団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

本当に過重労働か

2017-01-12 10:08:20 | Weblog
 電通に続いて、三菱電機も過重労働の疑いで労基署の摘発を受けた。電通のケースは社会問題になって、過重労働、働き過ぎに一定の反省を強いることになった。電通は社員の仕事の規範である「鬼十訓」を撤回した。
 なんともあたふたしたものであるが、そんなものが現代に残っていた、というほうが奇観であろう。電通がいかにアナクロ的な企業であったかを理解できるのだが、今回の問題で過重労働を前面に出して、なにかを隠蔽した可能性は否定できない。電通はマスコミにも影響力があるから、オーバーワークに落とし込んでコントロールしたか。
 問題を過重労働に絞り、他の可能性、たとえば社内いじめ、パワハラなどが本当になかったのか。単に残業100時間以上で、自殺するまで追い込まれるものだろうか。
 そこまで仕事を強いる、ということ自体がいじめであるだろう。仕事は多くの場合、チームワークだ。チームが頑張るから自分もがんばれる、という共有意識がある。
 同じ価値観で動いている仲間がいれば心強い。辛抱もできる。しかし、電通のケースは、彼女ひとりをターゲットにして、死ぬまで働かせたわけだ。上司は何をしていたのだろうか。たぶん上司が過重労働に加担し、彼女が精神的におかしくなっていく過程を見てみぬ振りをしていたのだろう。
 原因は何かは問わない。言い寄ってしっぺ返しを食ったか、東大出をやっかんだか、あいつ生意気だ、懲らしめてやる、というプロセスを経たのか。その間、他の上司、同僚らは何をしていたのか。もし何もしなかったら、管理能力を問われるし、知っていて無視していたら、自分の保身ということになる。良心はどこにあるのだろうか。
 本来、そうした社内の有りよう、真実を暴き出さなければ、本当の意味で亡くなった方は浮かばれない。他にも、そうして追い詰められた人間がいるのだろうか。いるとしたら電通の体質になるし、いなければ犠牲者は明らかにターゲットにされたのだ。
 実際、学校でいじめ問題はクローズアップされているが、会社内も表沙汰にならないだけで、けっこうあるであろう。告訴すれば、まあ馘首か降格だ。結局は泣き寝入りになつてしまう。
 もっと社内での風通しをよくして、人間関係をチェックする方策を構築することではないか。嫌なやつは必ずいるし、悪党もいる。そういう連中をしっかりと人事的に把握して、他のノーマルな社員に影響が及ばない知恵が必要なのではないか。いじめ問題は聞いているだけで気が滅入る。
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