《試練》――現在史研究のために

日本の新左翼運動をどう総括するのか、今後の方向をどう定めるのか

現状分析の議論が尽くされていない――水谷保孝・岸 宏一「自著を語る」を読んで

2016-03-18 11:25:36 | 『革共同政治局の敗北』の感想、批判
現状分析の議論が尽くされていない
――水谷保孝・岸 宏一「自著を語る」(『流砂』所収)を読んで
2016年3月14日
団 安喜良

A.政治局における財政腐敗は想像を超えるものだ

 『流砂』10号掲載の水谷保孝・岸宏一「自著『革共同政治局の敗北』を語る――党概念のコペルニクス的転覆ができるか」(以下「語る」と略)を興味深く拝見しました。
 「語る」でも様々な論及が為されていましたが、とりわけ革共同政治局の財政問題での腐敗とその根深さ、秋山勝行の犯罪には考えさせられました。その実態は想像を超えるものでした。
 わたしも病気で倒れるまで、組合支部を任されていたのですが、組合支部が比較的大きかったため、ストライキなどの大きな闘争に備えて1億円近い闘争資金を溜め込んでいて、その管理と運用には大変苦労しました。私が組合支部の活動に関わるようになったのも前任の財政責任者のマンション購入資金をめぐる使い込み問題からでした。この時には幸いにも当時の組合指導部の責任問題を厳格に処理することで決着がつきましたが、その後に組合員の信用を取り戻すまでは大変苦労しました。
 また、他の労組でも金銭問題から組織をおかしくするのを何件も目にしています。
 それにしても、政治局において、対談の中で述べられていたような資金管理の方法が取られていたのには驚かされました。相互間の監査体制もなく、組織の金を分割して管理して、それで問題が起こらないなどあり得ません。財政責任者が白井朗であったことは私も知っていましたが、白井は一体何をやっていたのでしょうか。
 いくら同志的結合の党組織とはいえ、金と男女の問題では、とくに最高指導部においては性悪説の立場に立って相互監視の体制を整える必要があると思います。たとえ、非公然体制という枠組みの中でもそのような体制を整えられるし、やるべきだと思います。

B.混沌とした世界情勢に対応しえていない

 それと、財政問題とともに安保・沖縄闘争についても論及されていましたが、この問題の大きな背景となる現代帝国主義とソ連スターリン主義崩壊以後の現状分析が、この間の批判や論争の中でも十分な議論が尽くされていない点に若干の違和感を覚えます。『革共同政治局の敗北』(以下、『敗北』と略す)ではその序章第3節「二一世紀の使命――どこからどこへ」で、時代認識の大きな視点が提起されてはいますが、それとて視点であり、日々流動する現代世界の動き、その構造変化の解明には追い付いていません。
 思えば私達が運動に参加したきっかけは、1960年代後半からのアメリカのベトナムへの侵略戦争とベトナム民族解放戦線の果敢な戦いが続けられている最中でした。私たちはベトナム人民の血を血で洗う戦いがあったからこそ、圧倒的な人数と装備を整えた機動隊に果敢に挑戦していったのです。
 しかし、この反戦運動はベトナムでのアメリカの敗北にもかかわらず帝国主義国における革命的動乱に発展しませんでした。私たちはこの点をきっちりと総括しなくてはなりません。
 ここにはもちろん革命党の未成熟、民間反革命カクマルとの二重対峙の問題がふくまれていますし、この間論争してきた党概念のコペルニクス的転覆にかかわる問題があります。
 レーニンが革命を現実のものと出来たのは第一次世界大戦の勃発を予見して、この戦争が帝国主義の存亡を賭けた総力戦となること、そのことが帝国主義国人民に塗炭の苦しみを与えて、人民の革命的流動が必ず起こることを見通して、それに向けて党派闘争も党内闘争も続けていたのです。
私たちはレーニンのこの教訓を第二次世界大戦後と朝鮮戦争、ベトナム戦争の時には生かしきったろうか? 帝国主義とスターリン主義の重しの下で戦争の結果を限定的にする試みが行われ、それが一定の効果を生んでいたのは事実です。しかし、この動きは、中東、アフリカ、東アジアにまた飛び火して、帝国主義にとっての泥沼地帯となっている現状があります。
 このような混沌とした世界情勢を読み解き、帝国主義が帝国主義である限り、スターリン主義がスターリン主義である限り、核戦争を含む世界再分割戦争が不可避であることをあきらかにし、それに対応する党組織の建設こそがもとめられているのではないでしょうか。

