できるだけごまかさないで考えてみる-try to think as accurately as possible

さまざまなことを「流さずに」考えてみよう。"slow-thinking"から"steady-thinking"へ

『電車男』、女性に勘違いを生む

2004-11-20 05:23:45 | 映画などのエンタメレビュー
 今週はいろいろと話題が飛んだが、月曜発売のアエラによると、『電車男』の購入者の女性比率が徐々に上がっているようである。出版元の新潮社によると、「発売直後は、購入者の男女比は7:3ぐらいだったが、発売後3週間時点では、購入者の46%が女性」とのこと。

 購入者や編集者も、

「こんなに一途に人を愛する気持ちを持てるって言う人が、今の世の中にいるんだ、と。不器用な分、駆け引きとかなくて、ただ『好きだ』という気持ちがすごく伝わってくる」

「オタクの人って今まで何を考えているのかわからなかったので、こんなに純粋に現実の女性に恋愛感情を抱くとは知らなかった」

などとかなり前向きな印象を、2ちゃんねるなどに書き込む「ネットおたく」に対して抱いているようであるが、言うまでもなくこれはネットを通した単なる幻想、あるいは女性から見た都合の良い希望的観測に過ぎない。その意味で、電車男ブームは多くの女性、特に30過ぎて独身のいわゆる「女性の負け犬(以前の書き込み参照)」にはお似合いの組み合わせであるという「大いなる勘違い」を生みつつある。

 電車男は、一途に人を愛していたのだろうか?「一途」の定義にもよるが、電車男側には、少なくともこの恋愛はできるだけうまく行くようにさせよう、そのために2chの住民の助けを借りようという「下心」は十分にあったはずである。この程度の下心くらいはOK,と女性が思っているとすれば、そういう女性が男性に対して抱いているイメージは、「テキトーに付き合って飽きたらポイ捨て」という、きわめてステレオタイプ的なプレイボーイの印象が中心、ということになる。こう考えていくと、電車男程度の男を「純愛型」と思ってい女性は、「男性との恋愛経験があまりないせいで、頭でっかちに男性に対してかなり歪んだイメージを持っている」という自分の男性観を露骨に表しているとしか私には思えない。

 また、「恋愛事情に詳しいライター」と紹介されている白河桃子氏は、

「負け犬女とオタク男は、あり得なさそうで、とてもあり得る組み合わせ何じゃないか」

と見ているが、これも、少し前にドラマ化された『きみはペット』的な男性を求める、対人関係の煩わしさをいやがるものぐさ女性の希望的観測にしか思えない。

 なぜ負け犬女とオタク男が「あり得る組み合わせ」なのだろうか。それは、負け犬女から見ると、オタク男は、自分のテリトリーに入ってこず、自分が望むように動いてくれる男性だからである。もちろんオタク男にも求める自由はあるだろうが、それは女性から見るとせいぜい好きなアニメキャラや、コミケに行って熱狂する程度の自由で、それは負け犬女から見ると、自分より年下で魅力的(に見える)なリアルな女の子に心を奪われないという「保険」に見えるのだろう。

 したがって、

「『電車男』が純愛ブームに火をつけた」
「セカチュー(世界の中心で愛を叫ぶ)の後は電車男だ」

などという言説は大嘘である。そこには、女性にとって都合がよい(自分の思うように動き、決して自分を裏切らない)男性を求める心理に「純愛」というラベルを貼って自己正当化する女性の醜さしか見て取れないのだ。

 青臭いことを言わせてもらえれば、男性から見た女性、女性から見た男性というものは、いつも理解できない部分の方が多い、という方が真実であろう。その中で、相手が好きになり、恋愛なり結婚なりをしたいのであれば、相手が自分を裏切らないことを求める以前に、自分のことをその相手に好きになってもらおうとするひたむきな努力が前提になるだろう。私自身のことも含め、晩婚化が進んでいる一つの原因として、そういう努力を軽視してきたことは見逃せないと思う。
 

※「きみはペット」はほとんど見ていない。あらすじを少し読んだ程度なので、ツッコミがある場合はご注意を。
ジャンル:
ウェブログ
コメント (14)   トラックバック (2)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ドラッグが入る心の隙間 | トップ | 江原啓之ブームに思う »
最近の画像もっと見る

14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2004-12-17 15:58:08
なぜだか文の内容に違和感を感じます。
Unknown (Unknown)
2004-12-27 14:05:52
電車男はオタクが脱オタして女性と付き合う話です。

オタク男には求める自由すら許されてません。
Unknown (Unknown)
2004-12-27 16:30:08
間違いました。

2ch住民が電車男を励ますところが肝でした。

純愛というか友情物ですね。
Unknown (白河)
2004-12-28 02:43:59
コメントありがとうございます。



世間では「セカチューの後は電車男だ」という方向に持っていきたいようで、2ch住民や電車男&ムーミンエルメスの意図にかかわらず、電車男は「純愛モノ」というレッテルを貼られることになるでしょう。私の論考は、これに対する反論なので、あなたのツッコミの方向とそう変わらないと思います。
Unknown (Unknown)
2004-12-28 09:04:16
でもヤバイ後日談とか暴露されたりしてるし。

なかったことになりそうな本ではある。
Unknown (白河)
2004-12-28 22:47:47
後日談がやばくても、マンガになってすでに連載されてるからねえ。なかったことにはならんでしょ。
Unknown (Unknown)
2004-12-30 17:45:53
漫画が掲載されてるのは青年誌みたいだけど。

女性が読むところまでいくのだろうか?

