別の仕事をしながら見ていたが、3時間「激論」とやらをしても、批判派は何を批判したいのかがはっきりせず、橋本市長の「余裕のある受け答え」ばかりが目立つ朝生であった。
1/22に録画したものを放送。大阪のスタジオでの録画とのこと。いつもはいる渡辺アナは「お休み」とのこと。
| 番組進行: | 村上祐子(テレビ朝日アナウンサー) |
| 司会: | 田原 総一朗 |
| パネリスト: |
山下芳生(日本共産党・参議院議員) 橋下徹(大阪市長、「大阪維新の会」代表、前大阪府知事) 東浩紀(批評家、早稲田大学教授) |
共産党の山下氏が一番上なのは、政治家、その中では国会議員様が「一番上」という慣例をテレビ朝日が勝手に作っているからなのだろう。
席順としては、東浩紀だけが橋下徹と同じ側に座り、あとは田原を除く全員が橋下の対面に並んで座るという格好。ただ、吉富氏だけは橋下氏に対して「是々非々」の立場と言っていた。あとは自民党の柳本氏も含め、橋下氏に批判的であった。
東浩紀も、特に橋下氏に対して擁護するつもりはなかったが、この「座り位置」から、橋本氏の発言で普通にロジカルな点は擁護するという姿勢表明をしていたし、実際にそういう役回りをしていたという印象。
3時間の中で、
・大阪都構想
・日の丸、君が代条例
・原発問題
を扱おうとしたせいで、どの論点に関してもつっこんで議論ができなかった。これは田原とテレ朝の大いなる作戦ミス。視聴者側も、橋本市長の発言におかしな点があるとすれば、それは何かという気持ちで観ていた人が多かったであろうが、一論点につき、CMも含めて1時間という時間割では、弁護士出身の橋下氏の発言のおかしな点を引きずり出すことは所詮ムリだったということであろう。
序盤から、この人の話し方の下手くそさがダントツで光る(苦笑)。

私の記憶では、地球温暖化問題では聞くべき点を持つ人であるような印象を持っていただけに、橋下氏の選挙時の姿勢と、当選後の姿勢がいかにおかしかったかを、もっとわかりやすく説明すべきだったのに、
「おかしい!おかしい!」
という「気持ち」だけが先行し、早口&しどろもどろで結局何がいいたいのかわからない。そこを田原が整理しようとして
「ちょっと待って!」
と遮っても、
「まだ話が終わっていない!!」
と、強引に話を続けようとする。しかし薬師院氏のしどろもどろは直らない。という「序盤のグダグダぶり」で、まず「反橋下派」に対する視聴者の心証(笑)は大きくマイナスに傾いたであろう。
大阪都構想については、東氏が
「結局、批判している人たちは、橋下氏の説明が足りなかったと言っているだけで、橋下氏の主張に対してどこをどうすべきか、具体的にわからない」
と言っていたが、私もそういう印象。「橋下氏は説明不足だ」と言っているだけで、「こうしようとすると、こういう悪い点が出てくるのだ!」という、具体的な批判はほとんど出てこなかった。
番組時間も半分くらいになったところで、ようやく、いわゆる「日の丸・君が代条例」の話に移る。すなわち、上のようにまとめられる程度の話で、なんと1時間半も費やしたことになる。これも田原&テレ朝サイドの大いなる誤算というか、仕切りと人選の下手くそさを如実に示している。
さて、日の丸・君が代条例に関しては、この人が前面に出てくる。

池田知隆氏。経歴の中で、「08〜10年 大阪市教育委員長」というところに注目。経歴で不思議なのは、毎日新聞論説委員を「09年まで」やっていたのに、「08〜10年 大阪市教育委員長」であった点。だれもつっこんでいなかったが、つまり、09年までは、この人は毎日新聞論説委員をやっていながら、大阪市教育委員長を兼任していたということだ。これでは、教育委員会の政治的不偏不党性など担保できないだろうに。しかもあの毎日新聞(笑)である。
にもかかわらず、
「市長が教育の世界に土足で入り込む」
などの発言を連発。あのさ、新聞社の論説委員が大阪市教育委員長を兼任することで、新聞社が教育の世界に土足で入り込んでおきながら、
「市長が教育の世界に土足で入り込む」
とはどういう目線なの??
要するに、「ヨソモノは入るな!」と言っているだけとしか解釈のしようがない。こういうところに、今の大阪府、大阪市の「閉鎖性」が、期せずして最も如実に表れていたと言えよう。
共産党の、参議院議員サマもこの問題に関してはファイアー!していた。

