靖國神社 夜桜能

2017-04-06 00:35:11 | 日記
毎年のことながら、靖國神社で夜桜能の季節です。
靖國神社の夜桜能は、三日間開催され、たいてい、どこか1日は雨が降ります。雨が降ると、屋外にある靖國神社の能舞台では開催できず、新宿文化会館で上演になります。
神社で桜を見ながらの能舞台、それでこその夜桜能なのに、雨になるとまるで意味なし、、、。
しかも、夜桜能の開催日が桜の見ごろにあたるかどうかは、完全に運です。

わたしは、昨年は3日目に観劇しまして、晴れたのでちゃんと靖國神社で上演され、席も最前列で良かったのですが、桜は満開を過ぎており、散りかけでした。
でも上演中に風が吹くと、篝火に照らされた能舞台に、たくさんの桜の花びらがはらはらと散りかかり、それは幻想的でした。
明治時代以前は、能舞台は外があたりまえでしたから、なんだか、大名や将軍が見ていた舞台を見ているようでした。



これは昨年の夜桜能の様子。

今年はちょうど桜の見ごろにあたり、天気予報も晴れそうだったので、チケットを手配して、楽しみだなーと思っていたのですが。
どうにも体調が悪く、どうしても行けませんでした、、、。
うーん。
楽しみなはずのことに、どうしても気落ちがして動けなかったり。
なんとなく体調が悪く、起き上がれずに寝ている。
そういうことはしょっちゅうで、できたらいいな、と思うことの多くができません。
10年以上そんな状態なので、もはや仕方ないのだろうとは思いますが。
私の人生こんなで過ぎて行くのか、と思ってしまい、よけいにがっくりと落ち込み。

それにしても、神社、桜、能という空間は、これ以上、日本の精神と美意識が凝縮された空間はあるまい、と思うものです。
神社の境内はそもそも神域ですが、能舞台は完全に神のために作られた異空間です。
能の舞いは人工的なもので、表現するのは非常に抽象的な観念です。
能舞台も舞いも、人間が人為的に厳しくコントロールして作り上げたものですが、それをコントロールできない自然の風が吹き、花びらが散る中で舞う。
自然を神とする日本人が、人為的な芸を極めることで、コントロールできない自然に調和していこうとする、不思議な攻めぎあいを見る気がします。

私は能も狂言も好きで、お金と時間、そして体調が許すときは、能楽堂に見に行くのですが、やはり屋外で演じられるのが本来と思います。

世界各国に独自の演劇はたくさんありますが、最高レベルのものは、イギリスのシェイクスピア、ドイツとイタリアのオペラ、フランスのバレエでしょう。
日本の能は、それらと同じく最高峰の演劇として数えられるものです。
それ以外の国の演劇からは、まあ反論はあるでしょうが、完成度の高さや芸術的な深みから、おおむね、多くの人が納得でしょう。
しかも日本の能は、歴史的に最古のものです。世阿弥の風姿花伝は、世界最古の体系的な演劇理論です。
しかも、何かしらの「ものがたり」を語るのが演劇であるのが普通なのに、世阿弥は、能を「抽象的な観念」を表現するものに変えたのでした。
たとえば「いのちのはかなさ」や「夫婦の愛」といった観念、つまり「テーマ」です。
世阿弥の行なった「テーマ」の発見は、ヨーロッパでは、近代のワーグナーまで待たねばなりません。
日本のいにしえの文化の高さはびっくりします。そういうことを、なぜ日本の学校では教えないのでしょうね。

能を見ると思うのは、能は「世俗」の要素を極限まで排しているので、あまりに抽象的で格調高すぎ、面白みが少なくて、日本人でも現代では興味を持てない人がほとんどかと思います。
実を言うと、国立能楽堂に能を見に行っても、常に半分以上の人が途中から寝て ます笑。
私も体調が良くないときは、やはり寝ちゃいます。ははは。
能は日本人の「観念」を、純度高く表現したものなんですよね。
狂言は反対に、日本人の「俗っぽいお笑い」を洗練して高めたものです。
なので、狂言は現代でも誰が見ても面白いです。狂言では寝る人はいませんし、みんな声を上げて笑っています。
わたしは、狂言は、テレビのつまんないお笑いより、百倍面白いなーといつも思います。どの演目も長い年月をかけて洗練され、つまんない演目は淘汰されてきてるので、テレビのお笑いより、ずっとハズレが少ないです。

能は無理じいしにくいですが、狂言だけでも、もっとたくさんの人が見たらいいなと思います。
でも能は、日本の生んだ最高の演劇、日本文化の極みです!
これをなくすのはあまりに惜しく、やっぱり、もっとたくさんの人に見て欲しいです。

















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