C.三里塚から安保・沖縄へ

 ところで、当ブログに掲載された「沖縄からの通信――辺野古代執行訴訟和解が意味するもの」を読みました。
 これを読んで、当初に商業新聞を読んで何か煮えきらない感じだったのが、かなり疑問が氷解した思いです。オール沖縄の闘いが日米安保体制・沖縄差別体制を食い破る闘いとして私たちの前に現れているのです。まず、なによりも強制代執行が敗訴寸前に追い込まれているとのことがきわめて重要です。三里塚では機動隊の力で空港建設を強行しようとしましたが三里塚反対同盟とわれわれの必死の闘いによって収用委員会の解体、空港の機能不全というところまで政府を追い詰めました。オール沖縄の闘いの高揚を眼の前にして、このままでは三里塚以上の深刻な事態になると政府側が判断したからこそ、「和解」という選択をとらざるを得なかったのではないでしょうか。

 「語る」や『敗北』にあるように、三里塚闘争での革共同の闘いの中には誤謬や問題点があったのは事実ですが、党の総力を挙げ権力の攻撃を阻んだのも厳然たる事実です。この闘いが現在の沖縄情勢の結果を生む助けになっていることを、過酷な犠牲を受けながらも闘った大勢の同志達は喜んでいると思います。

 オール沖縄の大きなうねり、反安保、反戦への人民の結集は、日帝の基本政策を脅かす運動の萌芽となるものです。
 しかし、情勢は油断を許しません。政府側はこれまで以上の暴力的対応を進めて、事態の打開を図る可能性があります。これに対しては大衆的なデモと同時にゲリラ的・パルチザン的な闘いが必要になる段階が必ずあると思います。その段階に備えて闘いの核になる非公然・非合法の党を早急に作り上げる必要が、本来はあるのです。残念ながら、私たちの年齢ではもう無理ですが、私達の失敗例や誤りをあきらかにし、今後の闘いの進むべき道を指し示すことができれば、と思います。

D.これからの人々の指針となるために

 その意味では『敗北』は私達の問題点をあきらかにし、自己批判を進めることにより、これから闘いを担う人々の指針とならねばなりません。
 この点で、くり返しますが、『敗北』では、党組織のあり方や運営の問題点、基本戦略と総路線の右翼的転回の分析はかなり書かれていますが、その背景となっている現代帝国主義の現状分析、植民地支配の現状分析はまだ不十分な感じがします。
 今、レーニンの「帝国主義論」を読み返しています。先の長い命ではありませんが、感じたことを少しずつ書いていきたいと思います。

つれづれなるまゝに、日ぐらしiPadに向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。
団 安喜良


《管理者から一言》筆者は難病を抱え、厳しい闘病の中から投稿を寄せた。
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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-03-20 16:23:24
なんか”《試練》――現在史研究のために”において、私の記載を削除したり、このブログもなんかおかしいなあ。まあ私がブログに書いていることを見たからなのかワカランけど
http://onicchan.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-3025.html

私が書いた内容はコレ
http://onicchan.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-6ed9.html

私のも含めてバッサリと切っとる。

このブログの著者も、どういう基準で残すか、削除するか、を全く開示しないで恣意的に削除しとる。
たぶん中身の検討もしてない。
それが、自分が中核派に対して問題と言うとる、同じことをやっとるという、どうしてそこがワカランのかなあ・・・。

とはいえ、いろいろチェックすると、私を揶揄するコメントもだいたい削除しとる。
私が書いたものと、私がコピペしたわけではないけれども、私のコピペ、この2つしか残ってない。

まあだからこのブログの著者も、私のブログの存在なり工作活動の存在には気づいたのか。

連絡ください (おーにっちゃん(元 中核派))
2017-03-20 19:32:34
ワタシはAKB48の女の子たちに慕われとる人気者で有名人や。

”大西秀宜”で検索したら一杯出てくる。

07069699177
kotochan0725@gmail.com
Unknown (おーにっちゃん)
2017-03-21 14:17:44
私だって、中核派なり動労東京なりを最先頭で引っ張ってく意思があったんやけど、白井も小泉も片野も吉野も、あと事務局の飯田もや、こんなバカ連中を相手にして闘うよりも、違う道を選んだほうがいいと判断してもた。

http://onicchan.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-003f.html

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