くまだから人外日記

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【偽書】虹メイル・アン 〔第七話〕青空と海よりの使者の帰還 10

2017-07-18 00:05:10 | 【偽書】シリーズ
「明日にでも。いや、もし今日この場で災害に被災しても即時に稼働可能のつもりですよ」
「まだデータケーブルも接続してあるし全身にコーティングも施されてはいませんよね」
「コーティングなど無くても稼働は可能です。万が一の災害は待った無しですから」
僕を見てリンダが少し眉をピクリと動かした。
“救助する対象はどうせ被災した市民ではなくて、のうのうと暮らすこの国の政府の要人でしょ”と言いたげに。
「勿論今後我が国家と国交を結ぶ国ならば災害地への無償供与も検討します。人命は何者にも勝りますからね」
それならばまず戦争の支度を止めてればいいのに。
軍事国家を旗頭に世界と断絶している国から人命救助メイルを供与とか喜ぶ国はあるのかな?
確かに自然災害は人類が主義主張を超越して立ち向かうべき課題だろうけれど。それより目的地に何とか近づかなければ。

「そう言えばこの国にはSR型の列車が走っているんですよね。是非とも乗車してみたいなあ」
男の眉がピクリと反応した。
「よくご存知ですね。あんな前近代的な車両など、貴国内ではもう走行していないでしょう」
まるで“そんな古い車両を走らせているこの国を馬鹿にしているのか”と言いたげなプライドを逆なでされたような物言いだった。
「そうなんですよ。僕が生まれて直ぐに廃止になってしまって、実際に鉄路を走る姿を見てみたいんです」
鉄道オタクを装う様に僕は振る舞う。
「同じ路線を最新鋭の車両も走っているんですよ。時間も限られておりますから、そちらなら何とか手配致しますが」
「残念だなあ。でもわがままを言ってはいられないし、車窓からその列車を眺めるチャンスもありますよね」
「多分可能ですよ」
「ではお願いして宜しいですか?」
「勿論です。直ぐに手配致しましょう。君、旅券の手配を。我々二人分も入れて九席だ」
男は相方の女性に向かって指示を出す。
「かしこまりました」
女性は携帯を取り出して旅券手配のサイトにアクセスする。

「チケットの手配が出来ました。時間の関係から区間限定の片道だけですが」
「ありがとうございます」
「良かったですね。翔太郎。期せずしてこちらの国で列車を見るチャンスを得られて」
「うん。そうだね、アン。感謝しなくっちゃ」
「沿線には軍事施設もありますので、写真撮影はこちらの指示のある場所だけでお願いしますよ」




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