くまだから人外日記

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天宮の乙女達…タジリスクの聖戦(9G) 93

2017-06-16 09:57:47 | 【偽書】シリーズ
「偉い議長の爺様よ。もう少し孫の教育を何とかできなかったのかよ」
傷だらけの有翼人は不満そうに言う。
「てめぇ、放せ。縄を解けよ!婦女子虐待で訴えるぞ」
「騎士団に混じって誰より暴れていやがった癖に、ぬけしゃあしゃあと」
「何故政治犯で投獄されているお前がここにおる…まさか、兵役を条件に減刑を呑んだのか?」
「久し振りだな。じいさん」
「おい。感動の再開は置いておいて、そう暴れんなよ…痛てててて…」
「ふふ。一騎当千の血の気の多い有翼人もじゃじゃ馬には形無しだな」
「おめえに言われたくないぜ」
「減刑?そんな交換条件なんかじゃないぜ」
「では、何と交換を」
「奇禮(きらい)の糧を得る事だよ」
「奇禮の糧だと…そんな昔話の様な夢物語を…帝国が信じるなど」
「史歴があるんだよ」
政治犯とは思えぬ綺麗な皮膚色をしたその少女は悪びれる事無く、まるで親の仇に語るが如く初老の議長に強く言い放つ。
「史歴…?だと」
「ああ。そうしたらタイミング良くアンタが統べる議場を解放するミッションときた。渡りに船だと思ったね」
「武器所か調理の刃物すら満足に握った事もない暮らしをしていたお前が…」
「史歴さえ自由にしたら、思うがままだろ」
「嘆かわしい」
「何だよ爺様。その史歴とかって…」
「古き有翼の戦士よ。それは現世では不都合な産物だよ」
「古(いにしえ)の聖痕か」
白い騎士武具姿の男が少女と議長に向かって言う。
「セイコン?」
「かつて龍王が覇権を求める人間に授けたと言われる幾つかの覇王への一里塚だ」
「宇宙の理を統べる…ってアレか。レッド・クレス…」
「カノサース!!」
「いけね。何でもないぞ。何でも」
白い騎士装束の男に諌められた有翼の男はかぶりを振って否定にかかる。
「貴公らは知っておるかのか?まさかあの品を」
「知らねえよ。あの珠なんて」
「形は球形をしておるのか?知っておるのだな」
「カノサース!!もう語るな。議長殿。貴殿ももう余計な詮索はなさらぬ事だ。貴殿は何も知らないで良い。首と胴体を繋いでおきたいのならば」
「爺様。まあ、そう言う事だ。俺様も爺様も何も知らないし聞かない。な、そうしようぜ。俺達だって兵士でもない文民を無闇に殺害したくないんだよ」
「ううむ…」
「そうか。球形なのか。私は聞いたからかね」
少女は臆する事なく笑う。

「だからテメエ、今すぐ殺されて死にてえのか?」






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