くまだから人外日記

くまだからくまなのだ。

それでいいのだ。

天宮の乙女達…タジリスクの聖戦(9G) 92

2017-04-19 20:15:14 | 【偽書】シリーズ
「送るべき翁はこうして鬼門となった。ならば君が次に行いミッションは報告の為に一旦出発点の紀の国へ戻る事ではなく、君を必要としている人々の居る場所へ向かうのが筋だと思うが」
「それって…。負界領域に居るメリー…仲間の居る場所へ…って事ですか?」
「帝国の歴史遵守指導部からの依頼が届いておる。君の移動に最大の配慮を願いたい…と」
「長老から?」
「お見通しのご様子だ」
「ありがとうございます。ご好意に感謝致します」
「では遠慮なく使ってくれたまえ」
室長が示す先には、小型ながら異空間への飛行も容易にこなせる最新鋭の軍用機を改造した帝国赤十字の印された機体がポットを待つように船上滑走路に横たわっていた。
「あれならば安易に狙撃もされまい」
「ワクワクしますわ。最新鋭の移送機で出かけられるなんて」
「そっちの方か」
「戦女なんてこんなものですよ」
「根っからの…」
「はい、仲間にも黙ってきましたけど」
意外。ポットにそんな趣味が。やはり戦巫女は戦巫女なのね 。
それを証明する様に、コクピットには既に配置されたパイロットの姿を確認したポットは小さく溜め息をついた(自ら最新鋭機体を操縦したかったのか…)。
更に後部座席に着座すると、本来は使用できる爆撃操作盤が外されているのにガッカリしてみせる。
(赤十字仕様なんだから当然爆撃とか有り得ないでしょ。最低限度の自衛小銃とかならいざ知らず)

「ありがとうございます。最新鋭機を。室長」
「目が笑っていないぞ。全く戦巫女とはいえ医療班の者が…」
「ひとつお聞き致しますが、パネルはともかく実弾は装備…」
「しておらん。少しでも機体が軽い方が良いのだから」
「(ガッカリ)」
「聞こえたぞ。小声でも」
「聞き取れる程度の小声で呟きましたので。室長の聴力は正常ですね」
「聴力検査のつもりか」
「実弾を発射して大音響の聞き取り検査を実施したかったのですが残念です」
「それは良かった。では行きたまえ」
パイロットが室長に合図すると機体が動き出す。

「さて。少々物足りないけれど、これで一気にティガー達に追いつけるかしら。待っててよ。メリー。ルリ」
最新鋭機体は一気に星間を駆け抜けて行った。

「あの千年紀を記した翁が最後に選んだのがあの戦巫女だったのか、それてもそれは偶然だったのか?」
室長はポケットから小さなオルゴールを取り出して蓋を開ける。
しかし、既に千年を経てきた小さなオルゴールの部品は互いに動きあおうともしなかった。

「あの時代の者達は、忘れられた現世で何を求めるのか?」







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