ひとりごとです。
あまのじゃく的思考のススメ



我が社の採用試験、今年の作文テーマは「デジタルの功罪」。という訳で僕も書いてみました。よろしければご一読あれ。受験者と同じく800文字制限です。



 デジタルとは何か?時間軸に沿って発生する変化の量を符号に置き換えるためにサンプリングし情報効率を上げる技術である。つまり連続している情報を断続的な情報に間引いているのである。一般的にデジタルは高品質で情報量が多いと認識されているがこれは逆である。微細な変化をつぶさに伝達するアナログの方が情報量としては圧倒的である。大スクリーンの映画が依然として完全デジタル化されない事がそれを証明している。
 こうしたデジタルの定義をふまえた場合、デジタルの「功」とは均一化による利便性の確保という事になる。情報量を間引く事によりいつでもどこでも誰でもがほぼ大差のない品質を得る事が出来る。これにより産業界では大量生産、コストダウンを容易に実現でき一部の富裕層しか享受する事の出来なかった品質や機能を誰もが平等に享受することが出来るようになった。テレビ放送は画質の良し悪しから受信の可否へ、音楽は高品質なオーディシステムからそこそこいい音のするミュージックプレイヤへとそのステージを変えてきた。
 一方で、この功は罪でもある。均一化とは没個性を意味する。技術とは頂きに近づけば近づくほどコストパフォーマンスが下がり一見「無駄な努力」と評される。しかしこの無駄な努力こそが技術の進歩を牽引してきた。これこそが基礎技術であるが、デジタルの登場によって基礎技術の発展は完全に止まった。むしろ日々散見される新技術とはすべて応用技術の賜物である。こうした現象はむしろ日本にとっては痛手である。マニアックとも言える無駄な努力により世界をリードする基礎技術力の高さはもはやグローバルスタンダードと言う名の均一化の中で競争力を失った。
 デジタル革命の覇者はこうした価値観の変化に本質的に対応できる者であり、未だ世界に登場していない。デジタルの本質に向き合う事が必要だ。


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