山下芳生氏。この議員もかなり悪質である。例の、1月16日の最高裁判決の中で、自分に都合の良い部分だけをあげつらい、
「国歌斉唱時の不起立で減給や出勤停止はしてはいけないと最高裁では言っている!権力は教育に対して抑制的であるべきだと言っているんですよ!」
と繰り返す。
・・・だから、当ブログのここやここでも指摘しているように(まだ完結していないのは勘弁。2月に入れば・・・きっと完結できると思う)、最高裁は、国歌斉唱時に起立を求める職務命令の合憲性を認めておきながら、それでも必死に言葉をこねくり回して、
「不起立一回と、その他の『軽微』な職務命令違反で減給以上の処分は重すぎる」
と言っているだけである。
例えば過去の1回の卒業式等における不起立行為等による懲戒処分の処分歴がある場合に,これのみをもって直ちにその相当性を基礎付けるには足りず,(判決、p.10)
その証拠に、過去の職務命令違反も含め、合わせて停職処分を受けた教師に関して、二人のうち一人は、最高裁でも処分は取り消されていない(すなわち、一人の停職処分に関しては法律的に正しい、という判決が下された)のだから(2012年1月17日産経新聞・朝日新聞)。
あのさ、小泉純一郎を「ワンフレーズ・ポリティックス」とか揶揄しておきながら、自分らは情弱(笑)を煽って、最高裁判決に関する間違ったイメージを植えつけ、既成事実化するなよ日本共産党さん。ケツ見えてまっせ。
で、これに対して橋下氏はにこやかに以下のような発言を繰り返した。

「公立学校教員は公務員です。ご自分の政治的信念があるのなら、なぜ私立学校でやらないのですか?私は、公務員であれば、府や市が決めたことに関しては守りなさいよと言っているだけです。」
まあ、当たり前と言えば当たり前すぎるほどの論理である。これに対して正面から反論できる論客はおらず、池田氏が
「強制はいけない」
と、なんの根拠もない発言を弱々しく言っただけであった。
むしろ、この点に関しては司会の田原の方がハッキリしていた。

田原曰く、
「第二次世界大戦に関しては、日本政府は総括をしていないでしょ?だったら、日の丸君が代(に関する職務命令)と、それ以外の職務命令は別なんじゃないの?」
と。
これに対しては、橋下氏は明確に答えていなかったと記憶しているが、私に言わせれば、こここそが、公立学校における日の丸・君が代問題の「キモ」の一つである。
あの悪名高い村山談話の例を挙げるまでもなく、政府レベルの「組織」が歴史に関して「総括」することこそが無意味である。「総括」した後に新たな「史料」が出てきたらどうすんの?という話だ。日本はドイツのように、一民族を皆殺しにしようとするような組織的計画・組織的民族殲滅行為は行っていないし、あの東京裁判ででさえ、そのような立論はなされなかった。
したがって、政府が歴史に関して総括することは全く無意味であり、日本政府が第二次世界大戦に関して総括をしていないことをもってして、日の丸や君が代に関する職務命令だけは特別、という結論を引き出すことは単なる「無理筋」に過ぎない。
※むろん、条約などで、他国への賠償などを約束した場合は、それを履行する義務を持つという意味で拘束力があるのは当然だ。条約を締結した後で、新たな史料が見つかっても、それは条約や法律で決められたことが優先する。これはこれで法律学のイロハのイであろう。
三つ目の議題である、原発に関しては、結論が共産党とあまり変わらないものであるだけに(笑)、話はただグダグダに流れていっただけだと記憶している。
以上、とりあえず、二つ目の論点を中心にレビューしておいた。
ま、反橋下勢力がこの体たらくでは、大阪の「橋下城」を落とすのは半永久的にムリかな、という印象であった。国政に出るというのであれば別だが。