映画化までいけばあるいは…という感じだが。

セカチューはかなりのロングセラーだったし。
Unknown (白河)
2004-12-30 23:44:26
元記事に書いてあるように、購買者の約半数が女性とのこと。
Unknown (Unknown)
2004-12-31 12:18:18
「セカチュー」に「イマアイ」。

“泣きたがる、泣かされたがる日本人”という評論を何かで読んだ記憶があります。
Unknown (Unknown)
2004-12-31 15:38:14
セカチューとちがって

ノンフィクションだからなぁ…。

本は買ったあとに読むわけで。

女だったらエルメスの痛さが

気になってしょうがないと思うけど。
Unknown (白河)
2004-12-31 15:48:22
泣きたがる日本人というのはその通りでしょうね。しかも「古典的」なネタで泣きたい。韓流ドラマがマスコミの仕掛け以上に受けるのもそのせいでしょう。



それにしてもこの記事だけ大人気だな。
負け犬女って・・ (負け犬女)
2005-01-11 22:54:02
「負け犬女」って・・本当にいやな言葉ですね。

生きていくのがいやになるような言葉の響きです。

こういう言い方をする方は、該当者を目の前にしても

同じことを言うのですか?

本当に見てしまっただけでいやになる言葉です。





また、「恋愛事情に詳しいライター」と紹介されている白河桃子氏は、



「負け犬女とオタク男は、あり得なさそうで、とてもあり得る組み合わせ何じゃないか」



コメントありがとうございます (白河)
2005-01-12 00:41:22
 年末にとある番組で、一般女性3人による「負け犬女トーク」なるものをやっていました。そこでは、ある「負け犬(便宜上使わせて頂きます、すみません)」女性が、



「自分で言うにば便利だよねー。『どもー!負け犬女でーす!』みたいに。でも、他人から言われるのはイヤなんだよねー」



と言い、回りの負け犬女性達もウンウンうなずいていました。



 このあたりがポイントであるように思います。自分で言う分には「流行語を使うことで自分を場にとけ込ませる」役割を期待し、他人に言われると「自分を傷つけるイヤな言葉」のように感じるという。



 30代で未婚で子供もいないことよりも、30代になっても流行語を使わなければ自分を場にとけ込ませられないような現状の方が情けないですね。



 余談ですが、どこかの結婚紹介所も使うかも知れませんね。「負け犬だけど金持ちな女性と出会いイベント!」みたいなフレーズを。
Unknown (Unknown)
2005-04-20 10:37:54
「負け犬」と呼ばれる事、呼ぶ人間を批判する前に、

自分達も同じような事を、それも何十年も前から、

所謂「オタク」達にし続けているという事に気付いてください。

オタクもとい昨今の男性達が二次元に傾倒する原因の大部分は、

そういう事(如何に自分の言動が人を傷つけるか)に気付かず(わかっててやってる気もしますが)

人を傷つける女性にあるのです。

そりゃイケメンだって女をポイ捨てしまくりますよ。

だってイケメン側に愛がないのは言わずもがな、

女の方にだって形だけの薄っぺらな偽者の愛しかないんだもん。

ついでに言うならそんなのは一部の女性だ、

なんてのはただの誤魔化し、嘘っぱちです。

それが本当なら今の状況はありませんから。



こういう意見を聞いても、

その場は建て前で誤魔化して(あるいはそれすらせず)

キモいものをキモいと言って何が悪いの?とか

この世にはカッコいい男だけいればいいし、とか

心の底で思っちゃう且つ考えも変わらない人が大半でしょうが、

そういうのが「リアル女性の価値」を貶め、

「負け犬女」を「負け犬女」たらしめているのです。

自分で自分の首を絞めてるんです。

いい加減に目を覚まして欲しいものですね。



・・・って3ヶ月も前の一コメントに何熱くなってんだろ俺・・・

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

あわせて読む

2 トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
リベラルぶりっ子<萌えヲタの時代 (R30::マーケティング社会時評)
 忘年会に行って来た。  相手は、会社の同僚のR嬢、S嬢。年齢は少しずつ違うが、3人で大きな仕事をいくつかやった「同志」。年末で辞める僕への送別会も兼ねた会だっ
恋愛弱者蜂起計画/ネタ収集2 (PukiWiki/TrackBack 0.2)
非モテネタを淡々グダグダとピックアップするページ その2 † 知性化の階梯を一歩一歩登ってゆく、ネオ・ヒモテな益田ラヂヲが頑張ってます。主属不明、類属探してます。相変わらず時系列なんて無茶苦茶ですよ。 非モテネタを淡々グダグダとピックアップするペー...