのとき、15歳の少年の目にはどんな景色が見えたんだろう。

それから12年後。
2013年12月、さいたまスーパーアリーナ(→ここだよ
降り注ぐ声援の中、最後の全日本を滑り終えた28歳の青年の瞳に映ったのはどんな景色だったのだろう。

高橋大輔の歩んだ12年は、同時に日本男子フィギュアの飛躍の歴史でもある。

2014年12月。
この冬、長野のリンクに彼はもういない。
けれど、全日本のリンクはきっと熱い。
その熱を育んだ理由のひとつに、まちがいなく「高橋大輔」の存在が、あったろう。

過ぎし日の冬、少年が仰ぎ見たまばらな客席は、いま、たくさんの笑顔にあふれている。

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